2年後の世界
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 09:22 UTC 版)
「獣獄刹」閉幕から2年後、財界の発言権を手に入れた石田財閥と協力関係となった八菱財閥の援助を受けた管理局主導の下、公にされなかった「獣人」や「牙闘」の存在が公表され、新政令「獣化法」によって獣人に関する規制緩和が実施され、獣化手術も合法化された社会が形成されようとしていた。中でも、東京島湾内の人工島に新しく設置された特別自治区「政令指定獣人解放特別区域」(通称「獣人特区」)では、獣化した状態の人間と獣化しない一般人が平等で街中を歩いている光景が日常的となっており、かつて非合法な賭け試合でしかなかった「牙闘」も、「獣化法」による厳しい取り締まりによって競技者精神に則った世界的エンターテインメントスポーツとして様変わりしていた。そんな街に「牙闘」での優勝を夢見る15歳の少女・戌井純が訪れた。純は正式な獣闘士として認定されるための「試闘(オーディション)」で、不良女子高生の「牙魔猫(タスマニアデビル)」・黒居佑を相手に「媚戌(ビーグル)」に獣化して初めての実践試合に臨む。試合は互いに一歩も譲らない好戦闘を展開するが、1人の出資者の若者が立ち入り禁止のフェンスを越えてまで純にアドバイスをしたことが原因で2人は失格退場処分となってしまう。 無効試合の原因として警備員に取り押さえられた若者は石田財閥会長夫人の尊聖羅が「自身の身内」だと説得したことで解放されたが、その若者はなんと2年前に獣闘士「蜜獾」・宇崎瞳に殺害されたはずの野本裕也だった。参加資格を失って「獣人特区」を当て所無く歩く純は「牙闘」管理局員を名乗る獣闘士「雨蛙(フロッグ)」に言い包められて性的犯罪に遭いそうになるも、「純を探してくれたら2人に出資する」という野本の条件に乗った佑に助けられる。野本が出資者兼保証人となったおかげで獣闘士に認定され、区立学校に入学した純はそこで折り紙付きの不良として名が知れていた佑と再会する。 「試闘」や「雨蛙」の件で何かしらの運命を悟った純を佑は突っぱねる中、ふとしたことで同学校の社会科教師である獣闘士「麒麟(ジラフ)」との牙闘に発展。学校の一部を破壊するまでになる中、闘いの匂いを嗅ぎつけてきた「蜜獾」・宇崎瞳が介入してきたため、「麒麟」が敗けを宣言して戦闘は終了となったが、「蜜獾」の存在は純と佑は自分たちの実力差をまざまざと知らされることとなる。「麒麟」との一件の夜、佑の紹介で非公式の「牙闘」が行われている獣人特区番外地「金網通り」に連れられた純は、2年前の「獣獄刹」で優勝したことで様々な噂話が広まって「蜜獾」「獅子」以上の影の実力者という尾ひれが付いてしまった獣闘士「兎」・稲葉初と対面する。 初がボスとして管理する「忍陣畠(キャロットフィールド)」で佑が獣闘士「犀(ライノ)」との戦闘の最中に2人の不在を知った野本がやってきたことで、野本と初が思わぬ再会を果たすこととなった。初の事情を知った野本は管理局に密告しない条件として純を大ベテランの獣闘士「狼(ウルフ)」と闘わせるという試合カードを組まれ、「狼」の圧倒的な実力に窮地に立つも野本の犬笛を使った戦略で辛くも勝利する。「忍陣畠」を見渡せる所で瞳と獣闘士「狩猟豹」・中西獲座は共に「媚戌」と「狼」の試合を観戦するが、2人はそこで観客に紛れて試合の様子を見ている死んだはずの野本を目撃。さらに野本と「媚戌」の犬笛による一糸乱れぬ連携を見せつけられた瞳は激しい怒りを覚えた。 翌日、学校に登校した純と佑は何時の間にか名前で呼び合うほどの仲になり、管理局の「試闘」部門の役員となった獣闘士「河馬」・岡島壱之助から「牙闘」の本大会予選の選出を発表され、純と佑、そして体力測定で体育に駄々をこねていた生徒・護藤ハイジが選出された。本大会予選出場が決まった日の夜、公園で純が野本の特訓を受ける中、瞳と野本は2年ぶりの再会をすることになった。殺意を隠そうともしない瞳に警戒する純だが、野本と瞳は互いの意志の齟齬を確認して牙闘での決着を誓うこととなる。様々な思惑が交差する中、「獣獄祭(デスティバル)」と冠された牙闘大会の第1次予選が開催されることとなる。
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