日本における沈香の歴史
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推古天皇3年(595年)4月に淡路島に香木が漂着したのが沈香に関する最古の記録であり、沈香の日本伝来といわれる。漂着木片を火の中にくべたところ、よい香りがしたので、その木を朝廷に献上したところ重宝されたという伝説が『日本書紀』にある。奈良の正倉院には長さ156cm、最大径43cm、重さ11.6kgという巨大な香木・黄熟香(おうじゅくこう)(蘭奢待とも)が納められている。これは、鎌倉時代以前に日本に入ってきたと見られており、以後、権力者たちがこれを切り取り、足利義政・織田信長・明治天皇の3人は付箋によって切り取り跡が明示されている。特に信長は、東大寺の記録によれば1寸四方2個を切り取ったとされている。 徳川家康が慶長11年頃から行った東南アジアへの朱印船貿易の主目的は伽羅(奇楠香)の入手で、特に極上とされた伽羅の買い付けに絞っていた(『異国近年御書草案』)。香気による気分の緩和を得るために、薫物(香道)の用材として必要としていたからである。 現在では、1992年(平成4年)4月に、全国薫物線香組合協議会が、上記の『日本書紀』の記述に基づいて沈水香木が伝来した4月と、「香」の字を分解した「一十八日」をあわせて4月18日を「お香の日」として制定している。
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