雅の息子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 17:18 UTC 版)
【48日後…】から登場。東京で雅が数万人の吸血鬼に吸血鬼の血を飲ませた結果、数百体のアマルガムが誕生し、その数百体に殺し合いを行わせたことで生き残った5体のアマルガム。そのため雅の息子というのは通称で、雅の血のつながった子供ではない。強い順に長男から五男まで「男性の息子」の呼び方をされランク付けがされている。 姑獲鳥(うぶめ) 雅の息子の五男。名前は雅からたまに呼ばれているのを自ら名乗ったもの。人間の数倍の体躯を持つ鳥のような頭をしたアマルガム。巨大な嘴の中は無数の牙が生えており、人間や吸血鬼を丸かじりにする。感情が高ぶると「クエエエエエッ!!」と叫ぶ。 非常に強靭な肉体を持ち、高圧電力をものともしない程。巨大な三又矛が武器だが、本来は素手での戦闘を得意とし、雅の鉄扇を持つ姿に憧れて武器を持つようになった。 かつて人間だった頃は病弱でひ弱な痩躯の少年であり、それが元でいじめられていた過去がある。後に雅のバイオテロにより吸血鬼化し、力がみなぎるようになる。以降体を鍛え、さらにアマルガムになりより強靭な力を得た。それ以降は強い者と戦うことを求めるようになる。 雅が一目置いている明を一目見たいと考えており、東京の地下で明を発見しそのまま交戦する。結果として明を追い詰めるが、元から明が手負いであることと武器である三又矛が折れたことからトドメを指すのを止め、勝次を人質に上野で待つことをネズミ経由で明に伝える。 その後東都ドームの武道大会に出場。優勝賞品である勝次や九州の地位に興味を示さず、強い者と戦いたいが為に参加した。圧倒的な強さで勝ち進み、明と決勝で当たる。一度三又矛が折れた経緯から、中に仕込み鎖が入った三又矛を新たに武器としており、明との戦いで初めて使用する。東都ドームの外まで逃げた明を追い詰めるが、最後は落ちていたワイヤーに足をとられ首を切断され敗北する。それでもまだ意識はあり、最期は自身の頼みで明と共に東都ドームの屋上に移動。自身の過去と強い者と戦うことを求めていたことを伝え、明から強敵と認定されたことで満足気に息を引き取った。享年18歳。 蟲の王(むしのおう) 雅の息子の四男。巨大なカタツムリの殻の様な物に女の頭や無数の手足が生えており、作中登場するアマルガムの中で特に人間離れした外見をしている。国会議事堂辺りを縄張りとしており、自身はその地下にアリの巣のような部屋をいくつか作り、その深部に佇んでいる。 体から異形の生物を生み出し、寄生した人間を瞬く間に変異種にする能力を持つ。変異種になった者は蟲の王に従い、本能でしか活動できなくなる。また、蟲の王自身も銃をものともしない程の硬い皮膚を持ち、尻尾によるたたきつけは一撃で石橋を破壊するほどである。自身を芸術家と自称し、人間を変異種にさせて殺すなどして弄んでいる。 かつて人間だった頃は小学4年生の子供で、生まれつき心臓が弱くそれが原因でいじめられていた。傷心から人間が居なくなった世界を妄想し、ノートに書き込みを行っていた。後に雅のバイオテロにより吸血鬼化し、自身の妄想が現実となった感覚になり、さらなる理想実現のためにアマルガムになることを選ぶ。その結果アマルガムとなり、人間や吸血鬼を変異種にする能力を得ることが出来、以降は蟲の王と名乗るようになる。 彼が生み出す変異種は全て自身が妄想してノートに書きこんでいた異形の生物であり、自身の姿もノートに書きこまれていた異形の生物の一体である。尻尾の先端内部に心臓があり、そこが弱点になっている。 議事堂奪還の為攻めてきた200人あまりの自衛隊の一個中隊を単体で全滅させ、その殆どを変異種に変えた。 後に明達と結託した自衛隊の襲撃を受け、鮫島達の攻撃に気が向いている隙に明と勝次によって体内に侵入される。勝次によって心臓が破壊された後は女の頭が老化し、皮膚も銃を通すほど軟化する。瀕死の状態ながらも地上まで這い上がり逃げようとするが、明に追いつかれて命乞いも虚しく首を斬られて絶命する。死んだ後は体が塵となり消滅した。拷問野郎(ごうもんやろう) 蟲の王の部下。餓鬼のように膨らんだ腹と6本の腕を持ち、それぞれの腕には拷問器具を持っている。人の両手を合わせ、影絵のカニを作っているような頭をしており、頭の後ろ(手の甲に当たる部分)に耳がついている。目にあたる器官は確認できないが、視認は出来る。名前の通り捕まえた人間を壁に埋め込み過剰な拷問をしている。 生命力は高く、腕を斬られたとしても5分程で再生し、首を斬られたとしても絶命せず、他の人間または吸血鬼の頭を喰らって体を繋げることで自分の体として活動できる。 その正体は蟲の王が変異種を統率させるため、自身の脳の一部を切り出して生み出した蟲の王の片割れであり、蟲の王と同様に変異種を生み出す能力を持つ。変異種の中では唯一自意識があり会話も出来る。会話の際には女の口調で話す。 自衛隊の上原を拷問していた中、上原のリークにより隠れていた明達と交戦する。明によって首を落とされ、自身の拷問器具で貼り付けにされた挙句逆に拷問される。その後隙を見て逃走し、他者の体を奪い蟲の王のところへ行く。蟲の王の命令によりノートを探していたところを明と鮫島に後を付けられ、再度首を落とされる。そのままトドメを刺されそうになるが、自衛隊の攻撃により部屋が崩壊し行方不明になる。蟲の王が死んだ後は地上まで逃げており、偶然会った佐吉を殺して体を奪う。その後は自衛隊員に血の楽園に行くことを伝える。 血の楽園では「ハンディ・ハンディ様」と呼ばれており、耐ミサイル型の変異種を生み出した功績から豹丸に気に入られて特別な待遇を受けており、ショッピングモールには彼の人形が売られている。普段は特別区に居るが、気まぐれで労働地区のテント場に現れ、気に入った人間を数人食べに行っている。 豹丸(ひょうまる) 雅の息子の一人。上半身が人型で下半身が豹型というケンタウロスのような姿をしたアマルガム。上半身の肩から胸にかけて豹柄の模様があり、顔には隈取のような模様がある。血の楽園のボスであり、吸血鬼たちが彼に気に入られるよう血の楽園入りをお願いすることがある。武器は自分の体躯を遥かに超える長さを持つ大鎌で、一振りするだけでも地面を抉る程の凄まじい威力を持ち、空降りでも風圧で吸血鬼たちを吹き飛ばす程のパワーを持つ。聡の回想では、邪鬼を捕らえる為に開閉する仕込みがあるトゲのついた巨大な刺股も使用した。 食べた相手の能力を吸収できる能力を持ち、現在の姿も虎のアマルガムを食べた結果生まれたものである。手足を失ってもちぎれた手足を食べれば回復する。過去に雅を食べようと挑むが敗北し、以降は自身を強化できそうなものは手当たり次第に吸収して力をつけていった。 元々はかなり怖い性格をしており、雅を倒す事以外に興味がなかったが、北沢徹を食べてからは丸くなり、血の楽園の市民のことを考えるようになった。明と対面した際には血の楽園が傷つくことを考え、戦わずに帰るよう促すなど、血の楽園を気遣う一面がみられる。 明達が血の楽園へ来る数日前に血の楽園から逃げ出した邪鬼を捕らえる為に自ら出向く。邪鬼を見つけると圧倒的なパワーで制圧し、複数体の邪鬼を瞬時に捕らえて帰還する。特別区の最奥部に明達を待ち構え、一度は帰るよう促すが明の返事を聞き戦闘に入る。
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