自己中心性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/26 21:01 UTC 版)
日本語で自己中心性 (じこちゅうしんせい、英: egocentrismあるいはselfishness)とは、(英語でエゴセントリズム egocentrismと表記される心理学用語を翻訳するために造語された日本語「自己中心性」のほうをまず解説するなら)主観的スキーマを客観的現実から導くことができないこと、また自分以外の視点を正確に想定・理解することができないことである[1][2]。他方、英語でセルフィッシュネス selfishnessに相当する意味で使われている、普通の日本語表現の「自己中心」のほうは、他者への配慮を欠くこと、自分の利益や関心事のことしか考えていないこと、である[3]。
- ^ Anderman, Eric M.; Anderman, Lynley H. (2009). “Egocentrism”. Psychology of Classroom Learning: An Encyclopedia 1: 355–357 .
- ^ Young 2011, p. 134.
- ^ Oxford Lexico, selfishness。日本人は「自己中心」という言葉を英語のselfishnessと同じ意味で使っている。英語版ウィキペディアのen:selfishnessに相当する日本語記事が立てられていないのは、ほかでもないこの「自己中心」という言葉がselfishnessの意味に相当して、他に記事を立てようがないからである。
- ^ Wikitionaryも参照可[1]。古くからある日本語の「わがまま」は、英語のselfishness相当の日本語でもあり、egocentrism相当の日本語でもある。日本語の感覚では、selfishnessとegocentrism両者には関連があると見えており、ひとつの言葉「わがまま」で呼んでいる。それが近年の若者言葉では「ジコチュー」に変化した、という面がある。
- ^ Onishi, K. H., Baillargeon, R. (2005). “Do 15-month-old infants understand false beliefs?”. Science 308 (5719): 255–258. doi:10.1126/science.1107621. PMC 3357322. PMID 15821091 .
- ^ a b Epley, Nicholas; Morewedge, Carey K; Keysar, Boaz (2004-11-01). “Perspective taking in children and adults: Equivalent egocentrism but differential correction”. Journal of Experimental Social Psychology 40 (6): 760–768. doi:10.1016/j.jesp.2004.02.002 .
- ^ Wimmer, H., Perner, J. (1983). “Beliefs about beliefs: Representation and constraining function of wrong beliefs in young children's understanding of deception”. Cognition 13 (1): 103–128. doi:10.1016/0010-0277(83)90004-5. PMID 6681741 .
- ^ Adams, G. R., Jones, R. M. (1982). “Adolescent egocentrism: Exploration into possible contributions of parent-child relations”. Journal of Youth and Adolescence 11 (1): 25–31. doi:10.1007/BF01537814. PMID 24310645.
- ^ Keysar, B., Barr, D. J., Balin, J. A., Brauner, J. S. (2000). “Taking perspective in conversation: The role of mutual knowledge in comprehension”. Psychological Science 11 (1): 32–38. doi:10.1111/1467-9280.00211. PMID 11228840.
- ^ Miles Hewstone,etc.,Psychology,BPS textbooks,2005,page190,19
- ^ 小学館の図鑑NEO 第13巻「人間 いのちの歴史」(ISBN 4-09-217213-3)、2006年、小学館、144頁
自己中心性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/22 14:28 UTC 版)
神経症的自己中心性は特に悩みに表れる。たいていは「自分一人だけが」悩んでいると思っている。さらに自分の陥っている悩みが最大の悩みと思っている。相手がニコニコしていると悩んでいないと思う。神経症者は「かたち」でしかものを考えおらず、表面的にしか物事を見ていない。自分が相談しようとしている相手はあるいは現在の自分よりももっと大変な問題を抱えているかもしれない等ということは想像すらしない。相手の感情を無視し、相手に個人としての人格を認めない。「私にとって大切なもの」が「他人にとって必ずしも大切なもの」ではないことが理解できない。誰にも不必要に自分の恥部を打ち明けて話をする人はたいてい自己中心的である。打ち明けることで相手からの同情や保護を求めているためである。
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