すみれ草とは? わかりやすく解説

すみれ草

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/20 09:06 UTC 版)

すみれ草』(すみれぐさ)とは、江戸時代に北村久備により著された『源氏物語』の注釈書である。『源氏物語すみれ草』とも呼ばれることがあり、『菫草』と表記されていることも多い。1812年(文化9年)の刊本が存在するためそれ以前の成立と見られる。『すみれ草』の題名は著者により序文末尾に記された和歌「なつかしみはる野のすみれ摘みつれどつね人からのものにぞ有りける」によるとみられる。


  1. ^ 重松信弘「辞書・索引・系図。年立」『新攷源氏物語研究史』風間書房、1961年(昭和36年)、pp. 401-409。
  2. ^ 「すみれ草」井伊春樹編『源氏物語 注釈書・享受史事典』東京堂出版、2001年(平成13年)9月15日、pp.. 414-417。 ISBN 4-490-10591-6
  3. ^ 永井和子編『源氏菫草 学習院女子中・高等科図書室蔵』学習院女子短期大学国語国文学会、笠間書院発行、1999年(平成11年)3月。 ISBN 4-305-70202-9
  4. ^ 「源氏菫草」井伊春樹編『源氏物語 注釈書・享受史事典』東京堂出版、2001年(平成13年)9月15日、p. 172。 ISBN 4-490-10591-6


「すみれ草」の続きの解説一覧

すみれ草

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/06/02 02:33 UTC 版)

源氏物語系図」の記事における「すみれ草」の解説

詳細は「すみれ草」を参照 すみれ草とは、平田篤胤弟子である北村久備が本居宣長による源氏物語注釈書源氏物語玉の小櫛』を補完するものとして著したものであり、序文では「本居宣長が『源氏物語玉の小櫛』でなし得なかった系図に、年立加えたのである」とされている。平安時代末期以降伝統を持つ源氏物語人物系図室町時代一条兼良以来伝統を持つ源氏物語年立について、本居宣長国学者による合理的な解釈施して整理し、ほぼ現在の形を確立したものであり、これ以後源氏物語研究大きな影響与えた。 このすみれ草はそれまで主流であった実隆本比べたとき以下のような特色持っている冒頭に「系図略図」としてほぼ人名だけからなる全体俯瞰する系図を置き、その後個々人物詳細な説明付した系図置いている。 兄弟姉妹並べ方について、それまで系図例外はあるものの長幼に関係なく全ての男性先に記述し女性その後まとめて記述することが多かったのを改め男女に関係なく年齢順記述している。 光源氏を「六条院」、浮舟を「手習三君」とするなど平安時代末期源流を持つ古系図時代から受け継がれてきた源氏物語系図独特の人名表記についてわかりにくい」として現在見られるような一般的な記述改めている。 系図以外の附載文書について古系図にしばしば付けられていた伝説的な形で源氏物語成立事情説明する源氏物語のおこり」などは付けられていない この「すみれ草」は年立組み合わせた3巻構成取っているが、これは古系図にしばしば附されていた巻名目録発展したのであると見られる。(天文本系図には系図附されている巻名目録簡単な年立附されているという中間段階といえるものがある。) 「すみれ草」は明治時代以降実用的な源氏物語系図として利用されており、大正元年刊行され源氏物語書籍にも歴史的な過去文書としてではなく読者源氏物語を読むに当たって役立つ参考文書」としてすみれ草をそのまま掲載しているものがある。また昭和になってから刊行され書籍では、その中に収められた「系図」はすみれ草そのものではないものの、すみれ草の冒頭部分の「系図略図」をほぼそのまま受け継いだような個々人物の事績に関する詳細な記述持たないものだけになっている

※この「すみれ草」の解説は、「源氏物語系図」の解説の一部です。
「すみれ草」を含む「源氏物語系図」の記事については、「源氏物語系図」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「すみれ草」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「すみれ草」の関連用語

すみれ草のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



すみれ草のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのすみれ草 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの源氏物語系図 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS