日本における水墨画
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/13 03:27 UTC 版)
日本へ大陸から墨が伝来すると奈良時代前後には墨を用いた木簡、典籍、壁画などに墨書や墨画がみられるようになった。 水墨画の様式は日本には鎌倉時代に禅とともに伝わった。日本に伝わった絵画は、『達磨図』・『瓢鮎図』などのように禅の思想を表すものであったが、徐々に変化を遂げ、「山水画」も書かれるようになった。 美術史で「水墨画」という場合には、単に墨一色で描かれた絵画ということではなく、墨色の濃淡、にじみ、かすれ、などを表現の要素とした中国風の描法によるものを指し、日本の作品については、おおむね鎌倉時代以降のものを指すのが通常である。着彩画であっても、水墨画風の描法になり、墨が主、色が従のものは「水墨画」に含むことが多い。 平安時代初期、密教の伝来とともに、仏像、仏具、曼荼羅等の複雑な形態を正しく伝承するために、墨一色で線描された「密教図像」が多数制作された。絵巻物の中にも『枕草子絵巻』のように彩色を用いず、墨の線のみで描かれたものがある。しかし、これらのような肥痩や濃淡のない均質な墨線で描かれた作品は「白描」(はくびょう)ないし「白画」といい、「水墨画」の範疇には含めないのが普通である。
※この「日本における水墨画」の解説は、「水墨画」の解説の一部です。
「日本における水墨画」を含む「水墨画」の記事については、「水墨画」の概要を参照ください。
- 日本における水墨画のページへのリンク