点と線とは?

てんとせん 【点と線】

小説松本清張作。1958年昭和33)刊。謎の情死体をめぐり、事件を追う刑事らのアリバイ崩しを軸とした、社会派本格推理小説

点と線

作者松本清張

収載図書松本清張傑作総集 1
出版社新潮社
刊行年月1993.10

収載図書松本清張小説セレクション 第1巻 点と線・火と汐
出版社中央公論社
刊行年月1995.5


点と線

作者岡部

収載図書第二の接吻小説
出版社文藝書房
刊行年月2005.4


点と線

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/10/22 14:05 UTC 版)

点と線』(てんとせん)は、松本清張の長編推理小説。『1957年2月号から1958年1月号に連載され(連載時の挿絵は佐藤泰治)、加筆訂正の上、1958年2月に光文社から単行本が刊行された。後に電子書籍版も発売されている。




  1. ^ ミステリー史上における本作の位置づけについて、平野謙は、アリバイ崩しそれ自体は、日本でも蒼井雄鮎川哲也らが早くから手がけているが、本作はリアリティの点で卓越していると評価し、また、クロフツをアリバイ破りの完成者のひとりと位置づけながら、犯行動機をもっぱら個人悪に求めたクロフツに対して、本作では個人悪と組織悪の混合に求めている点が新しく、そこに清張のオリジナリティがあると分析している。『松本清張全集 第1巻』(1971年4月、文藝春秋)巻末の平野による解説を参照。
  2. ^ このため、現在でもしばしば清張の代表作とみなされている。もっとも、著者自身は、光文社の単行本の「あとがき」において、「この小説では、いわゆる謎解きのほうにウエイトを置いて、動機の部分は狭くした」ため少々不満の残る旨を述べている。また江戸川乱歩に対して、『点と線』(と『眼の壁』)は習作的な作品にすぎないという発言もしている。「これからの探偵小説」(『宝石』1958年7月号掲載、『江戸川乱歩と13の宝石 第2集』(2007年、光文社文庫)等に収録)参照。ただし、『文藝年鑑』に提出する葉書の「代表作」欄には毎年「点と線」と書き続けており(藤井康栄『松本清張の残像』(2002年、文春新書)88-89頁参照)、清張が少なくとも建前上は本書を代表作としていたことは確かである。また、日本のミステリーの歴史において、この作品を、いわゆる社会派推理小説の発火点と位置づけることもあるが、社会派推理小説の呼称が喧伝されるようになるのは本作発売後しばらく後のことであり、本作の発売に相伴ってこのキャッチコピーが使われたわけではない。清張自身は、この呼称に距離を置き、また適当ではないと明言している。エッセイ集『随筆 黒い手帖』(1961年)、エッセイ『グルノーブルの吹奏』(1988年)など参照。
  3. ^ 本作の4年後に刊行された『時間の習俗』では、捜査一課に転属している。
  4. ^ 『ミステリー最高傑作はこれだ!』(2004年、青春出版社
  5. ^ 前述の平野謙は「いかにして空白の4分間に佐山とお時に15番線を確実に歩かせるのかトリックが説明されていない」と指摘している。『松本清張全集 第1巻』または新潮文庫版(1971年5月)の平野による解説を参照。なお、平野の『点と線』読解に関連して、巽昌章による補足的解釈も出されている。巽『論理の蜘蛛の巣の中で』(2006年、講談社)中「第十八回 トリックは語る」参照。また、近年の長所短所併せた評価として、有栖川有栖による文春文庫版(2009年)解説がある。
  6. ^ 種村直樹『東京ステーションホテル物語』(1995年、集英社)中、「松本清張をめぐる「点と線」」参照。
  7. ^ 『点と線』の原稿料は1枚1500円であった。塩澤実信『出版社の運命を決めた一冊の本』(1980年、流動出版)中の第7章「光文社と松本清張の『点と線』」参照。
  8. ^ 戸塚文子「『点と線』の頃」(『松本清張全集 第1巻』付属の月報に掲載、後に『松本清張の世界』(1992年、文藝春秋臨時増刊、2003年、文春文庫)に再掲)を参照。
  9. ^ 『週刊 松本清張』第1号(2009年、デアゴスティーニ・ジャパン)10頁参照。
  10. ^ いわゆる空白の4分間を発見し著者に報告したのは交通公社の従業員だった、と清張自身述べたことがある。清張と斉藤美智子との対談「推理小説の魅力」(『主婦の友』1959年9月号掲載、『文学と社会-松本清張対談集』(1977年、新日本出版社)収録)参照。
  11. ^ 岡田によれば、「「四」は「死」に通じるので、これは使えると思ったところが、さすが清張さんである」という。岡田喜秋「『点と線』の余韻」(『交通新聞』2011年1月25日付掲載)参照。また『週刊 松本清張』第1号 10頁も併せて参照。
  12. ^ 岡田『旅する愉しみ』(1998年、ほるぷ出版)参照。
  13. ^ 戸塚「『点と線』の頃」参照。
  14. ^ 佐野洋との対談「清張ミステリーの奥義を探る」(『発想の原点-松本清張対談集』(1977年、双葉社、2006年、双葉文庫)収録)で、清張は以下のように発言している。「はっきり言って、『点と線』が自分では好きでなかったんだよ。むしろ同時に書いてた『眼の壁』の方に気合いが入っていたんだな。当時、『眼の壁』の方は非常に反響があったわけだけど、『点と線』は何の反響もないんだよ。何か、虚空に向かって球を投げているような感じだったんだ」。
  15. ^ 戸塚「『点と線』の頃」、塩澤実信『ベストセラー作家 その運命を決めた一冊』(2009年、北辰堂出版)中の第2章「松本清張と『点と線』」参照。
  16. ^ 戸塚「『点と線』の頃」に加えて、塩澤『ベストセラー作家 その運命を決めた一冊』も参照。
  17. ^ 神吉晴夫『現場に不満の火を燃やせ』(1963年、オリオン社)55頁以降、または同著者による『カッパ兵法-人間は一回しか生きない』(1966年、華書房)59頁以降参照。
  18. ^ 光文社の出版部門を担当していた伊賀弘三良によれば、単行本『点と線』の初版は5000部からのスタートであったが、20万部近くに達し、日本の推理小説の単行本としては空前の売れ行きとなった。2年後の1960年7月に刊行されたカッパ・ノベルス版では初版から10万部近くを刷り、カッパ・ノベルス版だけで100万部を突破した。塩澤実信『出版社の運命を決めた一冊の本』(1980年、流動出版)188頁掲載の部数データ(光文社営業調べ)、または佐野洋半藤一利郷原宏による座談会「週刊誌創刊時代の松本清張」(『松本清張研究』第8号(2007年、北九州市立松本清張記念館)に収録)を参照。
  19. ^ 『週刊 松本清張』第1号 6頁参照。
  20. ^ 種村直樹『東京ステーションホテル物語』中、「松本清張をめぐる「点と線」」参照。
  21. ^ 『週刊 松本清張』第1号 19頁参照。
  22. ^ 『松本清張(新潮日本文学アルバム)』(1994年、新潮社)88頁、『松本清張全集』第66巻(1996年、文藝春秋)巻末の翻訳出版目録、および Japanese Literature in Foreign Languages 1945-1995 (1997、the Japan P.E.N. Club)を参照。
  23. ^ 『週刊 松本清張』第1号 21頁参照。
  24. ^ テレビドラマ公式サイトを参照。
  25. ^ DVD『ビートたけし×松本清張 点と線』収録インタビュー参照。





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