テレビアニメ第1期のストーリー
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「新幹線変形ロボ シンカリオン」の記事における「テレビアニメ第1期のストーリー」の解説
鉄道ファンの小学生・速杉ハヤトは、鉄道博物館の職員である父・速杉ホクトと一緒に東京駅から新幹線に乗る。東北新幹線「E5系はやぶさ」に乗るという約束で出発した旅は、ホクトが指定席券を忘れたため「E2系やまびこ」での旅となったが、ハヤトは普段忙しいホクトとの旅を楽しみにしていた。しかし、突然の鉄道博物館からの電話でホクトは大宮駅で下車することになり、旅は半ばで打ち切りとなってしまう。失意のハヤトだったが、ホクトから預かったタブレットに残されたIDカードを届けるためにホクトを追い、鉄道博物館のバックヤードへと迷い込み、普段とは違う様子で何かに対応するホクトの姿を目撃する。 鉄道博物館の地下にあったのは特務機関『新幹線超進化研究所』の大宮支部。「巨大怪物体」と呼ばれる存在への対応を目的とした組織で、巨大怪物体に対抗するために秘密裏に開発された人型変形ロボット「シンカリオン」を保有していた。大宮支部の格納庫には調査のために捕獲された巨大怪物体が保管されていたが、再起動して暴走し格納庫があと10分で破壊される状態におかれていた。ホクトは大宮支部指令長・出水シンペイとともに、この巨大怪物体への対処を迫られていた。ハヤトはこの様子をずっと覗き見ていたが、車掌型ロボット・シャショットに見つかり不審者と勘違いされる。騒動で職員にも発見されるが、シャショットの計測によりハヤトがシンカリオン運転士適合者であることが判明する。新人指令員・三原フタバはハヤトをシンカリオンに乗せることに反対するが、ハヤト自身は「お父さんの役に立てるなら」と志願。専用の「Shinca」受け取ってシンカリオン E5はやぶさへと乗り込み、シャショットのサポートを受けながら巨大怪物体の撃退に成功する。 ハヤトと同じ大宮支部の男鹿アキタのE6こまち、大門山ツラヌキのE7かがやき、月山シノブのE3つばさ、名古屋支部の清洲リュウジのN700Aのぞみ、北海道支部の発音ミクのH5はやぶさ、門司支部の大空レイの800つばめとシンカリオンの配備が進む。リンク合体も活用しながら巨大怪物体を撃退していくが、その中で数段異なる強さを持ち、会話・意思疎通が可能な巨大怪物体が襲来する。この時の巨大怪物体は後に、人類以前の種族であるキトラルザスのエージェントの1人・ゲンブであると判明し、これ以降ビャッコ・スザク・セイリュウら他のエージェントや、それらを束ねるイザの存在も表面化するようになる。なお、巨大怪物体が出現する際には「黒い粒子」(「ナノマシン」「ルクスヴェテ」などと呼称)が確認されており、超進化研究所ではこの粒子の調査・研究も始まる。 敵対するキトラルザス側にもシンカリオンが存在し、セイリュウのブラックシンカリオンは圧倒的な力を見せ付ける。西日本における指令体制構築のために京都支部に転属されていたホクトは、激化する戦いを見据えて大人が搭乗可能なシンカリオンの開発に着手する。こうして試作された500こだまは従来のシンカリオンを強化するクロス合体の機構を備えており、クロス合体したE5×500の超グランクロスでブラックシンカリオンの撃退に成功する。この戦いを通じてハヤトはセイリュウとの対話の可能性を考えるようになり、一方のセイリュウも戸惑いつつも興味を持つ。セイリュウはスザクの助けを受けて人間界を訪れ上田アズサと出会い、知らず知らずのうちにハヤトとも遭遇した。超進化研究所では西日本に五ツ橋ギン・五ツ橋ジョウ・霧島タカトラのトリニティも配備するが、キトラルザスとの対話も考慮されようになる。 一方のキトラルザスでは、「人類とは戦い以外の道はない」と考える旧世代のエージェントが帰還しつつあった。現代のエージェントは人類との対話の道を模索しつつあったが、中でもビャッコは自分たちの作戦が無に帰すことを危惧して焦り、自ら決着をつけるべく新たにドクターイエローに搭乗したリュウジやハヤトを地下世界へと誘い込むが敗北。ビャッコはこの敗北や、戦いに介入したトラメを妨害したことで、古い掟にしたがってカイレンにより胸の赤い石を抜かれて石化する。ビャッコの石化を知ったゲンブは、ソウギョクに対してカイレンにビャッコの意思を伝える時間を設けるように求める。承諾を得るとゲンブは自らシンカリオンを知るために人間界へ赴き、ソウギョクにシンカリオンの強さを見せるために戦い一方的に攻撃を受けて敗北する。ゲンブは倒れていたところを超進化研究所に保護されるが、当初は仲間のことを考えて心を閉ざしていたが、ハヤトやツラヌキとの対話を通じて態度を軟化させる。対話のために一旦地底世界へ戻ろうとするが、ソウギョクの計略により巨大怪物体化させられ意思とは関係なく暴走し、ハヤトによって胸の赤い石を破壊されることを望む。赤い石が破壊されたゲンブは石化するが、ハヤトは自分たちを守るためにゲンブが自ら石化することを選んだことを知り号泣する。 セイリュウはソウギョクから「ゲンブを殺したのはシンカリオン」と伝えられるが、言葉の真偽を確かめるべく再び人間界へと赴く。ハヤトから事実であると回答されるが、その真意を問う間もなくソウギョクの計略によって呼び戻され、怒りをハヤトに向けたままブラックシンカリオンでハヤトと戦うことになる。E5×ドクターイエローとブラックシンカリオンの戦いの最中に、ハヤトとセイリュウは精神世界で対話する。セイリュウの問いにハヤトは「ゲンブは仲間だ」と回答し、対してハヤトからは「好きなものは何か」と問われるがセイリュウは答えることができなかった。戦いは両機のグランクロスのぶつかり合いとなり、敗れたセイリュウがハヤトに「ハヤトたちを信じた自分の気持ちを信じる」「俺もシンカリオンが好きだ」と答え去っていった。決着後、セイリュウは地底世界には戻らず人間界を放浪していたが、再会したアズサから懇願される形で迷いながらもクレアツルスのと戦いに苦戦するハヤトたちを救援する。この行為によりトラメから「反逆者」として断定されるが、セイリュウ自身はしばらくハヤトたちとは一定の距離を保っていた。後にキトラルザスとの決別を決意しハヤトたちと共闘、適合率上昇に伴い進化したブラックシンカリオン 紅とともに大宮支部所属のシンカリオン運転士として認められる。同時にこの頃、空席となっていたN700Aの運転士にリュウジの弟・清洲タツミが就いていた。 大宮支部への正式加入後、セイリュウを仲介役としてイザとの対話が試みられる。しかしカイレンらの妨害によって失敗に終わり、カイレンの影武者との戦いにおいてE5×500はリミッターを解除した超グランクロスの使用を余儀なくされ、その結果リミッターの役割を担っていたシャショットが機能停止してしまう。影武者を退けたハヤトたちはイザの下にたどり着く。かつて八代イサブロウの名でプロジェクトシンカリオンに参加したイザは、かつての部下であるホクト・出水に対して人類とキトラルザスの双方にシンカリオンを与えて、その結果創造される未来が見たかったという思いを語る。しかし、カイレンは自らが審判者だとして人類は不要と考えイザと思想が対立しており、イザはカイレンを止める願いをこめてハヤトに「E5はやぶさ MkII」を託し、ハヤトとホクトを東京駅に送ることをスザクに命じる。1人残された出水にイザは地底世界が維持できないことを語り、もう一人いると意味深な言葉を投げかけて避難を促した後、イザ本人は崩れてきた岩の下敷きとなった。 一方でカイレン本人は地上への宣戦を布告し、黒い貨物列車で新幹線超進化研究所総合指令部がある東京駅へ向かう。直前には東日本ではソウギョク、西日本ではトラメが同時に出現したことでシンカリオン各機が対応に追われており、無防備となっていた東京駅には最終防衛手段の「中央迎撃システム」が展開される。ソウギョク・トラメを退けてE5はやぶさ・500こだま以外のシンカリオンが東京駅に集結するが、真の姿となったカイレンの前に圧倒されていった。ハヤトたちが帰還しE5はやぶさ MkIIが参戦すると戦況は互角となるものの防御を崩せずに攻め手を欠くが、突如復活したシャショットの励ましにより形勢優位へと傾く。最後はE5はやぶさ MkIIとブラックシンカリオン 紅のダブルグランクロスを受けてカイレンは倒される。 キトラルザスとの戦いは終わり、セイリュウ・スザクの2人は人間界で生活を送っていた。各地に以前倒した巨大怪物体が再出現する事象も散見されたが、E5はやぶさ MkIIを主機体とするオーバークロス合体により撃破していく。そんな折、行方不明になっていたソウギョクが再来し、ブラックシンカリオンを複製した「ブラックシンカリオン ナンバーズ」を駆使して、セイリュウからオリジナルのブラックシンカリオン 紅を強奪する。これによりセイリュウはハヤトたちと和解した後の記憶を失ってしまうが、シノブから一時代替機として運用され、現在は予備機として保管されていたE3つばさ アイアンウイングを借り受けて再来したナンバーズとの戦いに臨み、戦いの中で記憶を取り戻していった。 ソウギョクは、自分たちよりも古い時代に人間との共存を模索して潜入したキリンと接触していた。表向きは協力体制をとっていたが、その思惑は異なっていた。キリンは他者の運転士適合率をある程度推測できるアズサの得意な能力に目をつけ、協力関係に合った科学産業省に勤める倉敷ヤクモが超進化研究所司令員のフタバの幼馴染であることを利用して接触。この時ソウギョクはアズサを手中に収めようと誘拐を画策するが、アズサたちを「客人」として扱うキリンにより一撃を加えられ姿を消す。キリンはハヤトら運転士に試練を与えていたことを明かし協力を要求するが、拒否されると豹変して超進化研究所各支部にナンバーズを差し向けるとともに、自身はブラックシンカリオン オーガに乗り込んで東京都庁へと移動し日本政府との交渉を要求した。この件により今まで一般には秘匿されていたシンカリオンの存在が露見する。ハヤトは新造された923 ドクターイエローとのオーバークロス合体でキリンに挑むが、最新鋭の戦力をもっても互角の形勢であった。セイリュウはヤクモからブラックシンカリオンを返還され、キトラルザス同士で決着をつける決意でハヤトたちに仲間になってくれてありがとうと礼を述べ、キリンを無理やり地底世界へと押し込み、出入口を破壊して外界との接続を絶って相討ち覚悟の決戦に挑む。 セイリュウを案じるハヤトたちは、ヤクモの父でキリンに協力していた倉敷イズモがCEOを勤めるクラシキ重工が敷設していたトンネルを利用して櫻島の地下へ駆けつけ、セイリュウを説得して力を合わせてキリンを討つ決意を固める。 ヤクモが罪滅ぼしにフタバに連絡してきたトンネルのことで、出水は一つの疑問に対して答えを得ていた。かつてドクター・イザとの対話を求め地底世界に赴いた際、そこに「E5はやぶさ MkII」があることに引っかかっていたが、ヤクモよりクラシキ重工が地底世界に繋がるトンネルを作っていたことを知り疑問が氷解した。八代イサブロウだった頃のイザが地底世界に向かったのはE5が開発されるよりずっと前、その情報を知るはずがなかった。それなのに地底世界にE5 MkIIがあるのはクラシキ重工とソウギョクが繋がり、地底世界に超進化研究所の情報がリークされていたからなのだった。スザクも自分たちの世界と地上とがトンネルで繋がりがあることに、非常に驚いていた。 ハヤトとセイリュウはスザクからルクスヴェテを提供され、ブラックシンカリオン オーガを名古屋支部へと転送し、シンカリオン全機が集結して最終決戦へと突入する。しかしライジングモードを展開したブラックシンカリオン オーガの力は圧倒的で、シンカリオン全機は一時撤退を余儀なくされ、名古屋支部を脱出したブラックシンカリオン オーガは国会議事堂を目指す。高速で飛行するブラックシンカリオン オーガに追いつく手段がなく、頼りのルクスヴェテも残っていなかったため絶望的な空気となるが、研究所内にごく僅かに保管されていることが思い出され、また人々が「協力」することでルクスヴェテが増殖することが判明する。一般の人々はシンカリオンの一切が秘匿されていたことで不安や疑念を抱いていたが、アズサがこれまでに撮影・編集しながらも公開されることがなかった動画を公開すると払拭され、世間の支持と協力を得ることに成功し大量のルクスヴェテが確保される。スザクは、ルクスヴェテの増殖で復活したビャッコやゲンブと協力して名古屋支部との直通線路を作ることに成功し、ブラックシンカリオン オーガに追いついたシンカリオン各機は一斉攻撃を開始し、最後はE5 MkII オーバークロス ブラックシンカリオン 紅の攻撃によりブラックシンカリオン オーガは倒される。
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