2年寅組の生徒
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/03 07:22 UTC 版)
小山 大器(こやま だいき) 小柄で童顔なイジメられっ子。気弱だが性格は優しい。見かけに反してかなりの巨根で、下半身を丸出しにされるなどの性的なイジメを受けることが多い。小山への虐めを着任早々に(偶然から)防いだことから、最初に福島に懐く。初期には他のクラスメイトのことを福島に教える役回りを担う。実家はラブホテルを経営している。また、後に福島を中心に友好関係になった七星を、仲間内で唯一ちゃんと覚えている。 移動教室後、神夜に惚れられ、付き合うようになる。 緋熊 五郎(ひぐま ごろう) 「寅組四天王」の一人。熊のような巨体かつ凶暴な性格で、他の不良達から恐れられる存在。顔に熊に引っ掻かれたような傷跡がある。強面。名前や見た目から「人喰いくまモン」「グリズリー」などと呼ばれる。番長的存在で配下の不良も多く、不良グループの1つを築いている。特に神夜と仲が悪く、決闘するのが日常茶飯事。その怖い見た目から家族からも避けられており、その疎外感からグレていた。 入学式の福島の不良達への宣戦布告とも言える挨拶を聞き、明白な敵意を見せる。いつものように神夜と教室で決闘した際に割って入った福島に助けられた上、「大事なもの」「家族」と諭されたために心を入れ替え、福島を慕うようになる(実際の福島は、お宝コレクションの警察手帳を守ろうとしていただけだった)。なるべく暴力を控え、学校生活も充実して満足するようになった結果、家族との関係も改善し、ますます福島を恩人として感謝する。 義志沢 月人(よしざわ げっと) 「寅組四天王」の一人。長身に鍛えられた細身のイケメン。言動は穏やかだが、喧嘩慣れしており、トンファーを常備し、ペットボトルに入れたガソリンを持ち込むなど、やることは過激。イジメを許さないとして、イジメをする側に積極的に暴力を加えるが、やりすぎるため問題児扱いされている。小山をナントカ山と呼んで軽んじているようで、実は小山に目を掛けており守ろうとしている(小山はそのことを知らない)。 実は小学校の時は小柄かつひ弱で、いじめられっ子であった。特に全裸にされて焼却炉にゴミとして閉じ込められるという過去があり、その時に助けてくれたのが、同じいじめられっ子であった小山であった(そのため、特に小山を守ろうとする)。その後、転校し、中学で急成長する。そのような過去からイジメを強く憎む。 新入生歓迎会において、持ち込んだガソリンのせいで旧校舎が火事となり、小山が巻き込まれてしまう。小山を助け出したものの、自分が焼け落ちた瓦礫の下敷きとなってしまい身動きが取れなくなり、死を覚悟する。そこに福島が現れて難なく瓦礫をどかして助け出した上、上記の身の上話を涙を流しながら共感してくれたために、福島を慕い、さらに異性として好きになる(実際の福島は、落とした「警察手帳」を助け出そうと行動しており、月人の過去に共感したのは、自分も学生時代に同様のイジメを受けたからであった)。 神夜 晶(かみや あきら) 「寅組四天王」の一人。前髪ぱっつんのセミロングの見かけは華奢な美少女。左手は義手で常に黒いグローブをしており、またナイフが仕込まれている(福島から「リアル百鬼丸」と呼ばれている)。性格は男勝りで、些細なことでもすぐにナイフを持ち出し、暴力沙汰に及ぶ。ナイフは異常によく斬れ、一瞬にして相手の頭を刈り上げるなど、戦闘技術も高い。緋熊、月人が次々と福島に籠絡されていく中で、後述の経緯から大人は信用できず、福島もしょせんは偽善者だと決めつけ、反発を続ける。 凶暴な父・神夜力から、幼少より「しつけ」と称する虐待を受けてきた(左手もキレた父に熱湯をかけられたことによるもの)。母もDVを受けており、母を守るためにも父には強い反抗心があるが、その暴力によって母と共に精神的に支配されてしまっており抵抗ができない。父から逃れたいと願っているが、結局、父の凶暴さに周りの大人たちが見てみぬ振りをするために、大人を信じられなくなっていた。 移動教室の集金のため福島が家庭訪問するエピソードにおいて、福島が父と戦うこととなる。武術の達人である父には福島でも勝てないと思い逃げるように言うが、覚醒した福島は赤子の手を撚るように父を倒し、さらに離婚届にも捺印させ、父から母と共に解放される。偽善者と判断していた自分を恥じて福島に感謝し、以降、慕うようになる。 移動教室の出来事を通して小山に惚れて告白し、付き合うようになる。 祥子(しょうこ) 寅組の生徒で神夜と仲が良い。本人の発言によると親とは何かしらの確執がある模様。月人を助けた福島を見て大人に対する考えを改めるようになり、神夜に「大人を信じてみたい」と口にしていた。 その後も目立ったエピソードはなかったものの移動教室編では福島や男子生徒、神夜達と共にババ抜きに興じるなど彼らとの関係は良好になった模様。 山田花子(やまだ はなこ) 寅組の生徒で校長と同じく落書きのような描かれ方で埴輪のような容姿をしており、プロフィールも埴輪関連のものが多い。福島からは普通の生徒だと思われていたが、実は暴力団組長の娘で父親も落書きのような描かれ方をしている(たまに鬼のような形相になる)が、小指がない。また、父親は大金を持ちながら200円のお釣りを要求するなど意外とケチな一面もある。 黄龍 力生(きりゅう りきお) 暴力団「黄龍組」の組長の息子を名乗る青年。目つきが鋭く凶悪な面構えをしており、肩から腕にかけた派手な入れ墨が特徴。「父親がヤクザ」を背景にした恐怖で、不良グループの1つを形成・支配しており、配下の樋口や大友をイジメて遊ぶなどしている。 実は普通の一般家庭の出で、暴力より勉強が得意な優等生。体操(鞍馬)が得意。諸事情で第一志望の進学校を落ち、帝辺高校に入学してしまう。そこでイジメられないため、苗字が同じ組のヤクザの息子を名乗り、入れ墨もシールであった。あくまでイジメられないための方便であったが、不良グループのリーダーとしてイジメを行う時の暗い喜びは感じていた。 移動教室編で登場し、福島を慕う緋熊や月人ら不良と対立する。その後、自宅に対する強盗事件で偶然居合わせた福島と共に事件を解決する活躍をしたことでテレビの取材を受け、学校に正体がバレてしまう。樋口と大友を中心に逆に今までの報復を受けて1週間で自殺に追い込まれるも、福島に助けられる。その際の福島の叱咤に奮起して、ケジメをつけるとしてスキンヘッドとなり(さらに凶相になる)、覚悟を決める。樋口や大友のせいで、2人と共に本物の黄龍組に事務所に監禁されても度胸を見せ、樋口や大友と和解する。その後、実は叔父が組長と判明し(面識はあったが迷惑をかけないため、力生には建設会社の社長と名乗っていた)、まんざら嘘でも無かった。 樋口と大友(ひぐち、おおとも) 黄龍の不良グループに所属する不良少年。同グループの最下位で、黄龍から悪質なイジメを受けている(正確には黄龍の対象にはならないよう他のメンバー2人にイジられるパターンの方が多かった)。移動教室編の後半で登場し、コメディリリーフ的な役割を務める。上を目指しているが、しょせんは程度の低いチンピラに過ぎず、最終的には自分らに適した立場というものを自覚する。 移動教室編の後半で登場し、度重なる黄龍のイジメに耐えかね、神夜のナイフを盗んで彼女の仕業と見せかけて殺そうとまで企む(結局は2人に度胸がないことや、風呂場で神夜を覗こうとしてバレて悲惨な目に遭わされる)。ところが、次編で黄龍が実は組長の息子でないと判明すると、一転して報復を開始し、自殺に追い込もうとする(黄龍に全裸で鞍馬をやらせ、それを好いている相手に見せるなど)。その後、本物の黄龍組の車を傷つけてしまい、黄龍と共に3人で組事務所に拉致されてしまう。殺されると怯える中で堂々とした黄龍の態度に感心し、加えて実は組長は黄龍の叔父だったことなどが判明したことから、黄龍と和解して以降は友人のような関係になっている。 七星 心美(ななほし ここみ) 化粧による変装が得意な少女。盾野のグループの一員で「クイーン」の称号を与えられている。普段は意図して地味めのメイクにしているため、福島だけではなく他の同級生からもあまり印象が残らない。クイーンとして行動する時には目の大きなギャル風であるが、その素顔は非常にのっぺりとした地味な顔立ちで(とはいえブサイクではない)、コンプレックスの1つとなっている。 母子家庭に育ち、幼少より新体操の選手となる英才教育を受けていた(他にも少林寺拳法などの習い事をしており高い適性を示す)。才能はあったが、その地味顔により審査員の印象に残らないせいで大会でも順位は上がらず、失望した母から虐待されるようになってしまう。特に、その際の事故で大怪我を負い、もはや新体操に戻る道も絶たれる。グレて好いている男に身体を捧げるが、それも上記の顔立ちの問題で悲観し自殺しようとしたところを盾野に救われ、彼に精神的に依存しつつも「クイーン」として、得意の変装と身体の能力で「カワハギ」の標的たちを破滅させてきた。 盾野の命令によって福島に対して「カワハギ」を行う。ブス専(しかも連続殺人鬼)にデリヘルとして送る、インチキカルト教団のセミナーに送るなどしたが、ことごとく失敗する。盾野に見捨てられることに怯え、最終手段として神夜に化けて緋熊と月人を黒人の不良集団に襲わせ、福島が黒幕であるかのように工作するが、福島を信頼しきっている緋熊と月人には効かなかった。結局、盾野に見捨てられて絶望する中、福島に自分語りを始め、福島の反応を勘違いしてそのまま慕うようになる(福島自身としては七星という名前すらよく覚えていない)。また、あるがままの自分というところで上記のコンプレックスを克服し、母とも和解する。 盾野 龍一(たての りゅういち) 「寅組四天王」の一人。メガネを掛けたインテリ風の美青年。見た目通り、かなり頭がキレる。外形的には学校の暴力沙汰とは無縁な生活を送っているが、プライベートでは金持ちであることや外見からモテてており、女癖が悪い。後述する出自から他人(特に教師)を信じておらず、自らを「キング」としてチェス駒に見立てた自らのグループによって標的の本性を暴く「カワハギ」と呼ぶゲームを行い、今までの寅組の教師達を破滅させてきた。盾野が主題になるのは物語の終盤であるが、初期から武良と話し合うシーンが多く、月人や黄龍に対する人物評など的を射ていることが多い。 世間から悪徳政治家とみなされている大物政治家・黒原剛造の息子。将来を期待され(同時に父を非常に恐れ)、優等生として振る舞っていたが、中学1年の時に父への反抗心から吸ってみたタバコによって学校で火事が起こる。慕っていた熱血教師の野々村が父から大金を渡されて、罪を被って教師を辞めたことから人を汚いモノとして信用できなくなる。また、父・黒原の政敵や秘書が自殺したり行方不明になっていることも、父が命令して殺しているという妄想に繋がり、極度の人間不信によって他者が血まみれの死体になっている幻覚症状などがフラッシュバックするようになる。 同級生が次々と福島を慕って行く中、満を持して行動を起こす。まずは、クイーンこと七星を尖兵として「カワハギ」を行うが、ことごとく失敗する。七星を見限ると、残りのメンバーらと共に直接福島の自宅に乗り込み、福島が小山と肉体関係にあると勘違いして行動し、やはり失敗する(この時に自分以外のメンバーが全員神夜にやられてしまう)。最終的に武良のアドバイスで父の邸宅に招いて、かつての野々村のように賄賂を受け取らせて本性を暴こうとするが、福島自身が事態を理解できていないこと(有名な政治家である黒原を知らない)や、指輪の効果によって目論見が外れてしまう。加えて黒原を狙った暗殺者が現れ危機に陥る中、指輪に操られた福島が暗殺者を倒し、さらに野々村の真相を教えたことで悔い改めて改心する。また、互いに誤解しあっていた父親とも打ち解ける。 武良 広海(むら ひろみ) オールバックをカチューシャで止めたガタイの良い青年。非常に冷静で頭のキレる性格で、傷だらけの鍛え上げられた肉体を持つ。物語序盤から登場し、盾野と会話しているシーンが多い。盾野と同様に福島や同級生たちの本来の性格という点では的を射た発言が多く、さらに盾野より一歩進んだ見解を示すことが多い。終始、福島を怪しむ言動を見せるものの、結局、自らが行動することはなく、物語は終わる。最終話での福島のFA先にも全く同じような容姿の人物がいたが関連性は不明。 『シバトラ』にも同名で同じ容姿の人物が出ているが、関連性は不明。
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