突風_(松本清張)とは? わかりやすく解説

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突風 (松本清張)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/17 02:28 UTC 版)

突風』(とっぷう)は、松本清張短編小説。『婦人公論』1961年8月号に、『影の車』第8話として掲載され、1966年12月に短編集『突風』収録の表題作として、海燕社から刊行された。

1977年・1983年にテレビドラマ化されている。

あらすじ

葉村明子は、総務部長に出世した夫の寿男が浮気を始めたのに気づいた。しかし夫は白状しなかった。浮気相手が銀座のバーの若い女であることを突き止めた明子は、みどりというその女に会う決心になった。

水商売の雰囲気に緊張する明子。だがみどりは明子に、寿男とは商売上やむを得ずつきあっただけで、いつでも寿男を返すつもりだと、さばさばした口調で答えた。明子にはみどりが腹黒い女には見えなかった。夫がのぼせているだけなのだと考える明子だったが、今度は夫が自暴自棄に陥るのではと心配になる。

しかしその後も夫の様子に変化はなかった。思いあまって探偵社に頼んだ明子は、みどりが藤田良一という若い男と同居していることを知る。良一はみどりに稼がせているヒモ生活者とのことだった。明子は良一に会い、夫と別れるようみどりを説得してもらおうと決心した。

やくざ系の男かと緊張する明子。だが良一は明子に、きっぱりと寿男と手を切るよう、みどりに言うつもりだと、良家の子弟のような立派な態度で答えた。明子には良一がだらしない与太者には見えなかった。探偵社の報告がオーバーだったのだと考える明子だったが、真剣な表情で説得を約束する年下の若い良一に、妙な気持を覚える。

しかしその後も夫の様子に変化はなかった。気の弱そうな良一がみどりに強く出られないのだと思った明子は、良一を気の毒に思いつつ、再び良一のもとを訪れる。明子の予期した通り、良一は哀れげに詫びた。続けて良一は、少年のようにあどけない表情で、明子の態度を褒め始める。「こんないい奥さんを放っておいて、みどりみたいな奴に気持ちを奪われている葉村さんが理解できません」。良一の思わぬ愛情めいた言葉に、明子の顔が赤くなり、胸の中が震えだす…。

テレビドラマ

1977年版

1977年9月18日TBS系列の「東芝日曜劇場」枠(21:00-21:55)にて放映。視聴率20.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。DVD化されている。

キャスト
スタッフ
TBS系列 東芝日曜劇場
前番組 番組名 次番組
あしたの海
(脚本:橋田壽賀子
(1977.9.11)
突風
(1977.9.18)
ここは下町
(1977.9.25)

1983年版

松本清張の突風
ジャンル テレビドラマ
原作 松本清張『突風』
企画 春日千春
樋口祐三
脚本 江連卓
監督 竹本弘一
出演者 根岸季衣ほか
製作
プロデューサー 川口武夫
荒川洋
制作 TBS
放送
放送国・地域 日本
放送期間1983年11月26日
放送時間21:02 - 22:53
放送枠ザ・サスペンス
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松本清張の突風」。1983年11月26日TBS系列の「ザ・サスペンス」枠(21:02-22:53)にて放映。視聴率13.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。

キャスト
スタッフ
TBS系列 ザ・サスペンス
前番組 番組名 次番組
赤い死線(再放送)
(原作:ウィリアム・アイリッシュ
(1983.11.19)
松本清張の突風
(1983.11.26)
遠藤周作の悪霊の午後
(1983.12.3)

「突風 (松本清張)」の例文・使い方・用例・文例

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