奇居子(ガウナ)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 04:14 UTC 版)
共通紀元2109年に太陽系外宙域で人類が遭遇した外宇宙生命体。
※この「奇居子(ガウナ)」の解説は、「シドニアの騎士」の解説の一部です。
「奇居子(ガウナ)」を含む「シドニアの騎士」の記事については、「シドニアの騎士」の概要を参照ください。
奇居子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 04:14 UTC 版)
奇居子(ガウナ) 共通紀元2109年に太陽系外宙域で人類が遭遇した外宇宙生命体。 作者の複数の作品に登場する怪物で、一種のスター・システム的なガジェット。 ただし名称は作者の創作ではなく、「ヤドカリ」は別名を『寄居虫』と書き、読みも『がうな』『ごうな』等がある。ヤドカリ(本体)が他種である巻貝の貝殻(胞衣)を利用する生態から引用されたものと考えられるが、本体・胞衣ともにその由来が作中で語られることはない。 人類がヘイグス粒子を新エネルギーとして利用し始めるのとほぼ同時期に現れ、2371年に太陽系へ侵入した衆合船(詳細は後述)は、46体のガウナを投下して地球を破壊するなど、人類に壊滅的打撃を与えた。人類が太陽系から脱出した後も、執拗に追撃を続けている。シドニアでは、「ガXXX」のようにガの後に発見順の番号を振った番号識別(物語最初に登場したガウナの場合は「ガ487」)が付けられ、場合によってはさらに個体名が付与される。 基本構造は丸い本体があり、それを外皮であり多様に変化させられる胞衣(エナ)が包み込んでいる。本体に蓄えたヘイグス粒子を消費してエナを再生・変化させるため、本体が破壊されない限り宇宙に無尽蔵に存在するヘイグス粒子を吸収し、永遠に再生し続ける。ただし、本体殻は非常に硬くカビでしか破壊することができず、またエナの膜が1cmでも残っているとカビが通らないため、完全に撃破するにはエナを綺麗に排除し、本体を少しでも完全に露出させた上でカビで破壊する必要がある。当初は、通常1体1では衛人の攻撃量をエナの再生速度が上回るため、複数機で1体のガウナを連携して攻撃する必要があったが、GCPDS(ガウナ本体貫通弾)の発明により、1対1でも撃破可能になった。 動きは素早く、力も非常に強い(最新式の継衛改二以上)ため、接近戦は大変危険であり、組み付かれたり触手で掴まれた場合、僚機に救出してもらうか、砲撃でエナを吹き飛ばすしか衛人での脱出方法はない。ヘイグス粒子とカビを集中的かつ優先的に狙う性質があり、それらがない場合はガウナの探知範囲に入らなければ発見されない。シドニアでは長らくガウナの取る行動に意味はないとされており、戦略・戦術などもないとされていたが、紅天蛾の登場以降は罠や待ち伏せといった行動、シドニア側の弱点をついた攻撃が頻繁に見られるようになった。 大シュガフ船総攻撃作戦においては、シドニア軍各艦隊にシドニアより巨大な小シュガフ船36隻を送り込むという、過去前例のない大規模作戦を展開して反撃してきた。これは大シュガフ船が明らかにシドニアに敵対する意思を持っている証左であろう。胞衣(エナ) ガウナ本体を覆う物質。 地球型生物同様に細胞質であることが触れられており、本体が宇宙空間から収集・蓄積しているヘイグス粒子を利用して、幾らでも短時間で大量に生成できる。また、机上の空論に過ぎないような機構すらも再現できる言わばなんでも作れる物質であり、ガウナはこれを利用して多様な形態をとる。頻繁に人体の形状を模倣しており、形状だけでなく捕食した人間の遺伝子情報やその搭乗機である衛人を再現することもある。ガウナ学によれば、ガウナがエナによって人間を完全再現した場合、元となった人間と寸分たがわぬ人格を持つだろうと予測されている(実際、エナ星白は谷風に興味を持ち、アウロスに捕食され再現された仄炒と一九式の操縦士は撃破直前までシドニアに帰ろうとしていた)。本体のガウナ殻を再現してエナとの多重装甲を作られると、人工カビでも手出しが困難(融合個体のみが破壊可能、後にGCPDSと通常弾による高速交互射撃でも可能となる)である。 通常、本体を破壊されるとエナは制御を失って泡状に分解する。しかし、本体破壊前に切り離されたエナは、エナ星白のようにそのままの形を保つ場合もあり、回収に成功した各種エナがシドニアに多数保存されている。基本的にエナの制御はガウナ本体によって行われるため、回収されたエナが単独で行動し、人間を襲った事例は少なくともシドニアにはない。 この回収されたエナはシドニアの物質科学を支える重要戦略物資であり、どんな物質で構成されているのかすら判らなかったカビも、エナを基礎とした物質生成技術と融合個体を用いる事で、人工カビを作成する事に成功している。落合(岐神)の復活以降の超構造体・新型ヘイグス機関の製造にも関わっており、特に人間の女性を模した人型エナは、人間の人格を宿したガウナとのハイブリッド=融合個体を作るのに欠かせない貴重な存在である。 衆合船(シュガフせん) 無数のガウナの集合体で、ガウナの巣および母船として機能する。主本体と呼ばれる本体の密集している場所があり、そこを全て破壊されるとガウナが残っていても崩壊する。大シュガフ船 長道が地上に出たのと同じ頃、シドニアから3光年先に発見された惑星に匹敵する大きさを持つ超巨大なシュガフ船。レム星系にて移住者を衛星ごと壊滅させ、惑星セブンの軌道上にとどまっている。後に本体の総数が増加していることが確認され、ガウナの本体生成機能を持つことが確認された。 大シュガフ船総攻撃の際、重力子放射線射出装置により主本体を破壊され、撃破される。その直前、エナで惑星セブンを覆い尽くしたが、これによってセブンは地球環境をほぼ再現したテラフォーミングが為された。 小シュガフ船 小規模な衆合船の呼称。ただし、大シュガフ船より小さいだけで全長30km近いシドニアより大きな小シュガフ船もいる。連結して巨大なシュガフ船になる事もある。オカリナ シドニアが自由浮遊ガス惑星を破壊した際、残留ガス塊から出現した小シュガフ船。当初は「小シュガフ船二一」と呼称されていたが、緑川纈が識別のために命名した。推定内包ガウナ数は5000体。主本体は1個。谷風が内部へ突入して主本体を破壊したことにより、撃破された。 アウロス 水城が恒星レムに向かう途中、航路上に隠れていた連結型ガウナが変形した小シュガフ船。推定内包ガウナ数は500体から1000体、主本体は3体。オカリナに比べて規模の小さいシュガフ船で、水城の性能であれば余裕で撃破できる相手だが、予想外の反応をしてきたために戦死者を出し、戦闘中にはガウナとの衝突で船体に損害が出る。纈の操船により、重質量砲による艦砲射撃で撃破された。 連結型ガウナ 複数のガウナが結合したガウナ。本体数も多く巨大で中には小シュガフ船に変形するタイプもいる。主本体がないのでシュガフ船に比べて能動的な行動はしてこないが、撃破には個々の本体を破壊する必要がある。 紅天蛾(ベニスズメ) シュガフ船や連結型ではない1個体のガウナとしては、最も高い戦闘能力を有するもの。当初は「ガ490」と呼ばれた。 星白を戦死させた連結型ガウナ・ガ488との戦闘で、本体1個が逃げる。小林艦長は逃亡先である自由浮遊惑星の破壊を指示。その結果出現した衛人型ガウナは、3体であった。作中では、それ以上に詳しい因果関係は示されない。3体とも右肩部に星白機の機体番号である「702」の文字が現れ(ただし文字の並び方は3体それぞれ異なる)、また操縦士の姿をしたエナを有する。戦闘により2体が除去されたが、残るガ490は衛人5機を撃破したのち撤退。後日、これが「紅天蛾」と命名された。 他の個体よりも高い運動性能、星白機の通信回線を使って短いながらも言葉を発する。(不気味な笑みや衛人の撃墜宣告が主であるが、原作ではさらにイタイ・コロスなどの発言もみられいずれもカタカナ表記となっている。)、エナで自分のダミーを作ったり損傷した衛人に擬態するなど、特異な能力を持つ。小惑星戦においては当初、推進源となる連結型ガウナに潜んでいたが、第二小隊の攻撃を受けて主本体から分離し、一撃で同小隊を全滅させた。 惑星ナインにおいては、よりヒト型に近い形状で出現する。「702」の文字は額の左側に現れる。当初は、白骨化したかのような全身(ただしヒトの骨をそのまま模したものではない)に、仮面のような顔、体長より長い翅、といった特徴を示す。つむぎとの戦闘でいったん撃破されそうになるが、つむぎからヘイグス粒子を奪い復活。形状が変化して、より星白に近い顔立ち、カミキリムシなどの甲虫に似た形の翅、などになる。つむぎが発した言葉を形勢が逆転してからつむぎに言い返す、谷風機の唯一の弱点である頭部の射出口に向けてヘイグス粒子砲を撃つ、谷風機の電源を落とすなど、一定の知能を伺わせる行動を取る。エナを谷風機に侵入させ、操縦室内にエナ星白を再現して谷風の身動きを封じるが、イザナの機転でエナの侵入経路を絶たれ、谷風の操縦により本体を破壊されて泡状分解した。 アニメ第1期は衛人型の形状で登場。「702」の文字は左肩部に表出する。同第2期では原作の惑星ナインにおけるヒト型の形状のうち、後半の状態で登場する。シドニアの司令室において、「エナ干渉波の固有パターン照合」によりガ490「紅天蛾」だと識別するシーンがある。 作者の読み切り作品に『戦翅甲蟲 天蛾(せんしかっちゅう すずめが)』があり、類似したデザインの存在が登場する。当初の構想では次回作をこの作品に近いものにしようとも考えていたが、最終的には王道的な内容である本作に変更したという。
※この「奇居子」の解説は、「シドニアの騎士」の解説の一部です。
「奇居子」を含む「シドニアの騎士」の記事については、「シドニアの騎士」の概要を参照ください。
奇居子(ガウナ)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/10 23:12 UTC 版)
「第四紀連の時代によく現れた、人の眼に写らない正体不明の生物。人を喰べて大きくなり、最終的には恒差廟を喰べる。かつては、その模造品に退治された。」(「異相の書」による) 彼ら以外の時間が静止しているように見えるほどの速度で活動できる。また示隔空間と呼ばれるものを展開することで人間の目に写らなくなると推察される。機関銃やレーザー、ミサイル等の兵器でも全く対処出来ない。踏み台にしただけのビルが真っ二つになる等、筋力も通常の生物に比べて並外れている。個体によっては羽や翼のようなものを背中から広げ、飛行する。 検眼寮においては「人類の領域を侵犯し、破壊にふける化け物」と教えられている。 「胞」(えな)と呼ばれる外骨格様の装甲に身を包み、その大きさや、形状は様々である。何らかの要因によって人間が変態することによっても出現する。黒奇居子と対比して、白奇居子とも呼ばれる。また、人間が変化したものは示現体とも呼ばれることがある。 春の季語である「寄居虫(ごうな:ヤドカリの意)」の古名「がうな」がモチーフではないかと推察される。 同作者の『戦翅甲蟲 天蛾』や『シドニアの騎士』にも同じ名前の生物が登場する。
※この「奇居子(ガウナ)」の解説は、「ABARA」の解説の一部です。
「奇居子(ガウナ)」を含む「ABARA」の記事については、「ABARA」の概要を参照ください。
- 奇居子のページへのリンク