登場する化け物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/16 17:08 UTC 版)
吸血鬼(きゅうけつき) 吸血鬼ウイルスに感染した人間を指す。犬歯が牙のように鋭くなり、視力が衰える代わりに嗅覚が発達する。特に人間の血の匂いに敏感になり、興奮すると白目が赤黒い三白眼になる。血を得るために人間を襲い、嚙むことで血を吸うと同時に牙から強力な麻酔を出す。嚙まれた者は麻酔の効果により身体が痺れ動けなくなり、場合によっては排尿したり性的快楽を得る。唾液にも少なからず麻酔の効果があり、舐められると少し痺れる。人間の血を吸う事で新陳代謝を永続させることができ、老化しない上にこの世の全てのウイルスに感染しない。力は人間の3倍ほどあり、人間であれば致命傷となるほどのダメージを受けても死ぬことはない。ただし不死ではなく、頭を斬り落とされたり潰されると死亡する。作中初期では興奮すると髪の毛が白くなる、満月の夜は気分が高揚しすぎて血を吸わなくなるなどの特徴があった。彼岸島に住む吸血鬼は一般的に雅に従っており、そのほとんどが編み笠にほっかむりを着用している。人間だけではなく、犬や熊などの動物の吸血鬼も存在する。 飲食や生活習慣は人間のそれと変わらないが、定期的に血を接種していなければ喉が渇き血を欲するようになる。長い間血を接種しなかった場合、後述の邪鬼や亡者になってしまう。そのため人間の血は食料ではなく、邪鬼や亡者に変態しないための薬として接種しているが、人間ごと食べたり後述の吸血椅子や血樽を利用するなど接種の仕方にも彼らなりの娯楽が存在する。 元々は人間であるものの、ほとんどが人間を見下している。特に【48日後…】では人間を娯楽目的で殺したり、奴隷や家畜のように扱う様子が見られる。ただし、中には心優しい者もおり、牙の有無以外は人間と変わらない者もいる。さらに、特定の人間と関わるうちに情が移り、人間の味方をした者(例:隊長、月島奈々)もいる。 吸血鬼ウイルスは空気感染することは無いが、吸血鬼の血が粘膜・傷口など体内に侵入してしまうと感染してしまう。感染の仕方にも個人差があり、上記の特徴のほかに身体が巨大化した者(例:石田権蔵)や感染しても身体に変化が出たのみで吸血鬼化しなかった者(例:鮫島兄弟)もいる。特に後者は吸血鬼化しなくともあくまで感染者であるため、吸血鬼の血を飲んでも吸血鬼化せず噛まれたとしても麻酔の効果を受けない。また、死体に吸血鬼の血をかけても吸血鬼化するが、その場合は唸り声のようなものを発し、さながらゾンビのようになる。吸血鬼の血を吸血鬼が接種することは昔からタブーとされており、ほとんどの場合は体が耐えられずに破裂してしまう。しかし極稀に耐え抜く者がおり、後述の混血種(アマルガム)になる。 もともと吸血鬼化は感染するものではなく、古来から彼岸島に住むある一族にのみ発症する遺伝病であった。吸血鬼化が発症するタイミングに個人差があり、発症した時点で老化しないため、老けた見た目ほど年上とは限らなかった。さらに人間を襲うことはなく、畑仕事を手伝うなど共存関係にあった。むしろ彼らを神聖視し、神事の際には人間の方から血を差し出していた。しかし、太平洋戦争中に五十嵐が雅に施した人体実験により、伝染性を持つ吸血鬼ウイルスが誕生した。 ドラマでは、「頭を潰さなくとも、肺に穴を開け窒息させれば死亡する」「死ぬと、感染は解けて死体自体は元の人間に戻る」等と大幅な設定変更されている。 邪鬼(オニ) 長い間血を接種しなかった吸血鬼が変化した姿。理性を持たず、人間・吸血鬼の区別なく視界に入った生物を本能のままに襲う。姿形に様々なバリエーションが存在し、大きく分けて同種が複数存在する一般種と、他に類を見ない固有種が存在する。一般種は邪鬼になる前の原型が全く無いが、固有種の中には邪鬼になる前の顔の面影がある者(例:糞食い爺)や邪鬼になる前の体の一部がそのまま残っている者(例:師匠(邪鬼)、ユキ(邪鬼))もいる。特に体の一部がそのまま残っている者は意識も残っており、会話が出来る者もいる。 個体差こそあるものの、総じて一般の吸血鬼よりはるかに強い怪力や生命力を持つ。吸血鬼と同じく首を完全に切断されると死亡するが、固有種の中には切断されてもしばらく動き続ける者や首を切断しても再生する者(首とは別に弱点がある者)もいる。そのため、明達も余程の理由がない限りは積極的に戦わず、隙を見てやり過ごしたり邪鬼の力を状況打開のために利用することがある。また、雅と邪鬼使いのみ邪鬼を操ることが出来る。 【最後の47日間】では、邪鬼の細胞維持には特殊な湧き水が必要である事が明かされ、これが接種出来なければ数年で細胞崩壊を起こしてしまう。 以下に挙げるのは一般種のみ。固有種については彼岸島の登場人物を参照。通常型(変態中) 邪鬼になりかけの状態。顔から大量に眼球が出現し、皮膚がちぎれ徐々に体が黒ずんで行く。邪鬼になりかけではあるが、丸太を握りつぶすなど尋常でない怪力を発揮する。 痩身型 身長:4m5cm 体重:750kg 必殺技:特筆するものはない 作中最初に登場し、以降も集団で登場するなど作中最も多く確認されている邪鬼。大きな頭部に筋肉が剥き出しの長い手足を持つ。四つん這いで移動するが、バランス感覚に優れているようで、天井にぶら下がったり決壊寸前の吊り橋をロープだけで渡ったりできる。明曰くサカナ野郎。 石頭型 身長:5m10cm 体重:1t 必殺技:硬い体表を活かした頭突き 頭皮が異様に硬く、頭突きだけで吸血鬼の身体を貫通できる。真皮が剥き出しなので、血管が剥き出しになっている。篤曰くデブの化け物。 魚人型 身長:23m 体重:4t 秋刀魚に似た顔を持つ巨大な邪鬼。彼岸島の周りを取り囲むように配置され、島に勝手に出入りする者を殺害、もしくは捕獲する。追跡時にはバタフライで泳ぐ。 【48日後…】では、雅が彼岸島から離れたため、同じく本土に移動した模様。 百目型 身長:14m50cm 体重:2.6t 全身に目があり尻尾もある邪鬼。岩を容易に抉るほど鋭い爪を持つ。正面から見ると歯並びが悪く顔が横長く見える。傷付けられても身体中の目を傷口に移動させ、瞬時に回復する能力を備えている。 主に炭鉱にいる吸血鬼がこの姿になる。変態の仕方が特殊であり、条件を満たすと突如激痛と共に身体中から糸を噴き出す。やがて繭になって数年間眠り、繭から孵化する。繭がかえる直前には黒い斑点模様ができる。 炭鉱の吸血鬼には神として崇められており、彼らを描いた壁画や生贄を祀る祭壇が存在する。 邪鬼使い(オニつかい) 邪鬼を操る者を指す。誰でも邪鬼使いになれるわけではなく、血縁者、親友、恋人など操る邪鬼と深い関わりを持つ者がなれる。そのため、吸血鬼だけでなく人間も邪鬼使いになれる。 邪鬼使い一人につき、操れる邪鬼は一体だけであり、操るには邪鬼の状況を常に把握しなければならない。逆に言えば、「邪鬼が制御の取れた動きをしている」=「邪鬼使いが近くにいる」ということになるため、作中では状況打開のため先に邪鬼使いを探し出して始末することがある。 邪鬼を制御できるという点で非常に強力な存在であり、事実田中ナオトは人間でありながら吸血鬼の集落の責任者となり、西山も雅を騙りこの力を披露することで大阪を支配することが出来た。 亡者(もうじゃ) 身長:200cm〜 体重:120kg〜 必殺技:分裂または、それを投げる 長い間血を接種しなかった吸血鬼が変化したもう一つの姿。篤曰く邪鬼の成り損ないであり、邪鬼に適合できなかった者がこの姿になる。 全身から悲しそうな顔をした頭がいくつも生えており、膿を噴き出しながら無限増殖する。その醜悪な姿に加えて強烈な悪臭を放つことから、吸血鬼たちからも忌み嫌われており、普段は集団で森の中などで虫や小動物を食べながらひっそりと過ごす。非常に寂しがり屋の性質を持ち、獲物を見つけると口から大量の手を出して捕えようとする。更に集団で身を寄せ合い、亡者同士で合体することもある。 邪鬼とは違い、幾分かの記憶や感情を残している。さらに亡者になって間もない者は意識も残っており会話も出来るが、時間と共にそれらも失われていくようである。 動きは鈍いが驚異的な生命力を持ち、刀で斬り刻んでもそこからまた増殖する(破片からも増殖する)。そのため、完全に殺すには丸太等で打撃攻撃を与え、火で燃やすのが唯一の方法である。 混血種(アマルガム) 他の吸血鬼の血液を体内に取り込み、生き延びた吸血鬼。当初は注射器で体内に注入していたが、【48日後…】では飲用して摂取している描写がある。 破裂死せずに混血種(アマルガム)になる確率は1%にも満たず、生き延びたとしても身体の一部もしくは全身が異形化する場合がほとんどである。ただし、一度成功すれば以降は同じ吸血鬼や邪鬼の血肉を摂取しても影響は出なくなる(雅は同族を食い殺すことで更に力を得ているような描写があるが、師匠や姑獲鳥は描写なし)。 総じて一般の吸血鬼はおろか邪鬼よりもはるかに高い身体能力や生命力を持ち合わせており、自重より遥かに重い武器を軽々と振り回す超怪力の他、筋肉を引き締める事による硬質化、幻覚を見せる事ができる神経ガスの生成など、非科学的な特殊能力を持つ者もいる。 作中に登場する化け物の中でも非常に個体が少なく、【無印】、【最後の47日間】で登場したのは、雅、師匠、斧神、金剛、まり子の5体のみ。【48日後…】では更に雅の息子の5体やバサバサ様など複数登場する。 変異種(へんいしゅ) 【48日後…】に登場。蟲の王の能力で人間や吸血鬼が変異した姿。蟲の王の為だけに生きている様な生態をしており、ほとんどは思考を持たず本能のまま行動する。 蟲の王の体から放出される羽の生えたムカデのような生き物が人間や吸血鬼の体内に入ると、変異種になる。体内に入る前に引っこ抜けば変異種化は免れるが、身体に何かしらの異常が出る。 蟲の王が死ぬと変異種化が解け元の姿に戻るが、蟲の王の片割れまで倒さなければ全部は戻らない。噛み付き爆弾型 口と耳のある球体の体から足が生えた姿をしている。地面に埋まっていて、獲物が通ると噛み付きそのまま自爆する。 国会議事堂の敷地内には地雷のように大量に埋まっている。 保存容器型 ツボから足が生えたような姿をしている。人間や吸血鬼などを捕え、ある程度たまるとアジトの天井に張り付き足も取れて無くなり、完全な置物と化す。捕えられた獲物はゆっくりと溶かされ、最終的に蟲の王の食料となる。 触手型 大量の触手をぶら下げたアメーバのような姿をしている。アジトの天井に触手をたらしながら張り付き、触れた者を捕らえる。 カマキリ型 4本の腕に背中や胸に大量の乳房がついた巨大なカマキリのような姿をしている。4本の腕には鎌が付いており、切れ味の鋭い上に銃弾を通さないほど硬い。追いつめられると甲高い声を出し、噛み付き爆弾型を呼び寄せる。 アジトの一室に大量に生息しており、そこに向かった自衛隊が消息不明になったことから、この一室が「あかずの間」と呼ばれていた。 巨人型 胸に複数の目玉が埋まった巨大な人形のような姿をしている。蟲の王が居る部屋に左右に並ぶように立っており、長い棒のようなものを持っている。身体は銃弾を通さないほど硬いが目玉は柔らかく、潰した目玉の中に手榴弾を投げ込むと倒すことが出来る。 バッタ型 巨大なバッタのような姿をしている。見た目こそ巨大なバッタだが、獲物を捕食する際は体の下から縦に大きく広がる口を開く。蟲の王の体内に大量に生息しており、保存容器型で捕らえた獲物を食べている。ある程度食べるとお尻から羽の生えたムカデを放出する。 耐ミサイル型 ツボから複数の手足が生えたような姿をした邪鬼。ミサイルを飲み込み、体内で爆発させる。 作中では最初は「邪鬼」と説明されていたが、後に拷問野郎が生み出した変異種であることが判明する。また、登場している変異種の中では唯一蟲の王の作品ではない。 血の楽園に多数配置されており、国連の空爆を無効化するため血の楽園の安全を保障している。 霊鬼(れいき) ゲームオリジナルの吸血鬼。原作に登場したガタイが大きい吸血鬼に相当する。ゲーム中ではユキを捕まえ、彼女を救出する為に明はポンの拳銃で戦う事になる。
※この「登場する化け物」の解説は、「彼岸島」の解説の一部です。
「登場する化け物」を含む「彼岸島」の記事については、「彼岸島」の概要を参照ください。
- 登場する化け物のページへのリンク