枕草子絵巻とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 文化 > 美術 > 絵巻 > 枕草子絵巻の意味・解説 

まくらのそうし‐えまき〔まくらのサウシヱまき〕【枕草子絵巻】

読み方:まくらのそうしえまき

鎌倉後期絵巻1巻枕草子一部繊細な白描で描く。絵・詞書(ことばがき)各七段が現存


枕草子絵詞

(枕草子絵巻 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/16 05:51 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
「淑景舎、春宮に参り給ふほどのことなど」の段(第100段)。淑景舎(しげいしゃ)は、ここでは中宮定子の妹で、東宮(のちの三条天皇)妃となった藤原原子を指す。画面は原子が中宮を訪ねた場面で、奥に座すのが原子、火桶を挟んで手前は関白藤原道隆(定子・原子の父)、左の女性(後姿)は道隆の北の方・貴子、右の女性(後姿)は中宮定子[1]

枕草子絵詞(まくらのそうしえことば)とは、『枕草子』を絵画化した絵巻物。個人蔵、重要文化財枕草子絵巻(まくらのそうしえまき)ともいう。

解説

鎌倉末期、14世紀の初頭に成立。現存は一巻、詞・絵各七段のみで、いずれも日記章段の場面が描かれている。『看聞御記永享10年12月3日(1438年12月19日)の条には「清少納言枕草子絵二巻」とあり、現存本はその残闕といわれる。伏見宮貞成親王(後崇光院)が『看聞御記』にこの「枕草子絵」の事を記した当時、枕草子絵詞は足利将軍家の所有となっており、貞成親王は将軍家からそれを拝借している。また三条西実隆の日記にも、文明15年(1483年)9月、後土御門院に命ぜられて枕草子絵詞を読進したとある。その後、大半が欠失してしまい、近世になって現在の形で大名の浅野家維新侯爵)に伝わった。

詞書に藍色の雲形文様を四隅に漉き込んだ料紙を使い、金銀泥で下絵を施してある。本文は三巻本系統、書風は伏見院流の二人の男性の筆と見られ、後光厳院をその一人に当てる説もある。絵の方は女筆であり、伏見院皇女進子内親王の説もあるが不詳。ほぼ単色の墨絵で、僅かに唇に朱色を点した。人物の輪郭には細い墨の線を、髪や調度品には濃い焦墨を使いわけ、吹抜屋台引目鉤鼻の技法を用いた。構図は精巧にして無機的で、白描大和絵の典型とされる。

現存する章段

※章段の順序は流布本(三巻本)による。

  • 第83段「職の御曹司におはしますころ、西の廂に」(二場面)
  • 第89段「無名といふ琵琶の御琴」
  • 第100段「淑景舎、春宮にまゐり給ふ」
  • 第123段「八幡の行幸」
  • 第130段「故殿の御ために」
  • 第132段「五月ばかりに、月もなくいとくらき夜」

ギャラリー

脚注

  1. ^ 画面説明は参考文献の『葉月物語絵巻・枕草子絵詞・隆房卿艶詞絵巻』による。以下も同じ。

参考文献

  • 小松茂美編 『葉月物語絵巻・枕草子絵詞・隆房卿艶詞絵巻』〈『日本絵巻大成』10〉  中央公論社、1978年

関連項目




枕草子絵巻と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「枕草子絵巻」の関連用語

枕草子絵巻のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



枕草子絵巻のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの枕草子絵詞 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS