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戸塚文子

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/16 08:09 UTC 版)

戸塚 文子
(とつか あやこ)
『公共建築』第22号(1963年)より
誕生 (1913-03-25) 1913年3月25日
日本 東京府東京市日本橋区浜町(現・東京都中央区日本橋浜町
死没 (1997-11-07) 1997年11月7日(84歳没)
国籍 日本
最終学歴 日本女子大学校
活動期間 1942年 - 1983年
代表作 『旅は風のように』『旅は悠々』『ドライ・ママ』他
主な受賞歴 日本旅行作家協会賞(1983年)
勲四等宝冠章(1984年)
デビュー作 『旅の眼旅の耳』
配偶者
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戸塚 文子(とつか あやこ、1913年大正2年〉3月25日 - 1997年平成9年〉11月7日)は、日本紀行文作家編集者1983年(昭和58年)に第1回日本旅行作家協会賞を受賞した。

経歴

アサヒグラフ』1952年4月23日号より

東京府(後の東京都日本橋浜町生まれ[1]。父の仕事の関係で、5歳の頃から小学4年までを横浜市神奈川区で過ごし、日本国外への憧れを抱いて育った後に、東京への転居を経て兵庫県神戸市に移った[1]

1934年(昭和9年)に日本女子大学英文科卒業後、女性として初めてジャパン・ツーリスト・ビューロー(JTB)に入社した。東京駅案内所の案内係を経て、同社発行の雑誌『』編集部に移り、世界各国の数々の旅行情報を読者へ紹介した[1]

1948年(昭和23年)に女性初の編集長となり、多くの企画の成功により旅行ブームのきっかけとなった。1957年(昭和32年)には松本清張の『点と線』を『旅』に掲載し[2]、推理小説ブームのきっかけを作った[3]。この当時、独身で美貌のキャリア・ウーマンの元祖と注目された[3]

1961年(昭和36年)に退社して、フリーとなった。翌1962年(昭和37年)、母を描いた『ドライ・ママ』は反響を呼び[1]テレビドラマ化もされた[4]。その後は年の3分の2を国内外へ旅行する生活を送り、旅行随筆を執筆し[1]、戦後の女性の社会進出の草分け的存在となった[5]

1967年(昭和42年)4月に行われた東京都知事選挙では、美濃部亮吉の推薦人に名を連ねた[6]

1971年(昭和46年)4月に行われた東京都知事選挙でも美濃部を応援。選挙公報に記された支持者一覧に名を連ねた[7]

晩年には、視力が悪いことや家事が苦手なことから、1982年(昭和57年)に老人ホームに入居し、独身高齢女性の老人ホーム入居の流行の先駆けとなった[1]1983年(昭和58年)に第1回日本旅行作家協会賞を受賞、翌1984年(昭和59年)に勲四等宝冠章を受章した[5]

1997年(平成9年)11月7日、老衰のため84歳で死去。生涯独身だった。墓碑は東京都小平市の墓地にある[1]

著書

  • 旅の眼旅の耳(山河書房、1942年)
  • しやぼてん夫人(駿河台書房、1951年)
  • 日本の旅(要書房、1952年)
  • やぶかんぞう 随筆集(創元社、1952年)
  • 日本の旅 続(要書房、1953年)
  • サラリー・ガール(要書房、1953年)
  • たのしい日本のたび(あかね書房、1954年)(小学生学習文庫)
  • ビルの谷間(朋文堂、1955年)(旅窓新書)
  • 旅の四季(河出書房、1955年)(河出新書)
  • 旅の春秋 続・旅の四季(河出書房、1957年)(河出新書)
  • みんなの旅(日本経済新聞社、1957年)渡辺公平共著
  • 旅と味(東京創元社、1957年)
  • 世はなさけ(東京創元社、1957年)
  • ヨーロッパ三等旅行(六月社、1958年)
  • 若き日の旅(実業之日本社、1958年)
  • 素顔のアメリカ(実業之日本社、1960年)
  • 季節の旅(大泉書店、1961年)
  • カメラ世界散歩(実業之日本社、1961年)
  • イスラエルの旅 ユダヤの国(実業之日本社、1961年)
  • ひとりだけの旅(青春出版社、1962年)(青春新書
  • 旅の思い出(大泉書店、1962年)
  • ドライ・ママ(文藝春秋新社、1962年)(ポケット文春)、文春文庫、1984年
  • 四季の行楽(大泉書店、1963年)
  • 外人さん(文藝春秋新社、1964年)(ポケット文春)
  • お邪魔さま(文藝春秋、1965年)(ポケット文春)
  • あなたを美しくする職場の作法(グラフ社、1967年)、扇谷正造共著
  • 全国ホテル案内(文藝春秋、1967年)(文春実用百科)、原勉共著
  • 異国の楽園 世界22のリゾート(日本交通公社・ベルブックス、1971年)
  • 地球気ままな旅(三笠書房ぱぴるすbooks、1973年)
  • 日本料理(タイムライフブックス、1973年)
  • 旅は風のように(PHP研究所、1978年1月)
  • 生と死の間に(潮文社、1978年12月)
  • 食のかなた(日本経済新聞社、1980年9月)
  • 旅は悠々(講談社、1983年7月)

脚注

  1. ^ a b c d e f g 江刺昭子、かながわ女性史研究会編著『時代を拓いた女たち』 第III集、神奈川新聞社、2019年7月26日、146-147頁。ISBN 978-4-87645-597-3 
  2. ^ 原口隆行『鉄道ミステリーの系譜 シャーロック・ホームズから十津川警部まで』交通新聞社〈交通新聞社新書〉、2016年10月、14頁。ISBN 978-4-330-69816-8 
  3. ^ a b 戸塚文子”. ネットミュージアム兵庫文学館. 兵庫県立美術館. 2020年3月1日閲覧。
  4. ^ ドラマシリーズ ドライママ”. テレビドラマデータベース. 2020年3月1日閲覧。
  5. ^ a b 日外アソシエーツ編集部編 編『20世紀日本人名事典日外アソシエーツ、2004年7月26日。ISBN 978-4-8169-1853-7https://kotobank.jp/word/戸塚%20文子-16503922020年3月1日閲覧 
  6. ^ 雑誌:『月刊婦人展望』1967年4月号、財団法人婦選会館、15頁。 書籍:市川房枝『市川房枝集 第6巻』日本図書センター、1994年11月25日、377-379頁。
  7. ^ 地方選挙の記録 昭和46年4月執行』東京都選挙管理委員会、1971年11月30日、153–155頁https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/12250345 

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