川内川とは? わかりやすく解説

川内川

悠然と流れゆくふるさとのかわ、川内川
川内川は、その源を熊本県球磨郡白髪岳標高1,417m)に発し南流して宮崎県えびの市の西諸県盆地加久藤平野)に出て支川二十里川池島川長江川等を合わせ西流し真幸堰を通過して鹿児島県入り吉松町栗野町経て菱刈町湯之尾で高さ5mの段流(湯之尾滝)を作り伊佐盆地平野入り羽月川合流し高さ12mの景勝曽木の滝形成して鶴田ダム貯水池流下し、さらに鶴田町宮之城町中流狭窄部を下りて川内市川内平野)に入り樋渡川、隅之城川多く支流合流しながら薩摩灘に注ぐ、幹川流路延長137km、流域面積1,600km2一級河川です。

川内市中心部を流れ東シナ海へ注ぐ川内川
川内市中心部流れ東シナ海へ注ぐ川内川

河川概要
水系川内川水系
河川名川内川
幹川流路延長137km
流域面積1600km2
流域内人195,944
流域関係都県宮崎県鹿児島県

川内川流域図
○拡大図
1.川内川の歴史
"昭和30年代前半までは、河岸の殆どが竹林堤防でした。江戸時代以降灌漑のため多く井堰用水路建設されたほか、米を運搬するための航路開削治水のための八間川開削が行われています。"

川内川の歴史先人の知恵

鹿児島県には竹林多く河川両岸若竹等の竹林植栽して河川固定する方法普及していました竹林洪水時の塵芥肥料として繁茂し洪水時には竹林自体の目の役目果たし塵芥防ぎ、その竹林自体土砂の堆積自然と高土となっていきました。これらのことから、昭和30年代前半までは、川内川本川支川で、堤内側に水田のある河岸のほとんどが竹林堤防でした。
堂本堰
堂本
轟の瀬
轟の瀬
江戸時代以降飯野・加久籐平野平野灌漑のため、多く井堰用水路建設されました。上流加久藤地区湯田にある堂本井堰は、江戸時代建設され本流最大かんがい用水施設で、現在の用水路3代目です。
中流域では、江戸時代、川内川を舟運利用するため、大規模な開削工事が行われました。「天保川ざらえ」は、陸路使って宮之城の藩倉に送っていた上納米を川内川の水路使って運搬するため、宮之城~鶴田間で行われた航路開削のことです。現在の轟の瀬付近には、かつて轟の滝あり高さ約10m、幅30mで700mの長さ渡って階段状に20数度の上下降繰り返してました。「天保川ざらえ」で水路開削されて、滝がなくなりになってます。
また、江戸時代菱刈町人工河川建設されています。
1558年から11年かけて行われた下手美阪堤の工事が最も古く薩摩藩河川改修第1号です。その他、江戸時代主な工事として、湯之井堰工事、下手前の川直し下名前金島の川直し工事あります

長崎堤防
長崎堤防
下流域では、川内川が増水するたび、田に停滞するため、排水川として八間川開削する工事嘉永元年(1848)に始まり翌年竣工しました八間川高江集落付近川幅八間(約14.55m)であることから、名付けられたものです。また、延宝七年(1679)から八年かけ、貞享四年(1687)に長崎堤防完成しました。堤長360間(648m)で、7つ鋸歯状石垣築かれています。築堤に関しては、工事指揮者の娘、袈裟姫の人柱伝説残ってます。
2.地域中の川内川
"上流域では魚釣り水遊び屋形船運航中流域ではホタル船の運航ドラゴンボート大会の開催下流域では花火大会川内レガッタ開催される等、流域全体で川を楽しみ、親しみ、学ぶことができます。"

川内川と地域社会つながり

上流域留孫渓谷は、延長10km渓谷で、清く美しく、春の新緑秋の紅絶景です。また、周辺にはキャンプ村があり、魚釣り水遊びなどを楽しむことができますえびの市菱刈町高水敷には、河川公園やパ-クゴルフ場等があり市民憩い空間となってます。また、京町温泉には屋形船があり川内川を遊覧することができ、夏にはホタル飛び交う姿を楽しむことができます
ドラゴンボート大会
ドラゴンボート大会
中流域位置する鶴田ダムは、上・下流の交流の場憩いの場としての活用図られており、ダム周辺には、発電のしくみなどが学習できるでんぱつ ふれあい館」やキャンプ場、川をせき止め天然流水プールなどがあります
ダム下流高嶺地区には「水辺の楽校」があり、鶴田町地域活性化拠点として整備した「健康ふれあいセンター」がありますまた、水辺の楽校の完成期にドラゴンボート大会開催されているほか、夏にはホタル船も運航されています。
支川である羽月川沿いには轟公園があり、毎年8月に、川の環境保全美化対す広告啓発子供たち故郷素晴らしさ知ってもらうための川祭りが行われており、つかみ取り大会や、ボート体験試乗等を楽しむことができます
宮之城町の轟の瀬周辺では、狭窄部を利用した本格的なものから、淵を利用する初心者向きまで様々な形カヌ-を楽しむことができ、シ-ズンには多くアユ釣り客に利用されている。その他、自然と歴史とのふれあい自然体験などの学習目的とする「水辺の楽校」があり、カヌー発着場などの施設せせらぎ水路などが整備され水辺親しみやすい環境整いつつあります
下流域川内市街部の高水敷は、河川親水公園花火大会等の開催場所として利用されています。
また、毎年8月には、東郷から太平橋の間の河川敷で、「がらっぱどん祭り」(いかだ下りレース)、「がらっぱカヌー競技大会」、「川内レガッタ」や河川敷においてコンサートフリーマーケット等の催しを行う「川内川フェスタ」が開催されています。
川内川花火大会川内レガッタ
川内川花火大会川内レガッタ
3.川内川の自然環境
"随所ゲンジボタル生息するほか、中流平瀬中心に国指定天然記念物チスジノリ自生してます。また、クルソン峡曽木の滝等の景勝にも恵まれる等豊かな自然環境有してます。"


川内川は源流熊本県発し流域南九州鹿児島宮崎熊本の3県にまたがり鹿児島県川内市にて東シナ海注いでます。特に河口から上流までの随所ゲンジボタル生息見られ、これらの川内川の豊かな自然環境は、沿川の人々にとってふるさと原風景構成する身近で親しみのある郷土財産となってます。
曽木の滝
曽木の滝
チスジノリ
チスジノリ
渓谷を源にのどかな田園地帯流れ上流部は、景勝クルソン峡(留孫)からの流れ山間狭窄部や小さな滝を交えながら、西諸県盆地伊佐盆地広がる田園地帯緩やかに蛇行して東洋ナイヤガラ称される曽木の滝経て鶴田ダム湖(大鶴湖)に注いでます。河辺には、ヨシ・ツルヨシ群落等の草本群落分布する他、メダケアラカシ等の河畔林がみられ、河岸の崖を巣とするカワセミ生息しギンブナオイカワカマツカ等の淡水魚確認されています。
流域中流部位置する山間狭窄上流端をせき止め作られ鶴田ダム広大なダム湖(大鶴湖)を有し、湖産アユをはじめ、黄金色ナマズ発見されるなど、淡水魚生息となってます。また、平瀬中心に国指定天然記念物チスジノリ県指定天然記念物カワゴケソウ自生してます。
カワゴケソウ
カワゴケソウ
山間狭窄部を蛇行して流れ下る中流部は、川辺にヨシ・ツルヨシ群落等の草本群落中心に、河崖にはアラカシメダケ、スギ・ヒノキの植林等の川辺見られます。河床岩盤の上玉石砂礫覆い、瀬や淵を好むオイカワアユ等が生息し、轟の瀬周辺は、サギ類やカモ類の休息採餌場所として鳥類集合場所となってます。

川内市中心市街地貫流する下流部は、河辺にヨシ・ツルヨシ群落オギ群落等の草本群落分布する他、河口部には、トベラマサキ群落スダジイ等がみられ、コクテンギ美し紅葉みせます河口部干潟感潮区間には、シギ・チドリ類カモ類等の水鳥多く汽水域には、ボラコノシロマハゼ等が生息してます。
4.川内川の主な災害


発生発生原因被災市町村被害状況
昭和46年06月梅雨前線川内市
えびの市
全半壊家屋  74
床上浸水 2168 戸
床下浸水 1321 戸
昭和46年08月台風19号川内市
えびの市
全半壊家屋  35
床上浸水 804
床下浸水 2428 戸
昭和47年06月梅雨前線流域全体全半壊家屋 157
床上床下浸水
4951戸
昭和47年07月梅雨前線宮之城町
鶴田町
全半壊家屋 335
床上浸水 695
床下浸水 1399戸
昭和51年07月台風9号川内市
宮之城町
全半壊家屋  9戸
床上浸水 320
床下浸水 958戸
昭和54年06月梅雨前線川内市
宮之城町
全半壊家屋  13
床上浸水 209
床下浸水 539戸
昭和57年07月梅雨前線川内市
宮之城町
床上浸水 105
床下浸水 197
昭和62年07月梅雨前線宮之城町全半壊家屋  17
床上浸水   7戸
床下浸水 101
平成元年07月台風11号流域全体全半壊家屋  45
床上浸水 171
床下浸水 702
平成05
08月01
豪雨上流域全半壊家屋  13
床上浸水 170
床下浸水 423
平成05
08月06
豪雨川内市全半壊家屋  9戸
床上浸水 102
床下浸水 410
平成0909月台風19号上流域床上浸水 264
床下浸水 223
平成15年07月梅雨前線宮之城町
吉松町
床下浸水 20


(注:この情報2008年2月現在のものです)




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