拐帯行
拐帯行
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| 拐帯行 | |
|---|---|
| 作者 | 松本清張 |
| 国 | |
| 言語 | 日本語 |
| ジャンル | 短編小説 |
| 発表形態 | 雑誌掲載 |
| 初出情報 | |
| 初出 | 『日本』1958年2月号 |
| 出版元 | 講談社 |
| 刊本情報 | |
| 収録 | 『危険な斜面』 |
| 出版元 | 東京創元社 |
| 出版年月日 | 1959年2月15日 |
| 装幀 | 伊藤明 |
『拐帯行』(かいたいこう)は、松本清張の短編小説。雑誌『日本』1958年2月号に掲載、1959年2月に短編集『危険な斜面』収録の1編として、東京創元社より刊行された。
あらすじ
会社の金を持ち出した森村隆志は、西池久美子と博多行きの特急「さちかぜ」に乗り、一路九州へと向かった。死に場所を求めての旅だった。これまで惨めな境遇で生きてきた隆志と久美子は、生きていても仕方がない、死ぬよりほかに途が無いように思えた。が、せめて、死ぬ直前に一度贅沢をしてみたかった。どうせ死ぬのだから、恐れるものは何もない。
列車は熱海駅に到着した。斜め向こうの席に、中年の紳士と妻らしい人が座った。夫は落ち着いてパイプをくわえ、妻はおだやかな上品さを湛えていた。その夫婦は、生活も十分安定して幸福そうに見えた。羨ましいほどの落ち着きぶりであった。しばらく眼を惹かれていた隆志は、一瞬、久美子とのあいだに、妙な距離を感じた。なぜかわからないが、向かいの夫婦に影響されたような気がした。闇の中にいるような隆志の気持ちが、少しずつ、変わり始める…。
エピソード
- 英文学者の中野好夫は、「実に軽く書き流されたかとさえ受けとれる作品の中に、実はわたしには妙に心惹かれるいくつかの短篇がある」「とりわけ『拐帯行』など、少しオーバーにいえば、絶品とさえいっていいのではないか」「このオチは、深い人生の皮肉を窺わせて、見事な結末になっている」と評している[1]。
テレビドラマ
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1959年版
1959年10月22日、日本テレビ系列の「木曜ワイドアワー」枠(20:00-21:00)にて放映。
- キャスト
- スタッフ
1988年版
| 松本清張サスペンス 拐帯行 |
|
|---|---|
| ジャンル | テレビドラマ |
| 原作 | 松本清張『拐帯行』 |
| 脚本 | 冨川元文 |
| 監督 | 栗山富夫 |
| 出演者 | 石橋保 渡辺典子ほか |
| 製作 | |
| 制作 | 関西テレビ |
| 放送 | |
| 放送国・地域 | |
| 放送期間 | 1988年9月19日 |
| 放送時間 | 22:00 - 22:54 |
| 放送枠 | 関西テレビ制作・月曜夜10時枠の連続ドラマ |
| 回数 | 1 |
1988年9月19日、関西テレビ制作・フジテレビ系列(FNS)の「月曜サスペンス(松本清張サスペンス)」枠(22:00~22:54)にて放映。銀行の金を拐帯した主人公が、大阪港からフェリーに乗り、韓国・釜山に向かう設定。視聴率11.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)[2]。
- キャスト
- スタッフ
| 関西テレビ制作・フジテレビ系列 月曜サスペンス(松本清張サスペンス) | ||
|---|---|---|
| 前番組 | 番組名 | 次番組 |
|
愛と空白の共謀
(1988.9.12) |
拐帯行
(1988.9.19) |
年下の男
(1988.9.26) |
2021年版
2021年1月7日(20:00 - 21:48)、テレビ朝日系列のドラマスペシャルとして放映。松本清張の黒革の手帖の続編としてアレンジされたドラマとなっている。
出典
固有名詞の分類
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