シュヴァルツ・黒い谷
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「舞-乙HiME (漫画)の登場人物」の記事における「シュヴァルツ・黒い谷」の解説
圧制の打破と科学力による民衆の解放を標榜し、あらゆる国家の要人を暗殺対象とするテロリスト集団。構成員は普段は一市民として市井に潜み、“黒い手紙”による指令を受け取ると信念から命を賭して手紙に記された内容どおりの任務、計画を遂行する。また組織の中には暗殺対象への賞金が懸かるシステムがある。主要構成員として頭領のミドリと完全義体化した幹部4人が確認されている。ただし頭領のミドリ等の意志はすべての末端の構成員までは届いているとはいえず、貧民をもテロの巻き添えにするルーメンや、何やら陰謀を抱えている同志「S」一派のような例も見受けられる。 本拠地となっている黒い谷はアニメ版とは設定が大きく異なる。広大な砂漠の中にあり、谷と言うより廃墟ビルと瓦礫の都市。その為、長い間発見される事がなかった。シュヴァルツの本拠地で権力者同士の争いに巻き込まれた難民が保護されている。カルデアの襲撃で壊滅状態になり、その後難民はヴィントブルームに保護される事となる。セルゲイとの戦いが終わるとミドリたちも風華宮の工事現場にいる。 続編『嵐』では工事現場ではなく牧場に姿を見せていたが、実際にそこで働いているのかは不明。 ミドリ シュヴァルツの頭領=首領。自称17歳、首もとに「sex XVII(17歳)」とあるように誰が何と言おうとも17歳を貫く。インコを連れている。REMによる高次物質化能力を操り、生身でもマイスターオトメ二人の攻撃を弾き返す恐るべき戦闘力の持ち主。 現在の惑星エアルを支配する貴族階級と王制を腐敗極まる圧政者と見なし、封印された黒科学の力で真に平等な世界を築くために、手段を選ばず革命へと邁進する恐るべき理想主義者。装着型スレイブ「愕天王」と究極合身(これの元ネタは聖闘士星矢[要出典])、強攻装着型スレイブ「愕天神」となることで究極無敵の超戦士へと進化する。武器はハルバード。その破壊力はカルデア第二の都市であり随一の歓楽街でもあるマルドゥークを焦土と化し、カルデア軍一個師団をも壊滅させるほど。捕らえられるまでに数千の死傷者を出し、生きた破壊神(ウォーキングカタストロフ)と怖れられる。しかしそのポテンシャルはREMに大きく依存している為、これを破壊されると自力で動けなくなる。 漫画版『舞-HiME』と同様に初登場は17話であり、前作同様南沙織の「17才」を歌いながらの登場であった。必殺技はミドリ・ウルトラ・ダイナミック。マシロと対立するも、カルデアの黒い谷襲撃後にその資質を認め、和解する。 HiME出現当初はガルベローデの為に戦う事を拒否していたが、「真祖レナはラドの愛した女だから」と戦いを決意。ヴィントブルームに現れた自分そっくりのHiME・碧の愕天王同士とぶつかり合う。 オリジナルは杉浦碧。 ラド 本名レイト・カンザキ。ガレリア出身。完全義体化したシュヴァルツの幹部で、将軍の地位を持つ。実は、アリカの父親(ただし血の繋がりはないので義父)である。 黒い谷の民からは絶大な信頼を寄せられており、ミドリがヴィントブルームに囚われ不在の間はシュヴァルツの総指揮を執っていた。シズルと互角の戦いを繰り広げる剛の者で、捨て石覚悟で戦っている武人肌の人物。 ただし、市街地襲撃に無辜の市民を巻き添えにするルーメンを同行させたり、アリカの迎えに「夜の野獣」としか言いようの無いカズヤ・クラウゼクを派遣したことで彼女の貞操の危機を招いたりと、どうにも人選ミスが目に付く。 同じガレリア辺境伯領出身のレナ・セイヤーズとは幼馴染み。レナとは相思相愛だったが、彼女は恋を捨てオトメになる道を選び、自らも彼女と別れた後にシュヴァルツに参加し完全義体化の手術を受けている。それ以降、完全に歩む道の違えた二人は会う事無く、レナは引退後にレイト以外の男と結ばれてしまった。だが10年前、故郷のガレリア襲撃事件の際に駆けつけた際、焼け跡から偶然にもレナと再会。子供達を失った事等によるショックで心を病んでしまっていたレナを黒い谷に迎え入れ、自身の妻として扱う。なお、悪く言えば「村一つ守れなかった元オトメ」と結婚することを、部下や黒い谷の民たちが反対しなかったのかは不明。 18話において、アリカに自らが父親(義父)である事やレナの生存を伝え、シュヴァルツに迎え入れようとした。血の繋がりはなくともアリカに対する愛情は強いのだが、前述の通りアリカの貞操がカズヤに奪われかねない事態を招いたり、本人の意思も確かめずに「アリカは我らと共に戦う」などと1人決めしたりと、誤解を招く言動・行動により、アリカ本人からは反発されていた。 カルデア帝国軍襲撃の際に、マシロとアリカの本契約の時間を稼ぐ為にあえて盾となり致命傷を負う。そしてマシロやアリカに未来と希望を託し、敵もろとも自爆。アリカより、死の間際に父と呼ばれた事で喜びを感じながら「我が娘」と心の中で呼びかけ、散って逝った。 オリジナルは神崎黎人。ただし、前作漫画版では未登場。デザインモチーフはGUILTY GEARシリーズのジャスティス[要出典](頭の一部が酷似している)。 ルーメン 鋼鉄製のムチを武器とする、完全義体化したシュヴァルツの幹部。ラドに率いられて、ナギ大公誘拐作戦に参加した。 権力者に対する憎しみがあり革命に対する思いは本物のようだが、何も行動しない市民にも怒りを持ち、行動する力のないスラムの貧民ごと攻撃しようとする危険な考えの持ち主。 革命遂行型スレイブ「ロベスピエール」を駆るも蒼天のマイスターローブを着装したニナの美力に破れ、他の革命同志(ラド)に志を託し消滅。 たいして人望は無いらしく、「ルーメンの敵討ち」を掲げる構成員や、ルーメンを手にかけたマシロたちを恨む黒い谷の民はいなかった。また、脱獄したミドリがルーメンの死を悼む描写も無かった。 アニメ版と違い、自分の力と思想に酔って弱者を虐げるテロリストで終わってしまっている。他の幹部達には難民を守る描写があることも、ルーメン個人の自己中心性を際立たせている。 ガル 完全義体化したシュヴァルツの幹部。 お手玉や資材を浮遊させるなど、重力を操る能力を持っているらしい。 ラドが風華宮を襲撃している間に、ミドリ奪還を実行。ミドリにREMを渡した後は、後方からスポットライトのごとく光を発していた。 黒い谷が襲撃された時は難民の避難を指揮し、ミドリやダイン共々、谷を去る。 女王即位式の祭典ではその身なりを生かし、道化師として潜入し、近くの子供達にお手玉芸を披露する等の器用さも見せる。MAIの攻撃からニナを救う。 最終決戦時は自身の身体をミドリのREMの代わりにしてミドリと共に「新」祖防衛に駆けつけた。 ダイン 完全義体化したシュヴァルツの幹部。一人称「あっし」。 ミドリを「親分」と呼び、語尾に「ヤンス」と付けるなど、アニメ版と比べて言葉を喋る事が多い。シュヴァルツの構成員のデータを持っている事から、体格に似合わず細かい仕事をしているようである。 黒い谷が襲撃された時はマシロとアリカの本契約の時間を稼ぐ為に、ラドたちと共にスケールと交戦した。 女王即位式の祭典には大きなクマの着ぐるみを被って潜入する。MAIの攻撃からアリカを救い、床を殴り穴を空けて脱出口を作った。 同志「S」 本編前半から中盤にかけて、シュヴァルツ襲撃の手引きをしていた人物。その頃には実際に姿を見せるどころか一言のセリフすら発さず、ラドたちによって存在が語られるのみであった。黒い谷崩壊後は、ミドリの統制から離れた構成員を引き込み、己が手駒としていた。 その正体は、「セルゲイ・オーギュスト」本人で、己の野望のためにシュヴァルツを利用していた。 暗殺者 第一話でマシロに襲い掛かったシュヴァルツの暗殺者。腕を機械化しているサイボーグで、スレイブジェットンを操る。ハルカの事を「でぼちん」と呼んだ。モデルは漫画版に登場する不良(奈緒の鍵)。 カズヤ・クラウゼク アリカのファンだといって彼女に近づいて来た青年。アリカに様々なプレゼントを贈ったり、デート(遊園地)に誘ったりした。自らの好みの女性には、紫色の薔薇をプレゼントに送っている。マシロのような風貌の女性が好みで、まっ平らの胸の女性も好み。マシロの股間をつかんだ事で鳥肌を立てた。 マシロ曰く「完璧な遊園地デート」を演出した後は、夜になって、アリカをホテルのスイートルームに連れ込んだ。いやらしい目つきと鮮やかな手つきでアリカの着ている服を無理やりはぎ取り、ベッドへ強引に押し倒し、夜の野獣になってアリカのオトメの純潔(処女)を奪おうと豪快に襲いかかろうとした。実はシュヴァルツの一員で、ラドの命令でアリカを「黒い谷」へ連れて行くという命令を受けていた。女体拘束型スレイブ「ドンファン(ヌルヌルしている触手)」で自分のペットにしようと、アリカやマシロ、エルスティン達を捕獲する。 実はアカネとも交際しており、彼女がガルデローベを休学していたのは、行方をくらましたカズヤを探すためであった。尾行してきたアカネに見つかり言い訳するも、触手で美少女達を拘束するという光景に説得力などあろうはずも無く、怒りの美力により処刑される。 アニメ版と違い、ただのプレイボーイで終わってしまっている。人選したラドの管理能力を問い質したくなるご乱行ぶりであった。 オリジナルは倉内和也。 難民の子供(1) 黒い谷で暮らしていた難民の少年。逆立った黒髪と手足に巻いた包帯が特徴。 活発そうな性格で、ヴィント市に収容された後も近隣住民とはうまくやっていたらしく、小売店からジャガイモ一箱分を貰ったこともある。 マシロをそれなりに評価しており、「彼女」が女王になれば自分たちの待遇もよくなると期待していた。 難民の子供(2) 黒い谷で暮らしていた難民の子供。正確な性別や髪の色(金髪か白髪)は不明。右目と右足を義眼・義足で代用している。 義足を「黒科学は違法」として兵隊に没収されたことから役人たちを憎んでおり、大人になったらラドのような革命家になって、腐敗権力者たちを制裁すると息巻いていた。 そんな彼ないしは彼女の怒りは、自分達を収容した後は何もしないマシロにも向かっており、一時は「彼女」のことも腐敗役人と同一視していた。その後、自分たちのために王宮の食料庫を開放した事で多少は認めた様子である。 最終回ではミミと共に笑顔でいる姿が見られる。また『嵐』ではミミやミドリとともに一コマ登場している。
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