アデス連邦
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「ラストエグザイル-銀翼のファム-」の記事における「アデス連邦」の解説
グラン・レイク西部の辺境に位置していた国家だが、周辺諸国を次々に併合し、巨大化した。「五将軍」と呼ばれる司令が率いる強力な艦隊を有している。急速な領土の拡大によって隣接するようになった隣国トゥランとも小競り合いが急増しており、彼らと和睦を図るためミリアとリリアーナが会談に赴くところから物語は始まる。 ルスキニア・ハーフェズ 声 - 興津和幸、斎藤千和(15歳時) アデス連邦の総統である若きカリスマ。軍部からの熱烈な支持を受け、周辺国への侵攻を指揮している。 第一回「グラン・レース」時はアウラダと共にファラフナーズの護衛官を務めており、テロからファラフナーズを守れず錯乱状態に陥った。その際、左目を負傷し、以後アイパッチを装着している。出自が一切不明な事から身元不明の下流階級の出身者であると噂されており、貴族や文官たちには「成り上がり者」と蔑まれている。トゥランの王女たちを和睦会談と偽っておびき寄せ拉致し、一気に制圧したり、併合後に帰順したトゥラン貴族を粛清するなど、冷酷非道な行為も厭わない。冷徹な侵略行動の裏には、実はある真意が秘められている。地球の失われた歴史にも精通し、エグザイルやミュステリオンに関する知識を持つ。リリアーナ・ミリア姉妹とは第一回「グラン・レース」で出会っている。ツインと呼ばれるギルド最強の護衛官であったため、個人的な戦闘能力は極めて高く、ヴァサントを一撃の延髄打ちのみで殺害している。グランエグザイルの圧倒的戦力で地上兵力の解体による恒久的平和を目指していたが、ファム達の活躍による野望の終焉も予測しており、最期はサーラを引き渡し、グランエグザイル内での死を選択する。 アラウダ 声 - 松風雅也、小松由佳(15歳時) 総統の直属であるアデス連邦情報部の長。暗殺や諜報でルスキニアの覇道を支える人物であるが、部下というよりも親友同士の関係にある。 第一回「グラン・レース」時ではルスキニアと共にファラフナーズの護衛官を務めており、ファラフナーズを守れず錯乱状態に陥って武器を振り回すルスキニアに対し、身の危険を顧みずにそれを諌め慰めた。 特攻を仕掛けるラサスに単身で乗り込み艦橋の乗員を全滅させるなど、常人ではあり得ない戦闘能力を持つばかりでなく、他にも同様な武術を用いる戦士を幾人も養成し、シルヴィウス破壊作戦に投入してくる。ルスキニアと同じくギルド出身であり、ギルドにはマエストロを守護するツインと呼ばれる二人一組の護衛が存在し、彼とルスキニアはツイン出身者であったらしい。19話にてルスキニアとの盟約により、アルを拉致しようとするが護衛するディーオには力及ばず敗死する。 サドリ 声 - 土師孝也 連邦五将軍の一人。アデス連邦軍で唯一、元帥位を持ち、彼の肩章だけが4本突起になっている。第一艦隊を指揮する、齢60を過ぎた歴戦の老将。20話の回想シーンによれば元帥位を得る以前から第一艦隊の司令官であったらしい。船員の命を第一に考える人徳者であり部下からの信頼は厚く、ファラフナーズを死なせて立場をなくしていたルスキニアのやむにやまれぬ信条や志をも理解してその政治的後ろ盾ともなっており、ルスキニアの方も立身出世の恩情を感じ、深く敬意を示している。 第一回「グラン・レース」におけるテロで、ファラフナーズを守ろうとして足を銃撃され不自由となり、以降は杖を使用している。また、この時に父を喪ったギュゼルを副官として用いている。 ファムの出自に深く関わっており、一時的な講和が成し遂げられた際の舞踏会でそれに気付いた。この時にはファムにダンスを申し込んでいる。最終回で母方の祖父である事が明かされる。ファムがグランエグザイルから脱出したのを見届け、崩壊する艦に一人残り運命を共にした。 カイヴァーン 声 - 小西克幸 連邦五将軍の一人で、最強の殲滅部隊として恐れられる第二艦隊を指揮する猛将。強面ながら人望は厚い。トゥラン艦隊への奇襲を指揮したが、空族の撹乱に遭い、王女二人の生け捕りに失敗する。 顔に似合わず子供好きな一面があり、第一回「グラン・レース」ではファムたちにお菓子を振る舞っている。一方で激情家でもあり、ファラフナーズの死に際して殉死しようとしてオーランとソルーシュに止められている。最後までルスキニアに忠実ながら激戦に生き残り、最終回でグランレースに列席している。 オーラン 声 - 福山潤、本田貴子(14歳時) 連邦五将軍の一人で、主に先鋒を務める第三艦隊を指揮する。冷静沈着な性格で、作戦を正確に遂行するため、秒単位の誤差も気にする性分。饒舌なソルーシュとは逆に寡黙な人物で、言葉よりも行動で結果を示す。 第一回「グラン・レース」では任務そっちのけで女性たちの品定めをしていたソルーシュを注意していた。堅物なのはこの頃から変わりがない。 グラキエス戦におけるルスキニアのやり方や独断行動に不満を抱いている。結果、ソルーシュと袂を分かち、統合軍へ合流したが、サドリの老獪な計略に貴下の艦隊が同士討ちを始めるのを防ぐ事が出来ず多大な損害を受けてしまう。直属艦隊にはグラキエス部隊に一度も砲撃を許さなかった為、辛くも全滅は免れたが、19話でグランエグザイルの主砲により、直属艦隊まで壊滅的打撃を受ける。 戦後は、先任であるソルーシュに代わり、アデス側の代表となった。 ソルーシュ 声 - 中村悠一、原紗友里(14歳時) 連邦五将軍の一人で、高速戦列艦で構成される第四艦隊の司令。オーランとは士官学校時代の同期。神速の異名を持ち、速度を活かした艦隊戦を得意とする。軍人としての名声とは裏腹に私生活では女性にだらしなく、サーラにも「女の子と仲良くなり過ぎないように」と忠告されている。 第一回「グラン・レース」では任務そっちのけで女性たちの品定めをしており、オーランを呆れさせている。 ルスキニアの非道に憤るオーランとは対照的に、あくまで「任務」として割り切っており、ルスキニアへの不満を口にするオーランを諌めている。ヴァサントがサーラを奉じて反ルスキニア統合軍を結成した際、サーラの代わりは居ると不敬な発言をし、オーランが離反する一因を招く。20話でオーランの艦隊が壊滅的打撃を受けたのを見て救援に駆けつけ、統合軍へ合流する。 ルスキニアや五将軍の三人を欠いた戦後は最先任となったが、その役回りをオーランに任せ、空を見上げてヴェスパ乗りに憧れる台詞を呟いている。 ヴァサント 声 - 折笠富美子 連邦五将軍の一人で紅一点。鉄壁の守りで首都を防衛する第五艦隊司令。かつてアデス連邦の南方に位置していた国家ケイオスの出身であり、その名残で「ケイオスのアメジスト」と呼ばれており、「ケイオス遺民団」のまとめ役を務めている。 被征服民であることでアデス人からの差別に悩まされて育ってきたため、対話による平和を実現させたファラフナーズを尊崇しており、その忘れ形見であるサーラを守っていこうと決意している。 その任から首都に常駐しており、サーラの教育係や同盟国との外交折衝の役割を担っていたものの、ルスキニアの冷酷非情な方針と他民族との共存を否定するかのような領土拡大策に不安と疑念を払拭できず苦悶している。 そうした中、グラキエス侵攻でケイオス遺民団が有効な軍備を与えられないまま捨て駒にされて全滅したことを知り、同胞の誠意と献身を使い捨てにされた事への憤懣を抑えきれずグラキエスの残存部隊と接触。さらにサーラの名で各勢力へ密勅を放ち、統合軍を組織しルスキニア討伐に動き出す。19話にてサーラの仲裁により一時的な和平が成立したものの、サーラを取り返しに来たルスキニアに抵抗し、殺害される。 サーラ 声 - 伊藤かな恵 アデス連邦皇帝(アウグスタ)。10歳。ファラフナーズの一人娘。聡明さは感じられるが未だ幼く、政治には殆ど関わっていない。先住の民(地球に残った人々)と帰還民との問題は教えられているようだが、ルスキニアの指揮する周辺国への侵略については全く聞かされていなかった。 自身の無力を自覚しており、母・ファラフナーズのような為政者になるため日々努力を重ねている。ミリアの従者として謁見したファムやジゼルと親しくなり、「グラン・レース」復活への協力を約束する。 ファラフナーズ 声 - 安藤麻吹 アデス連邦の前皇帝であり、サーラの母。かつて粘り強い交渉で各国と和平を結び、第一回「グラン・レース」を主催した女傑。 アデス人からは勿論、トゥラン王ら周辺諸国の人々からも尊敬を集める一方で、被征服民の弾圧、特に非武装市民への虐殺行為にも関与していたと見られ「独裁者」として憎悪の対象となっており、自身もまた過去に行った侵略の罪に苛まれていた。 第一回「グラン・レース」の表彰式で報復テロの標的となり、リリアーナを庇って凶弾に倒れた。彼女の死により世界は再び強国同士の戦争へと向かい、さらに多くの人々に深い傷跡を残した。 ロシャナク・ババール 声 - 坂本真綾 アデス連邦の貴族である妖艶な女性。一国の王族に連なる身分であったが、侵攻してきたアデスに国土と国民を引き渡し、連邦内で男爵の地位を手に入れた。その後は同じ境遇の元王族たちと共に繁華街エリダラーダの闇ヴァンシップレースに入り浸っており、そこで所有する戦艦ナーヒードとミリアの処遇を賭けてファムと勝負をする。 ヤシュバルとは第一回「グラン・レース」からの付き合いがあり、彼が決勝戦への出場を決めた時には笑顔を見せていた。 エルンスト・キールス・リンデマン 声 - 飯島肇 戦艦プリンス・オブ・ヴィクトリアスの艦長。所謂マザコンであり、任務よりも母親の誕生パーティーを優先するなど軍人として問題がある。その脇の甘さを突かれ、ファムに二度も戦艦を強奪されるという失態を演じた。 ギュゼル 声 - 根谷美智子 サドリの副官。亡き父親からは軍略の手ほどきを受けており、サドリの許では作戦面で補佐しているが想定外の事態に弱く、経験の浅さが目に付く。 死を覚悟したサドリからロケットペンダントを託され、ファムの許に届ける。 クレイシュ 声 - 松風雅也 オーランの副官。アデスの武力を誇るあまりそれに驕った発言が多く見られ、オーランに度々窘められている。 マリラ 声 - 野水伊織 サーラの給仕。サーラの遊び相手をしている。
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