長野・松本地区
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エコー電車1987年4月 戸倉駅 N12編成コカ・コーラ広告電車1990年頃 初代長野色 2代目長野色 EF63形との推進運転1997年9月 JR東海乗入れのN13編成坂下 - 落合川 C1編成長野色快速「むさしの」代走運用 C1編成横須賀色 前面種別表示幕『普通』のバリエーション白地に黒文字のC12編成(上)青地に白文字のC3編成(上) 1977年に80系電車の置換えを目的に松本運転所に新製配置された。その後大糸線の旧形国電も置換えられることになり、36両(McM'T'c、3両編成12本)は1981年より松本運転所北松本支所に配置された。 1983年からは短編成化のため電動車に運転台を取り付ける改造も行われ、クモハ115形1500番台として投入された。その際反対向きの制御車が不足するため、三鷹電車区の0番台編成から外されたサハ115形6両に運転台を設置し、クハ115形600番台として投入された。 1985年3月14日に北松本支所は松本運転所に統合され、中央本線・篠ノ井線・信越本線で運用される117両(3両編成39本)と大糸線で運用される31両(3両編成7本、増結ユニットMcM'5組)の計148両が配置された。 国鉄時代の1986年11月1日ダイヤ改正で、信越本線と篠ノ井線の一部運用を長野運転所(現・長野総合車両センター)に移管・転属となった。従来は松本運転所が長野鉄道管理局の全運用を担当していたが、ダイヤ改正後に伴う移管後は中央本線甲府以西・大糸線・篠ノ井線の運用を担当した。中央西線は分割民営化時にJR東海管轄となるため、松本運転所から3両編成7本が神領電車区に転出している。 クモハ115-1019+モハ114-1025+クハ115-1018の3両編成(後の長野総合車両センターN29編成)は、国鉄分割民営化直前の1987年3月にトイレ対向部を除きすべてロングシート化された。近郊形電車のロングシート化改造は後に首都圏でも行われたが、長野地区では寒冷地での冬期の暖房効果に難があるとして、2002年12月のリニューアル工事の際にセミクロスシートに戻されている。 国鉄時代の長野地区配置車両はすべて1000番台新造車で、他地区からの転入車は皆無である。1986年の配置後数度にわたり松本車両センターからの運用移管ならびに車両交換・転入を実施し、後述する訓練車のほか2・3両のN編成と6両貫通のC編成も配置されていた。 塗装はJR化後も広告塗装以外はしばらくの間湘南色であったが、1989年より白を基調に緑のラインを組み合わせた旧長野色へ変更した。1998年の長野オリンピック開催に合わせたイメージアップのため、1992年から新長野色(フォギーグレー+アルパインブルー+リフレッシュグリーン)への再変更が実施され、1997年までに完了した。 JR発足直後の1987年5月には、クモハ115-1020+モハ114-1027+クハ115-1019の3両編成(北長野運転所N12編成)がコカ・コーラの広告電車として登場した。車体は赤一色の塗装にコカ・コーラのロゴが貼られたものとなり、モハ114-1027車内には日本コカ・コーラ社製清涼飲料水自動販売機が設置された。1993年の契約終了後に従来塗装の旧長野色に復元され、自動販売機も撤去された。N12編成は1997年にしなの鉄道に譲渡後S11編成となり、しなの鉄道の企画として2018年から2020年までコカ・コーラ塗装を復刻して運転された。 1991年には長野配置の初代訓練車が落成した。編成はクモハ115-1+モヤ114-1(元・モハ114-801)+クハ115-611(元・サハ115-1)の湘南色非冷房3両編成で、モヤ114-1は元モハ114-801、クハ115-611は元サハ115-1である。 長野運転所では1997年の北陸新幹線長野開業以前は碓氷峠を越えて高崎までの運用が存在した。ATS-Pは1992年当時の長野配置編成には高崎駅構内での同装置の使用開始に伴い先に搭載されていたが、松本運転所配置車両でも2003年頃より順次すべての編成に搭載した。ATS-P設置前はATS-Psを搭載していた。 1997年の新幹線長野開業では信越本線篠ノ井 - 軽井沢間がしなの鉄道に移管され、ATS-Pを設置しない松本運転所配置車両の一部が一旦長野総合車両所(当時)に転属した上でしなの鉄道へ譲渡された。しなの鉄道線にもJR東日本の115系が乗り入れる運用が設定されており、しなの鉄道に譲渡された115系とは運用が分けられている。 1998年12月ダイヤ改正では大糸線でE127系100番台の営業運転が開始され、松本運転所の169系による中央本線・篠ノ井線の普通列車が長野総合車両所の115系に置き換えられた。これによりJR東海管内の中央西線塩尻 - 中津川間で115系の運用が復活している。長野 - 飯田間快速「みすず」で使用されていた長野総合車両所の169系4両編成もこの改正で115系に置き換えられている。 1998年度より長野支社管内の115系でリニューアル改造が開始され、1999年2月にクモハ115-1010ほか3両編成が初のリニューアル車として出場した。長野地区向けのリニューアル工事ではパンタグラフのシングルアーム式PS35形への交換、ドア横座席端に風除け用透明仕切り板を設置する工事が施工されている。リニューアル工事は約半数の車両に施工された。 2000年12月に中央本線・大糸線・篠ノ井線関係の運用を長野総合車両所に移管し、豊田電車区が担当していた中央本線小淵沢以西の長野支社管内運用が松本運転所に移管されることになった。これにより豊田区から転入した基本番台・300番台初期車が主体の6両固定または3両編成2本による6両のB編成が組成された。従来松本運転所に所属していた1000番台2両編成・3両編成は長野総合車両所へ移管された。 豊田電車区115系の転入から間もなくして、東北・高崎線へのE231系投入で余剰となった小山電車区の300番台後期・1000番台車が松本運転所に転入してC編成となり、従来のB編成が置換えられた。3両編成のB編成のうちB36・B35編成は伊豆急行に譲渡され同社の200系となった。伊豆急行へは115系0番台から合計3両編成6本が譲渡されたほか、2002年からは300番台3両編成3本が追加譲渡されている。300番台6両貫通編成1本は2002年に豊田電車区へ再転出してM40編成となった。 小山電車区から転入したC編成はC1 - C14編成の6両貫通編成14本で、編成両端ともクハ115形である。大半が小山電車区または新前橋電車区へ新製配置された冷房車であるが、伯備線電化用として岡山電車区に新製配置されたのち関東に転用された車両、松本・北松本に新製配置されたのち他地区に転用されて松本へ戻った車両が存在する。パンタグラフは松本転入時にシングルアーム化、運行番号表示器は松本転入以前に一部の車両でLED化されていた。首都圏の列車無線デジタル化に伴う新型無線機搭載工事が全編成に施工されている。 C編成は1000番台車中心であるが、C5・6・9編成の全車とC13編成の長野方MM'ユニット1組は300番台車であった。C5編成のクハ115-443・496・モハ115-417+モハ114-443とC13編成の長野方電動車ユニットは300番台最終製造ロットで、内装は荷棚棒・蹴込板がステンレスとなっている。C9・10編成は新製時の7両編成からサハのみを抜いた6両編成、C1・C2編成は小山時代の既存のサハ以外は同一の6両編成で組成変更がなかった。C5 - 11編成は松本転入と同時期にリニューアル工事が施工された。 C18編成の立川方先頭車は先頭車化改造車のクハ115-1512で、種車は1000番台で唯一三鷹電車区に新製投入された4両の中の1両であるサハ115-1027である。同車は1984年の中央東線短編成化で三鷹から新前橋へ、1986年に再び三鷹へ戻ったのち小山、松本へと転用された経歴を持つ。塗装も横須賀色→湘南色→2代目長野色と変更されている。またC8編成の長野方3両はAU720形冷房装置を搭載していたが、2013年現在ではAU75型に再換装された。 C12編成の上り方先頭クハ115-1104とC14編成の下り方先頭クハ115-1093では、前面種別表示幕の「普通」表示が白地に黒文字となっていた。C12編成の下り方先頭クハ115-1065は長野所属車で唯一転落防止幌を新前橋区所属時代に設置されており、転入時は他にも設置車両が存在したが撤去された。 300番台編成のクモハ115-326+モハ114-362+クハ115-392は、2代目の訓練車N00編成となった。塗装は横須賀色で、松本に転入した元豊田所属の電動車ユニットと元小山所属のクハで組成された。初代訓練車は2002年に老朽廃車となった。 2007年1月にN55編成のクモハ115-1073+クモハ114-1513が余剰廃車となった。この廃車で発生したスノープラウ付きのDT21B台車枠は、高崎車両センター所属クモヤ145-107へのスノープラウ装着改造用として流用された。 2007年1月には、N15編成のクモハ115-1074+モハ114-1180+クハ115-1222が長野総合車両センター3代目訓練車に転用された。塗装は湘南色に変更した上で、乗務員室後部仕切の一部撤去・訓練用防護無線ならびに車両用信号炎管の追加・一部席への机の設置・家庭用コンセント配線設置などの改造を施工した。3代目落成により2代目訓練車は廃車となった。 松本車両センターの115系は、2007年3月18日に長野総合車両センターに運用移管されることになり全車転出したため、配置がなくなった。長野総合車両センターの115系は長野地区全域・中央東線用3両編成がN編成、大糸線・篠ノ井線が主体の2両編成が同じくN編成、中央東線用の6両貫通編成がC編成に区分された。N編成の編成番号札の色はN1 - 14・16編成が緑色でN21 - 33編成が桃色、N51 - 54・56 - 58編成が黄色となっていた。C編成は松本時代と変化なく6両編成14本が転入した。 N編成はクモハ115形+クモハ114形で組成される2両編成とクモハ115形+モハ114形+クハ115形で組成される3両編成が存在した。2両編成はN51 - 58の8組16両が大糸線・篠ノ井線運用を主体に運用された。3両編成のうちN1 - 14・16編成はしなの鉄道線ならびにJR東海乗入対策施工車で、JR東海ATS-STに対応する速度照査機能付加のATS-SN●と対応方向幕を装備搭載する。1000番台の中間車側貫通扉は通常はステンレス無塗装であるが、N7編成のクモハ115-1070では300番台以前と同様の鋼製のものに交換されている。N21 - 33編成はJR東日本管内専従で運用された。 3両編成は中央本線甲府 - 松本 - 塩尻(辰野支線も含む)・篠ノ井線・信越本線篠ノ井 - 直江津 - 柿崎・大糸線松本 - 信濃大町のほか、しなの鉄道篠ノ井 - 小諸・JR東海区間の飯田線辰野 - 飯田・中央本線塩尻 - 中津川への乗入れ運用に充当された。臨時列車では諏訪湖祭湖上花火大会に伴う増発、2008年・2009年4月の「高遠さくらまつり号」、2008年2月23日の「スワいち号」、2008年6月6日 - 8日の「木曽漆器まつり号」、2009年の「ほろよい上諏訪街道号」での運転実績がある。 C編成の定期運用は立川 - 松本ローカル列車専従で充当された。その他は出入庫を兼ねた松本 - 長野1往復・篠ノ井線松本→明科区間列車のみのため松本・小淵沢・甲府・大月・高尾・豊田で夜間滞泊が続くのが特徴であった。代走や臨時列車としては大糸線代走運用、豊田車両センターM40編成検査・故障時の快速「むさしの」代走運用、「ひまわり号」へ投入された実績がある。 N編成の2両編成で残存したN51- 54・56 - 58編成は、2013年3月16日ダイヤ改正でしなの鉄道での運用に転用され、同年6月1日付でしなの鉄道へ譲渡された。 211系の転入により置換えが進められ、2014年3月15日ダイヤ改正でJR東海区間への運用を終了した。N編成はN27編成が新潟車両センターへ転出したため同年4月時点でN1 - 14・16・21 - 26・28 - 33の27編成が在籍したが、同年度上半期中にN8・22・23・26・28・30・31編成は廃車、N3・6・11・14・25編成は新潟車両センターへ転出した。 C1編成は2014年3月25日に信州色から横須賀色へ塗装変更され、翌26日から運用に復帰した。N9編成は2014年3月に湘南色へ塗装変更された。 211系の転入により、N編成の3両編成は2015年3月14日改正で定期運用を終了した。JR東日本115系のしなの鉄道乗り入れもこの改正で廃止となった。N1・7・12・13・21編成は北陸新幹線金沢延伸開業に伴う並行在来線区間の信越本線長野 - 直江津間第三セクター化に伴いしなの鉄道へ譲渡、N2・4・5・10・16・24・29・32・33編成は廃車された。 6両編成のC編成は2014年4月時点ではC1 - 14の14編成が在籍したが、211系の転入により置換えが進められ、N編成に続き2015年10月28日に定期運用を終了した。C3編成は2015年に新潟車両センターへ転出してL99編成となったが、それ以外の編成は2014年度上半期にC2・4・5編成、2014年度下半期にC6 - 11編成、2015年度上半期にC12・13編成 C14編成のクハ115-1106を除く5両、2015年10月にクハ115-1106が廃車となった。 営業用として最後まで残った長野総合車両センターの115系は、湘南色復刻車のN9編成と横須賀色復刻車のC1編成であった。長野総合車両センターの115系の営業運転は、2015年11月22日に運転された団体臨時列車「中央本線開業110周年記念〜ありがとう115系C1編成」を最後に終了となった。C1編成は2015年11月25日に廃車、N9編成は同年12月17日付で新潟車両センターへ転出した。 訓練車のN15編成は営業用車消滅後も残っていた最後の長野地区115系車両となっていたが、2019年10月15日付で廃車となった。これにより長野総合車両センター所属の長野・松本地区用115系はすべて消滅した。
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