蛭魔妖一
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/29 13:47 UTC 版)
ひるま よういち、声 - 田村淳(ロンドンブーツ1号2号) 泥門デビルバッツのクォーターバック (QB) 兼ホルダー、ストロングセイフティ (SS) 。背番号1。泥門高校2年。 通称「ヒル魔」。泥門デビルバッツの主将、そして本作の裏主人公。セナを無理矢理アメフト部へと入部させた。悪魔的なまでの才知を持つ、泥門高校最凶の外道。逆立った金髪(小学生時代は黒髪)、妖怪か魔物のように尖った耳、裂けたように大きな口元からは鋭い牙のような歯が覗く。携帯電話を何台も持っている。 米軍基地でやっているアメフトの試合に興味を持ち、その頭脳を活かして当初は賭けチームの作戦を指揮していた。その後、麻黄中で栗田に勧誘され、賭けチームの倒れた選手の代役で出場したことをきっかけに自身もアメフトをやるようになる。 マシンガンやバズーカ、火炎放射器などの重火器を多数所持しており、どんな時でも堂々と持ち歩きよく発砲する危険人物。またボストンバッグ2つ分程の大量の携帯電話を使い分け、独自の情報網であらゆる人の秘密や弱みが書かれたリスト「脅迫手帳」(アニメでは「あくまてちょう」)を駆使して奴隷を作り、時には市長レベルの重要人物をも操ってアメフト部に都合のよいようにことを運ばせ、泥門の校長に至っては部室増築、移動用に改造した酸素カプセルなどの費用を出させている(脅迫手帳は「見せ用」のINDEXページにしか書かれておらず、それ以外のページは白紙となっており、全ての弱みは蛭魔の頭の中に記憶されているので、奪っても無駄である)。それでも、高校を退学にならないのは、校長以下の教職員の弱みを握っているためと噂される。一方で彼が学校を支配しているお陰で治安や風紀が(彼自身を除き)乱れないで済んでいるという効果もあるらしいが、真実は定かでない。考え事をする際は無意識にショットガンを回転させながらぶっ放すという危険極まりない癖がある。 このように普段は「外道」との悪名高く、傍若無人を絵に描いたような男だが、麻黄十三中時代からの仲間である栗田・ムサシとは固い友情に結ぶ人間らしい面もあり、脅迫手帳にこの2人についての脅迫ネタだけは載っていない 。高校進学時は何らかの手口で栗田に神龍寺への推薦枠を確保。しかし、阿含にその座を奪われた際、ヒル魔とムサシは普通に一般受験で神龍寺に入れるにもかかわらず、栗田と共に泥門高校へ入学、アメフト部を創設。そして、彼ら以外まともな部員が居ないにもかかわらず、必ずクリスマスボウルに行くと誓い、それを目標として共に練習してきた。 また直接顔や口には出さないものの、栗田や他のメンバーと同じようにチームメイトのことを想っている(試合中、チームに貢献したり殊勝な決意を表したメンバーを背部から無言で蹴り付けるのは彼の最上の褒め方である)。時には、仲間への信頼や配慮が現実主義的な思考を明らかに上回っている場面も見られる。関東大会準決勝での王城戦では4秒2の光速の世界に足を入れた進を現時点で止めることが出来ないと理解しながらも「この世で無敵の奴なんざいねぇ」と言い切り、セナを進とマッチアップさせ続けた(ムサシ曰く「超理論屋のくせに言っていることは夢丸出し」)。ただしキャプテンとしての矜持なのか自分の弱みは決して他人に見せようとせず、足を腫らしたり疲労しきっていてもそれを決して表に出さない。奴隷たちにもアメフト絡みだけは仁義を通し、約束通り夏休み前に葉柱たち賊学の奴隷を解放している。しかし、アメフト部以外の人間にはあらゆる都合を無視させているのは否めず、勝機が完全に無くなったと判断するや否や助っ人が多数いるにもかかわらず試合を放棄して立ち去ろうとしたこともあった。 「アメフトはビビらした方が勝ち」を信条とし、彼の悪魔的な容姿、言動は相手を威嚇するためのものである。特徴として、目的のためにはどんな手段でも用いる狡猾さを持ち、試合中は絶えず流れを読み取りながら戦略を練り、可能性がある限り決して諦めず道を思索し、勝利を追い求めていく。その思考は現実的で、秋大会では試合前にメンバーに対して勝率を数字で正確に示してみせ、その上で勝つ覚悟を新たにさせている。「勝つ」ことへの異常な執着があり、メンバーにも負傷などより勝利を優先するよう言葉にし、本人も関東大会決勝で試合中に骨折した際も怪我を押して試合に復帰し、その折れた腕で超ロングパスを放った。 QBとしての能力は高く、特に作戦立案能力・状況判断能力はトップクラスにある。攻撃では持ち前の度胸も相まって無数の奇策で対戦相手を翻弄し、守備の際は相手の意図を的確に素早く読み取ってメンバーに指令を出す。巨深戦で初披露した「鳥の叉骨(ウイッシュボーン)」はその能力を存分に生かした彼の真骨頂と呼べるものであり、この時高見をして「泥門の裏エース」と言わしめた。東京大会三位決定戦から「地獄の司令塔」「悪魔の策士」の紹介文と通り名が出る。彼の投げる精度が高く風の影響も無視するほどの高速・高回転の鋭いパスは「デビルレーザー弾(バレット)」と称される。ハンドオフフェイク(ボール渡したフリ)も非常にうまい。しかしその他体格や身体能力は決して恵まれたものではなく(ムサシ曰く「ガチで当たれば中堅どころにもボロ負けする」)、積み重ねてきた鍛錬と頭脳の反射神経でトップクラスのプレーヤーとして戦い続けている。そのため、WC編で全日本選抜代表に選出されたヒル魔は、自分の身体能力ではプロテストでの合格は不可能と判断し、これが最初で最後のチャンスだとして自身がMVPを獲る為に妨害工作を行う阿含に対して「誰がMVPを獲っても金はやるから余計なことはするな」というような旨の発言で釘を刺している(MVPプレーヤーには3億円とプロ入りの権利が与えられる)。 試合以外でも、カジノのブラックジャックで並べられた手札の全数字や手話形式のサイン一覧を一通り見ただけで全て覚える記憶力、ネイティブのアメリカ人とスラングで応酬できるほどの英会話力、ムサシが復帰した際に「13297時間と49分遅刻だ」と数桁以上の暗算を瞬時にする計算力などを見せ、常人ならざる頭脳を持っていることが分かる。学校の成績は雪光やまもりと並んで優秀である(ただし正確な成績は通信簿がオール100に改竄されていて不明)。ただし、円周率など不要な知識や興味のない方面は詳しくは通じていない。自身も株トレードやギャンブルなどから得た資金を無尽蔵に蓄えており、今までの人生で一番高い買い物は島とのこと(単行本20巻より)。 生年月日・自宅・生い立ち・両親の素性などに関して不明な部分が多く、選手としての身体データ以外のあらゆるプロフィールが謎に包まれている。現在判明しているのは年齢が17歳であること(回想で7年前に10歳だった)のみ。作中で携帯電話に父親からの留守電が入っており、その内容やヒル魔の話口から推察するに父親とは何か確執があるらしく、栗田にも煙に巻いた説明をしている。クリスマスボウルでは父「ヒル魔幽也」が観戦していたが、顔を合わせることは無かった。 中学時代は阿含と組んでチンピラを追い剥ぎしたりしていたが、前述の神龍寺推薦枠の事件で決別する(元々あくまで利害関係が一致しているから一緒にいただけであり、仲が良かったわけではない)。その後、阿含とはWC杯でも再会している。更に、大学も同じところだった。 口癖は「YA---HA---!!」、笑い方は「ケケケ」(だが現実には非常に言い辛い為、アニメでは「へっへっへ」「ひゃっひゃっひゃっ」などと笑っている)。他者の呼び方は呼び捨て以外に「糞(ファッキン)○○(その人物の特徴など)」(アニメでは「クソ○○」)と呼び名を付けている(糞猿、糞バカなど)。 反甘党派で、よく無糖ガムを噛んでいたりコーヒーをブラックで飲んだりする。記者にインタビューされた際の回答によれば、好みのタイプは「使える女」。だがそれはマネージャーの条件だと心の中でリコに突っ込まれているように、真面目な回答か否かは疑問が残る。バカな言動をとる者を見て涙を流しながらバカ笑いすることもあり、まもり達から「笑いすぎ」「なんか楽しそう」と言われている。 鈴音からは「妖一兄(ようにい)」呼ばれており、モン太は「命知らずな」と驚いている。アニメではムサシから「クソ悪魔」とも呼ばれたこともある。 そもそもは「インパクト重視」というコンセプトで設定されたキャラクターだが、読者参加の第二回人気投票では主人公のセナと同等以上の票を得る。 高校卒業後は最京(さいきょう)大学に進学してアメフトを続けている。大学でも学長を脅迫し、影で学校を牛耳っている。高校時代と同じく非現実的な乗り物に乗ったり偵察のため勝手に他校の試合を組むなど、その横暴さと悪辣さは健在であり、これには他のメンバーも驚いている。 身長176cm、体重67kg。40ヤード走:5秒1。ベンチプレス:75kg。
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