旧セリノス王国
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/28 01:35 UTC 版)
大陸一の美しさを誇る鷺の民の王国。美しい彩りの森が国土の大半を占める。女神の名の下に戦火を広げるベグニオンに反発した鷺の民が、ベグニオン暦470年に建国した。ベオク・ラグズ含め、テリウスの諸国家のなかで最も遅くに建てられた。『蒼炎』時代から20年前、濡れ衣を着せられてベグニオン帝国臣民によって滅ぼされてしまった(後に「セリノスの大虐殺」と呼ばれる凄惨な事件)。『暁』の物語が終わるまでは、領地はベグニオン帝国が治めていた。現在における旧国民は、王家の者が数人残っているのみ。 鷺の民は【正】の気が強く、戦う術を持たない代わりに不思議な効果を与える美しい歌、呪歌(ガルドル)を謡うことができ、歌い手は呪歌謡い(ガルドラー)と呼称される。肉体は非常に弱くユニットとしても非常に打たれ弱い。また、相手の心を読む能力を持っている。食べ物は新鮮な木の実しか受け付けられず、例にリュシオンが以前ティバーンの好物である肉や魚や酒を口にした際には生死の境目をさ迷ったとされる。 ラフィエル 声:関智一(ヒーローズ) 外見年齢24歳。ラグズ。『暁』に登場。クラスは白鷺王子(プリンスイーグレット)。属性は天。 帝国に滅ぼされたセリノス王国の第一王子。リュシオンとリアーネの兄。 外観通り非常に繊細で物静かな性格をしており、他人の思いやりなどを見るとすぐ涙してしまう一面もある(これは本来の鷺の性質らしい)。ニケやティバーン曰く、鷺の本来の理想の性格はラフィエルのような性格だとされている。 「セリノスの大虐殺」より半年前に森の外れでベオクの奴隷狩りに捕まるが、彼を哀れに思った元老院のヘッツェルに買い取られたことで救われる。しかし、その後ストレスで体調を崩してしまい、神殿に運ばれて看病されたことで一命を取り留めるも、病の影響で飛ぶことがかなわなくなってしまった。ヘッツェルは森に帰してくれることを約束していたが、その後「セリノスの大虐殺」が起きてしまい、朦朧とした意識の中死してゆく一族のもとへ行きたいと無我夢中の思いで飛べぬはずの翼を開き神殿を飛び出す。しかし、森へ行くはずがまったく逆方向(ベグニオンの西部にあるセリノスではなく、東部のデイン方面)へ飛んでいってしまい、デインより東の死の砂漠で行き倒れていたところをニケにより助けられ、その伴侶となり以後ハタリに住むようになった。 ニケ達とともに砂漠を越えて大陸へ行く道中、ユンヌの声に導かれてミカヤとサザに出会い、サザの話により自分以外滅びたと思っていた鷺の民、それも父ロライゼ、リュシオン、リアーネが生きていることを知る。デインの解放戦争が終った後はガリアへ向かい、リュシオン達兄妹と再会を果たすが、彼が話した「セリノスの大虐殺」の真実がラグズと帝国の戦争へと発展していく。デギンハンザーによれば「友に良く似ている」とのことであり、セフェランの正体を一見して見破った。 後日談ではニケらとともにハタリへ戻っていくが、ニケが生存していない場合はセリノスに残り、家族とともに暮らしていく。 呪歌謡いとしての能力はかなり高いらしく、リュシオンはレニングを元に戻す際に、元々「なりそこない」の薬の効果の薄いベオクに対して正の気が高まった状態で魔法陣を用いてようやく成功させたが、ラフィエルは簡易的な【再生】の呪歌でムワリムを元に戻すことに成功しており、下記のとおり呪歌の効果は3兄弟でもっとも有効範囲が広い。 20年前に負った病のため、翼を持ちながら飛ぶことができない。それゆえ再移動できず、移動しがたい地形に弱く、化身時には移動力は上がるものの、段差を登れなくなる。その代わり、化身状態を問わず常に4マスのユニットに呪歌の効果を与えることができる。ほかには、飛べないゆえに翼系の特効を受けない(ただし鳥系の特効は受けるため、ダメージ換算が天馬騎士系ユニットと同等程度までしか軽減できず、元々鷺は打たれ弱いので特効でなくても一撃で撃破されることも多い)といった特徴がある。 (※)リュシオン 声:石田彰(ヒーローズ) 外見年齢22歳。ラグズ。『蒼炎』および『暁』に登場。クラスは白鷺王子(プリンスイーグレット)。属性は炎。 帝国に滅ぼされたセリノス王国の第三王子。ラフィエルの弟で、リアーネの兄。 「セリノスの大虐殺」が起きたとき、彼は父ロライゼと共にティバーン率いる鷹の民に救出されて虐殺を逃れることができた。それから20年以上もの間フェニキスに滞在しているため、鷹の民の者とは兄弟同然に親しい。しかし、そのせいか理想の鷺の民の性格とはかけ離れ、鷹の民の性質である力強さと誇り高さが出ており、見た目に反して気が強く、積極的で激しい性格になってしまった(ニケ曰く「あの見た目にあの性格は、ある意味、暴力としか言えん」)。本人もティバーンのようになりたいらしく、軟弱な体に嫌気が差している。ティバーンの好物を片っ端から食べて死にかけたり、本来人を攻撃することのできない鷺の民にもかかわらずタナス公の顔面を殴り、逆に自分の手の骨の方にひびを入れたりと、アイクからは漢らしいと称される。 今でこそ現代語を流暢に話すが、フェニキスに来た当初は古代語しか話せなかったらしい。 「セリノスの大虐殺」以降ベオクを警戒し、一時は“禁呪”を使おうとするまでに憎んでいたが、リアーネとの再会や『蒼炎』でのクリミア解放戦争を通じて次第にベオクに心を開くようになる。キルヴァスの王ネサラとは幼馴染。『暁』後日談では新国家の重鎮となり、気の強い性格を生かして精力的に活動したという。 『蒼炎』における唯一の再行動ユニット。化身前は1ユニットにしか呪歌効果を与えられないが、化身すれば周囲4マスのユニットに対し呪歌効果を与えることができる。また、その気の強さからか、ほかの二人よりも若干ではあるが打たれ強い。 リアーネ 声:鈴木絵理(ヒーローズ) 外見年齢18歳。ラグズ。『蒼炎』および『暁』に登場。クラスは白鷺姫(プリンセスイーグレット)。属性は水(『蒼炎』では風)。 帝国に滅ぼされたセリノス王国の第四王女。王族の中では最年少。 「セリノスの大虐殺」で亡くなったと思われていたが、事件が起きた際に姉達によって眠りにつかされたことで虐殺を逃れていた。20年後に眠りから目覚め、枯れ果てた森をさ迷っていたところをリュシオンを追ってきたアイク達に遭遇し、その後兄との再会を果たす。森で起きた惨事を知りつつも神使サナキの謝罪を受け入れ、リュシオンにもサナキの謝罪を受け入れるように進言した。 20年間眠っていたために見た目に対して精神年齢が若干幼く、とても無邪気な性格。セリノスでの出来事のあとフェニキスに身を寄せる。その後漆黒の騎士に拉致されるものの、大事になるまえにネサラらに救助される。最後の戦いの後、リュシオンと共にラジャイオンを元に戻すことに貢献した。このような経緯があるため、『蒼炎』ではユニットとしての参戦はない。 『蒼炎』の戦いの後の3年間はガリア王宮に住んでいたが、その間に兄リュシオンの芯の強い性格が多少なり伝染ってしまった模様で、これと決めたことは絶対に曲げない。普段は古代語を話し、現代語は勉強中で途切れ途切れながらも少しは話せる。 『暁』では、ラフィエルがもたらした「セリノスの大虐殺」の真実によってラグズ連合とベグニオン帝国の戦争が勃発することを知り、アイクに助けを求めるために護衛のニアルチとともにクリミアに向かった。しかし、戦争のことはこの時点では機密事項であり、悪意がないとはいえ情報漏洩を犯しかけた(古代語で訴えたため古代語がわからないアイクには通じていなかったので、本当に漏れることはなかったが)ため、後日傭兵団に正式に依頼を行ったライはこのことを知って呆れていた。その後の皇帝軍結成に伴い、負の気による体調悪化でティバーンに強制退場させられたリュシオンに代わってセリノス代表として参戦する。 幼馴染であるネサラを兄のように慕っており、周りの反感を買いやすい彼を庇うこともある。なお、支援次第では、『暁』後日談にてネサラと結婚し、その後黒翼の男児と白翼の女児を儲け幸せに暮らす。 兄2人と違い、化身の可否にかかわらず周囲2マスにしか呪歌効果を与えることができない。 なお、『蒼炎』17章でのアイクが彼女を背負いながら戦うエリアでは、このときに限り彼女のステータスを回覧できる。アイクによればその体重は非常に軽く、「ミストより半分ぐらい軽い」とさえ言うほど(ユニットとしての重量は2。ミストが5)。 ロライゼ ラグズ。『蒼炎』および『暁』に登場。 亡国セリノスの王。ラフィエル、リーリア、リュシオン、リアーネの実父。 「セリノスの大虐殺」が起きたとき、ティバーンによってリュシオンとともに助け出されるも、心痛のため昏倒。20年以上の間、眠ったままの状態でいる。 『蒼炎』『暁』共に名前のみの登場。後日談にてリュシオンらの呪歌により目を覚ます。 リーリア ラグズ。 セリノスの第三王女 だった鷺の民。故人。リュシオン、リアーネの姉。 『蒼炎』時代から20年前、「セリノスの大虐殺」が起きたときにほかの王女たちと共にリアーネを眠りにつかせたが、その後セフェランの陰謀によってメダリオンとともに捕獲されてしまい、デイン国王アシュナードに引き渡され以後パルメニー神殿に監禁、邪神の復活を強要されていた。監禁されていた際に自分の世話役で、後にアイクとミストの母親となるエルナに出会い、ベオクでありながら強い【正】の気と清らかな心を持つ彼女に心を開き、メダリオンと「解放」の呪歌を託した。エルナがリーリアの思いを遂げるためにデインから逃げた後、長い監禁生活が祟って病死する。 監禁された部屋の壁に大量の古代語を書き残しており、20年の時を経て、弟リュシオン、そしてエルナの子供たちであるアイクとミストに伝わった。これにより、大虐殺の真実の一部が紐解かれた。ただし、この時点では本来の元凶である帝国元老院の関与を疑わせる証拠はなかったこともあり、アシュナードが首謀者とされる解釈の誤りが起きた。この解消には、3年後の兄ラフィエルの証言を待つこととなる。 エルラン ラグズ。 黒い羽を持つ鷺の民(黒鷺)で、「エルランのメダリオン」本来の持ち主。セリノスの民の祖先にあたり、テリウス大陸では太古の昔に「三雄」とともに【正の女神】アスタルテに与し、邪神をメダリオンに封印したと永らく伝えられていた。 人が犯し続ける過ちのせいで【暁の女神】アスタテューヌが大洪水を引き起こしてしまったことに罪悪感を抱き、女神が正負に分たれた後は半身である【負の女神】ユンヌを消さんとする【正の女神】アスタルテに、戦乱を起こしてしまったユンヌを封印するだけにとどめて欲しいと三雄達と共に懇願し、「種族の共存」と「アスタルテとユンヌが封印されてから1000年間は大陸規模の戦乱を起こさない」と誓い(もしその誓いが果たされなかった場合は、アスタルテが全ての“人”に裁きを下すことになった)、ユンヌを青銅のメダリオンに封印した。 その後、初代ベグニオン皇帝となったオルティナと結ばれ、史上初の印付きの子をもうけるものの、ベオクとの間に子が生まれたことでラグズとしての能力(化身と呪歌謡いの力)を失ってしまい、女神達を目覚めさせることができなくなり、一時は自殺を考えるまでに精神的に追い詰められた(テリウス大陸では、女神に与えられた自身の命を自らの手で奪うのは女神の教えに反するということで、自殺は禁忌となっている)。その後、事実隠蔽のためにオルティナと別れ、メダリオンをセリノス王国に預け三雄の一人であるゴルドア王デギンハンザーの下で歴史から姿を消し長い時を過してきた。しかし、長い時が経っても種族の共存は実現されず、そればかりかラグズとの共存を実現しようとした先代神使のミサハは暗殺され、セリノスの同胞達は彼女を暗殺したとする濡れ衣を着せられ、「セリノスの大虐殺」が発生。ほとんどの国民が殺められ、争いが絶えない人に絶望し、その野望は大陸規模の戦乱を引き起こしてユンヌと同時にアスタルテを目覚めさせ、アスタルテに裁きを下させるという歪んだ思いに繋がっていった。 現在はベグニオン帝国の元老院の議長であるペルシス公爵セフェランとして公に立ち、部下であるゼルギウスとともに野望実現のために暗躍している。ちなみに、ベグニオン帝国の皇帝家および神使はエルランの子孫にあたり、代々の神使は彼の能力を受け継いだ印付きである。 ベグニオン帝国#有力七議院のセフェランの項目も併せて参照のこと。
※この「旧セリノス王国」の解説は、「ラグズ」の解説の一部です。
「旧セリノス王国」を含む「ラグズ」の記事については、「ラグズ」の概要を参照ください。
- 旧セリノス王国のページへのリンク