シュヴァルツ函数とは? わかりやすく解説

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シュワルツ空間

(シュヴァルツ函数 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/10 01:41 UTC 版)

数学においてシュワルツ空間(シュワルツくうかん、: Schwartz space)とは、導函数がすべて「急激に減少する」ような函数全体からなる函数空間である。この空間上フーリエ変換自己同型であるという重要な性質がある。この性質から、双対性によって、S の双対空間の元、すなわち緩増加超函数に対するフーリエ変換を定義できる。シュワルツ空間の名は、ローラン・シュヴァルツに敬意を表して、アレクサンドル・グロタンディークによって付けられた[1]。シュワルツ空間内の函数はしばしば、シュワルツ函数 (Schwartz function) と呼ばれる。

二次元ガウス函数は、急減少函数の一例である。

定義

シュワルツ空間、あるいは Rn 上の急減少函数の空間とは、次の函数空間のことを言う。

ここで α、β は多重指数であり、C(Rn) は Rn から C への滑らかな(無限回微分可能な)函数の集合である。またノルムは

である。ここで sup は上限を表し、再び多重指数の記号が用いられている。

この定義を理解する上で、急減少函数は本質的には、R 上の至る所で f (x), f '(x), f ''(x), ... のすべてが存在する函数 f(x) であり、かつ x → ±∞ としたとき x の任意の負べきよりも早くゼロに収束するものであることに注意されたい。特に、S(Rn) は無限回微分可能な函数の空間 C(Rn) の部分空間である。

シュワルツ空間の函数の例

  • i を多重指数とし、a を正の実数とすると、次が成り立つ。
  • コンパクト台を持つ任意の滑らかな函数 f はシュワルツ空間 S(Rn) に含まれる。これは次のことより明らかである。f の任意の導函数は、連続で、f の台の外では 0 であるので、最大値定理より (xαDβ) fRn 内に最大値を持つ。

性質

  • ライプニッツの法則より、S(Rn) は積について閉じている。すなわち、f, gS(Rn) であるなら、fgS(Rn) である。
  • 1 ≤ p ≤ ∞ に対し、S(Rn) ⊂ Lp(Rn) である。
  • すべての隆起函数からなる空間 C 
    c
     
    (Rn) は S(Rn) に含まれる。
  • フーリエ変換は線型同型 S(Rn) → S(Rn) である。
  • fS(R) ならば、fR 上で一様連続である。

参考文献

  1. ^ TerzioĞglu, T. (1969). On Schwartz spaces. Mathematische Annalen, 182(3), 236–242.
  • Hörmander, L. (1990). The Analysis of Linear Partial Differential Operators I, (Distribution theory and Fourier Analysis) (2nd ed.). Berlin: Springer-Verlag. ISBN 3-540-52343-X 
  • Reed, M.; Simon, B. (1980). Methods of Modern Mathematical Physics: Functional Analysis I (Revised and enlarged ed.). San Diego: Academic Press. ISBN 0-12-585050-6 
  • Stein, Elias M.; Shakarchi, Rami (2003). Fourier Analysis: An Introduction (Princeton Lectures in Analysis I<). Princeton: Princeton University Press. ISBN 0-691-11384-X 

この記事は、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス 表示-継承 3.0 非移植のもと提供されているオンライン数学辞典『PlanetMath』の項目Space of rapidly decreasing functionsの本文を含む


シュヴァルツ函数

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/26 00:41 UTC 版)

球函数に対するプランシュレルの定理」の記事における「シュヴァルツ函数」の解説

ハリッシュ=チャンドラ・シュヴァルツ空間は S ( K ∖ G / K ) = { f ∈ C ∞ ( G / K ) K : sup x | ( 1 + d ( x , o ) ) m ( Δ + I ) n f ( x ) | < ∞ } {\displaystyle {\mathcal {S}}(K\backslash G/K)=\{f\in C^{\infty }(G/K)^{K}:\sup _{x}|(1+d(x,o))^{m}(\Delta +I)^{n}f(x)|<\infty \}} で定義される。球変換によってこれは、 a ∗ {\displaystyle {\mathfrak {a}}^{*}} 上の W-不変シュヴァルツ函数の空間 S ( a ∗ ) W {\displaystyle {\mathcal {S}}({\mathfrak {a}}^{*})^{W}} の上へ写る。 ハリッシュ=チャンドラのもともとの証明帰納法用いた長いもであったが、 Anker (1991) はペイリー-ウィーナーの定理一種反転公式用いて直接的に簡略化した短く単純な証明発見したアンカーは、ハリッシュ=チャンドラ・シュヴァルツ函数の球変換通常のシュヴァルツ函数となることを示した。そして彼の重要な着眼点は、古典的な評価用いて通常のシュヴァルツ空間半ノルム備えたペイリー-ウィーナー空間上で逆変換連続であると示すことであった

※この「シュヴァルツ函数」の解説は、「球函数に対するプランシュレルの定理」の解説の一部です。
「シュヴァルツ函数」を含む「球函数に対するプランシュレルの定理」の記事については、「球函数に対するプランシュレルの定理」の概要を参照ください。

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