現代の源氏物語系図
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/06/02 02:33 UTC 版)
現代の源氏物語の活字印刷本にも江戸時代以来の版本と同様に年立や系図など源氏物語を読むのに役立つようなさまざまな情報が付加されており、便覧やハンドブックのような独立した印刷物に含まれていることも多い。これらの20世紀半ば以降の源氏物語系図は、それ以前のすみれ草の流れをくむものとは大きく変わったもので、概ね以下のような共通点を持っている。 系図の中には個々の人物についての詳細な事績の記述は持たず、必要ならその系図が掲載されている出版物に別に含まれている「年立」や「源氏物語登場人物事典」のようなものを参照するようになっている。 それまで父系が繋がるものは繋がる限り全体を一つの大きな系図で記述していたが、「第一部」・「第二部」・「第三部」あるいはその書籍が本文を掲載している一帖から数帖ごとに分割し、それぞれの場面に登場・関係する人物のみを記載し、またそれぞれの時点での故人やその場面で死去する人物を明記している。 それまでは個々の人物の説明の中で「母○○」といった文章でしか記載されていなかった「女性(母親)からその子への親子関係」を、「男性(父親)からその子への親子関係」と同様に線でつなげて表示する。 男女の婚姻関係を二重線でつなげて表示する。 さらに個々の系図の中には上記のようなものと大筋で共通点を持ちながらもそれぞれに工夫を加えたものが見られる。 すみれ草の系図の冒頭部分に近い「通巻系図」と「各巻系図」との二本立てになっているもの 全体を大きく「第一部の系図」・「第二部の系図」・「第三部の系図」の三つの大きな系図に分けた上で、以下のような小規模な系図を掲載しているもの。「第一部の系図」び後に「桐壺院の御子たち」・「藤壺・紫の上・式部卿宮一族」・「右大臣家と朱雀院」・「明石一族」など 「第二部の系図」の後に「鬚黒とその周辺」・「夕霧とその周辺」 「第三部の系図」の後に「八の宮の姫君たちと弁の尼」・「浮舟とその周辺」・「小野の山里の人々」 同一ページの上段に年譜・下段にその部分に関連する系図を記述しているもの 女子が生んだ子も男子の子と同様に記述することにより、外孫と内孫が同様の形に記されるもの
※この「現代の源氏物語系図」の解説は、「源氏物語系図」の解説の一部です。
「現代の源氏物語系図」を含む「源氏物語系図」の記事については、「源氏物語系図」の概要を参照ください。
- 現代の源氏物語系図のページへのリンク