奇妙院の悪事・下
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/11 20:03 UTC 版)
奇妙院晴山は僧侶に変装し、青木定右衛門の屋敷を尋ねる。応対した定右衛門に対し、奇妙院は、亡き娘・おはまから伝言を預かっていると言う。しかし定右衛門は僧侶を疑い、「伝言があるならなぜ父や母ではなく僧侶に頼むのか」と問い詰める。そこで奇妙院は、棺から盗んだ銀平打ちのかんざしを提示し、おはまが自分のところに来た証拠だと主張した。これですっかり奇妙院のことを信用してしまった定右衛門と女房は、伝言の詳細として奇妙院の作り話を聞かされる。それによると、奇妙院が無人の辻堂で休憩していた最中に若い女子がやってきて、伝言を頼みたいのだと言う。その女子は前世の悪業が祟って現世でも命短く終わり、さらに来世でも同じく命短く終わると語った。そして、因縁を断ち切るために「大般若羅漢を全国の霊場に納めてほしい」と訴え、証拠として銀平打ちのかんざしを手渡してきたのである。話を聞いた定右衛門と女房は完全に奇妙院を信じてしまい、大金を手渡して大般若羅漢を全国の霊場に納めてほしいと依頼する。それを受け取った奇妙院が道を歩いていると、そこに死んだはずの権太がいた。毒を飲まされた後、川に捨てられたことで川の水を大量に摂取し毒が薄まったのである。定右衛門から詐取した大金は全て権太に強奪され現在に至る、と奇妙院は畔倉に語ったのだった。
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