沢芽市の人々
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「仮面ライダー鎧武/ガイム」の記事における「沢芽市の人々」の解説
凰蓮・ピエール・アルフォンゾ(おうれん・ピエール・アルフォンゾ) / 仮面ライダーブラーボ 第6話から登場。洋菓子店「シャルモン」の店長を務めるパティシエで、本名は凰蓮 厳之介(おうれん げんのすけ)。40歳。 スキンヘッドに付けまつ毛と厚化粧、屈強な肉体を持つ陽気な男性。フランス語交じりのオネエ系口調で話し、相手を侮った仇名やフランス語の愛称で呼ぶ。ビートライダーズからは「シャルモンのおっさん」や「凰蓮さん」と呼ばれる。一人称は「ワテクシ」。 全てにおいて本物に強い拘りを求める完璧主義者で、アマチュアや不完全なものを偽物と称し、毛嫌いしている。そのため、自分の店においても菓子の素材はもちろん、店員のあらゆる面(自身との星座の相性、態度、服装など)に関しても妥協を許さず、バイトの面接に来た紘汰も「相性最悪」という理由で即座に不採用にした。素人ばかりのストリートダンスやインベスゲームを「アマチュアのごっこ遊び」と嘆き、一石を投じるために、「シャルモン」に来店して馬鹿騒ぎしていたチームレッドホットのリーダーの曽野村から迷惑料代わりに奪った戦極ドライバーとドリアンロックシードでブラーボに変身する。 パティシエであることには強い誇りを持っており、店員から「店長」と呼ばれると「パティシエ」と訂正させる。パティシエとしての実力は本物であり、15年前に菓子職人を目指してフランスにて修業し、クープ・デ・モンドで優勝した経歴を持つ。また、ルレ・デセールの会員でもある。フランス国籍を取得するために従軍した経験があり、落下傘部隊に所属(階級は軍曹)し、中東やアフリカへ派兵され、多数の勲章を得るほどの活躍をしていた。そのため、格闘術の技能も高く、生身でありながらも変身した初瀬を軽々一蹴し、耀子とも互角に渡り合える。 従軍時代の経験で培った戦闘能力を振るい、次々と負かした相手からロックシードを奪取していたが、インベスゲームやロックシードの扱いの基本知識は知らなかったため、度々迷惑沙汰を引き起こしている。変身後もパティシエとしての仕事を忘れず、キッチンタイマーらしきものを常に持ち歩いているが、パティシエにとって繁忙期のクリスマスにインベスゲームを優先する一面も見られる。戦闘力は非常に高く、ドリアンロックシード自体も高性能だが、ジンバーレモンとなった紘汰に対しては後塵を拝するようになっていった。 本物と認める基準は自分本位なところも多く、好ましくないものを徹底的に迫害して認めようとしない頑固かつ狭量な面や、契約外で他者がどうなろうと意に介さないといったビジネスライクな面はあるものの、自分の店の客に対してはたとえ契約で定められていたとしても決して手を出すことを許さない高いプライドの持ち主でもある。また、成り行きで弟子として教育している城乃内のことも目にかけており、彼の行く末を心配しつつ、自分なりの助言を与え、ビートライダーズと協力するようになってからは城乃内以外の人物のことも気にかけるようになるなど、根は面倒見が良いタイプで、決して冷たい人間ではない。 当初は上述の通りプロとアマの違いを見せつけるために独自でインベスゲームに乱入していたが、シャルモンに訪れた貴虎との契約により、植物発芽事件で市民から白眼視されるようになったビートライダーズに対し、「ビートライダーズを更生させる正義の味方」という名目でアーマードライダーを襲撃するようになる。これらの行動により、市民からはヒーローとして扱われるようになった。ヘルヘイムの森で遭遇した斬月の鮮やかな戦いぶりを見て以来、「メロンの君」と呼ぶほど惚れ込んでおり、光実の作戦に協力する際にも、斬月の正体を教えてもらうことを成功報酬として要求した。 ビートライダーズのことは不良グループという偏見の目で見ており、長期にわたってインベス事件の犯人と決めてかかっていたが、城乃内の言葉が切っ掛けでインベスの出処を調査すべくクラックに飛び込み、出口を見つけられずヘルヘイムの森から戻れなくなってしまう。そこで森を探索していた紘汰と出会い、元の世界に戻るべく共にユグドラシルのベースキャンプを目指すも、辿り着いたベースキャンプがデェムシュに襲撃されていたため、斬月・真からの依頼を受け、研究員たちをインベスから護衛する。その後は御神木のクラックへ放りこまれる形で元の世界に帰還した。 第31話でオーバーロードが侵略してきた際、戒斗の助太刀として参戦したことがきっかけで、以降は正式にビートライダーズに協力するようになる。また、斬月・真を慕っているため、光実の変身した斬月・真を動きの違いから偽者と見抜いている。戒斗がロード・バロンに変身するようになってからは彼を止めるために戦うも、ロード・バロンと化した戒斗に戦極ドライバーとドリアンロックシードを破壊された。3か月後、インベスの脅威が去ったこともあってシャルモン2号店をオープンさせる。第7話でスイカアームズを登場させるために主人公側をピンチに陥れるキャラクターとして創作されたが、物語序盤の雰囲気ではシリアスな展開にはしづらかったため「変態的な大人げない大人」と設定された。 その他登場作品 『鎧武外伝』 『バロン編』ではアルフレッドからの依頼を受けて、戒斗に扮したシャプールを捕らえようとするが、ザックに阻止されてしまう。 『ナックル編』ではヘルヘイム消滅から1年後、ネオ・バロンの本拠地に乗り込んだザックを城乃内と共に助けた他、ザックに襲いかかったネオ・バロンの構成員を1人で圧倒した。 『小説 仮面ライダー鎧武』 貴虎から依頼を受けたことで、店を城乃内に任せシャプールの母国に向かい、傭兵時代の戦友(レイモンド、サイス、アイザックなど)を招集した。 ロード・バロン(戒斗)の攻撃で戦極ドライバーを破壊されて変身不能だったが、貴虎から戦極ドライバーとドリアンロックシードを与えられ、ブラーボへの変身が可能になった。 黒の菩提樹の施設の壊滅後は、調査を続ける貴虎に同行し各国を周っていたが終盤に帰国し、供界との戦いに挑む。 葛葉 晶(かずらば あきら) 紘汰の姉。24歳。 両親が亡くなった後は紘汰の面倒を見ており、現在も家計を支えるためにユグドラシル・コーポレーション傘下の企業でOLをしている。紘汰がアーマードライダーとなったことも真っ先に聞かされており、その力による成長を温かく見守っている。 紘汰同様他人への思いやりに溢れる、良識と常識を弁えた女性。「仕事とは知らない誰かの役に立つこと」という信念を持ち、紘汰にも目先の利益よりもそれを追究して欲しいという教育方針をとっている。ゆえに紘汰が鎧武の力をインベスゲームに利用していたころは、それを遊びと断じ賞金から工面した生活費の受け取りを固辞したが、ヘルヘイム侵出防止に真剣に対処するようになって以降は、詳細を知らされないながらも応援する立場を取った。 沢芽市がインベスに占拠された後は自室に紘汰宛ての書置きを残して避難所へ避難していたが、同じく被災した少年をレデュエ率いるインベスからかばって拉致される。その後、同様にさらわれてきたラットやリカと共にレデュエの生命エネルギー吸収装置に組み込まれてしまうが、戒斗たちによって救出され、救出後はドルーパーズで阪東を手伝うようになった。 戒斗との決着を付ける決意をした紘汰は戦いに赴く前に、姉の眼前でヘルヘイムの果実を自棄気味に食し、自身が人間でなくなったこと、姉の手料理を味わえなくなった哀しみを吐き出しながらも、姉から教えられた誰かのために戦う決意を伝えた。そして、紘汰に送り届けられ、自衛隊の救助ヘリによって沢芽市を去る。 事態収拾後は沢芽市に戻り、最終話では光実のことで思い悩む貴虎を励まし、弟の心情を理解し切れていなかった後悔を持つ者同志として心を通わせながらも、紘汰の選んだ道を信じる発言をした。 阪東 清治郎(ばんどう きよじろう) 沢芽市に店を構えるフルーツパーラー「ドルーパーズ」のマスター。 沢芽市出身で一時上京していたが、ユグドラシルによる街の再開発に伴い、戻ってきて自分の店を構えた。パフェを作る腕前は超一流。店によく来店するビートライダーズのダンサーや若者たちといった客の悩み相談の相手となったり、元気がない常連客にはパフェをサービスするなど、気のいい兄貴分的な存在。「ゲームで争う分には怪我人も出なくていい」とインベスゲームに対しては比較的寛容だが、度を越したいさかいは好まず、店内でのインベスゲームは御法度にしている。 紘汰の良き理解者であり、ビートライダーズが非難の的になった際も彼らを拒絶しなかった数少ない大人の一人で、紘汰が街を防衛していることも認識しており、第28話ではバイト先の見つからなかった紘汰を沢芽市防衛を業務内容に含める形で雇い、第29話では、店を留守にしがちとなる紘汰の補佐役として舞を「紘汰と2人で、1人分の給料を払う」という条件で雇った。紘汰を雇う前はイヨという名の無表情でマイペースな女性店員を雇っていた。 第33話では街がインベスに乗っ取られる状況にもかかわらず「アルバイトを残して雇い主だけ逃げるわけにはいかない」と避難せず、第45話で自衛隊の救助部隊が到着するまで戦っている紘汰たちの食事の面倒などを見るために店を開け続けていた。事態収拾後は沢芽市に戻って再び店を開いている。虚淵による最初の脚本では阪東は存在していなかったが、若いキャラクターだけでは経験の少ない俳優ばかりになってしまうため、芝居のできる大人の俳優を入れる必要性から武部や田﨑の要望により創作された。田﨑は弓削智久の配役について『Sh15uya』との類似性を象徴することを理由の一つに挙げている。 DJサガラ 沢芽市で『ビートライダーズホットライン』をネット配信するDJであり、黄金の果実を巡る戦いを扇動する男。物語前半ではサイクルジャージ姿だったが、後半以降は重々しいスーツや民族衣装のような服装にも身を包み姿を現す。オーバーロードからは「蛇」と呼ばれる。 物語当初はユグドラシルの外部協力員として契約・内通、ビートライダーズを戦極ドライバー被験者とする情報統制を担当し、そのためにDJを演じてインベスゲームを流行させた。しかし役割を終えて以降も、ユグドラシルですら到達し得ない情報や能力を以て人類やオーバーロードに接触、陣営を超越したトリックスターとして暗躍を繰り返す。その正体は実体を持たないヘルヘイムの森そのものの意志であり、人類の前に現れる際の姿はヘルヘイム植物によって形作られた幻影に過ぎず、蛇やヘルヘイム植物の姿にもなれる。そのためオーバーロード(フェムシンム)の前では、ホログラフのような姿で現れることも多い。 「他人を守る」という強い意志のもと、どう転ぶか解らない紘汰に強い興味を持ち、ユグドラシルの保管庫から持ち出したゲネシスコアの試作品だけでなく、自ら生成したカチドキロックシード、そして交渉の末ロシュオから分け与えられた極ロックシードを与えるなど、彼の成長や選択を促しながら、より直接的な援助によって戦いへと扇動している。 最終的に戒斗と決着をつけた紘汰の前に現れ、世界をどう作り変えるのかを問うが、世界を壊すことを拒否する紘汰を「世界を破壊しない限りお前たちは未来を掴めない」と厳しく突き放す。しかし地球ではなく別の星に新しい世界を創るという紘汰の決断には、「予想外の結末」と評するも理解を示し、「産めよ、増えよ、地に満ちよ」と繁栄を望む言葉を投げかけ、笑顔を浮かべて地球から去った。その後はどこか別の星で、新たな黄金の果実を生み出しているのが確認できる。その他登場作品 『小説 仮面ライダー鎧武』 時空間を彷徨う供界にゲネシスコアとブラッドオレンジロックシードを渡し、現世へと帰還させる。
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