取扱店番号
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 13:38 UTC 版)
貯金業務に関して、各直営店ならびに各郵便局に割り当てられた5桁(もしくは、末尾に0をつけた6桁)の数字があり、これを取扱店番号(店番)あるいは為替コードと称する(民営化以前の郵便局における「取扱局番号」を引き継いだ)。部内では「為替局番号」と呼ぶことも多い。この番号は通帳ならびにATMの利用明細に、各取引ごとに印刷されるため、一般の利用者でも確認することができる。分室や出張所には原則として独自の数字は与えられず、母店の番号末尾にアルファベットを付して区別する。たとえば豊中南局(41773)の大阪国際空港内分室は41773A、という具合である(民営化後の取扱店番号および日本郵便が局所コードと称しているものは6桁で表示されるため、豊中南局本局は417730、大阪国際空港内分室は417731となる)。ただし、総合口座通帳などについては、アルファベット抜きで数字のみ刷られる(同様に、6桁の取扱店番号ないし局所コードの場合も、通帳には最後の1桁は表示されない)。 店舗外に設置されたATMの取扱店番号は、以前は原則設置場所の旧普通局の取扱店番号であったが、2010年(平成22年)の春から都道府県単位で独自の数字が与えられるようになっている。例として、北海道では90591・90592・90593・90594の4種類、東京都では01691・01692・01693・01694・01695・01696・01697の7種類が用いられている。他の府県は1 - 3種類の独自の取扱店番号が用いられている。なお、ファミリーマート設置分については、これらとは別途の番号が用いられる。 番号の規則性から、11111(飯田風越局。長野県飯田市)、12345(菖蒲局。新潟県上越市)、23456(伊東駅前局。静岡県伊東市)、54321(岡山伊福町局。岡山県岡山市北区)、00001(中野サンクォーレ内局。東京都中野区)などの各局は、旅行貯金の愛好者にとって特別に扱われることがある。飯田風越局では1999年(平成11年)11月11日、記念貯金のため長蛇の列ができた。なおゾロ目はほかに22222(亀山井田川局。三重県亀山市)および44444(山城南加茂台局。京都府木津川市)があるのみ。 上2桁は位置する都府県・地域を示し(俗に「マルチ」と称するが、日本郵政グループで使われている呼称ではない)、下3桁が各店個別の番号である。マルチの10の位は、ほぼ旧日本郵政公社の支社(元省庁時代の地方郵政局)によって分けられている。基本的に1都府県につき1マルチだが、北海道、千葉県、埼玉県、東京都、神奈川県、愛知県、大阪府、兵庫県、福岡県、鹿児島県には複数のマルチが割り当てられている。多くは1マルチがいっぱいになり2つめのマルチを利用するようになったものであるが、鹿児島県は歴史的経緯から(戦後の一時期奄美群島がアメリカ統治下にあったため)奄美地区が別マルチとなっている。また、北海道は小樽地区を除き、旧国名で分けられている。岐阜県中津川市のうち、旧長野県山口村にある山口局や馬籠局のように、越境合併で所属する都道府県が変更になった場合は、取扱店番号も変更されている(このケースでは、当然ながら新規預入時の通常貯金通帳や通常貯蓄預金通帳、振替口座などで割り当てられる記号部分に使われる数字も、長野貯金事務センター管轄のものから名古屋貯金事務センター管轄のものに、このときを境に変更されている)。 中央郵便局(直営店が併設されている場合を含む)は、下3桁が001(6桁番号表示の場合は、下4桁が0010)であることが多いが、016150(東京中央局)、020040(横浜店(横浜中央局))、020270(川崎店(川崎中央局))、055510(千葉中央局)、070020(宇都宮店(宇都宮中央局))、125080(新潟店(新潟中央局))、218000(名古屋中央局)、330790(福井店(福井中央局))、410610(大阪支店(大阪中央局))、440890(京都店(京都中央局))、512660(広島中央局)、520020(鳥取店(鳥取中央局))、730030(宮崎店(宮崎中央局))、740030(北九州店(北九州中央局))、740140(福岡中央局)、920050(釧路店(釧路中央局))、970080(旭川中央局)などに例外がある。 簡易郵便局は、3桁目が7または8であることが多いが、都市部に設置された「シティポスト」と呼ばれる簡易郵便局や、簡易郵便局数が多い長野県などに例外がある。 また、民営化以前の郵便局から窓口を引き継がず新たに窓口が設置された秋田店(86300、863000)・郡山店(82456、824560)には新たな取扱店番号が付与されている。 本店は、2008年(平成20年)7月22日に独立店舗となった際に、仮店舗への移転前の東京中央郵便局の取扱店番号を継承(010160)した(正確には、ゆうちょ銀行本店のほか、廃止となった郵便事業丸の内支店を継承した郵便事業銀座支店(当時)も局所コードを010160に変更したため、東京中央局とゆうちょ銀行本店あるいは銀座郵便局とを区別するために東京中央局の側を変更した)。 このため、東京中央郵便局はのちに仮店舗にで営業することになり、ゆうちょ銀行本店とは別の場所になったために新たに貯金窓口が設けられた。その際、局所コードおよび仮店舗の貯金窓口で用いられる取扱店番号が別途に設定(016150)された。同時に新設された同局の分室2か所も、局所コードは、これに則した016151および016152とされた(いずれも、JPタワー内に本局が復帰した際に廃室となったため、現存しない)。 その後、元の位置に戻りゆうちょ銀行本店と併設となったが、東京中央郵便局の局番号は01615(局所コードとしては016150)のままで、元の番号に復帰しなかった(東京中央局の貯金窓口は、ゆうちょ銀行本店と同居となったために廃止され、使われていない)。 閉局になった郵便局の取扱店番号は、通常は欠番扱いになる。ただし、府県マルチが02のみだったころの神奈川県のように、空き番号に余裕がなくなった場合などは、閉局になった郵便局が使っていた取扱店番号が再利用されることもある(貯金窓口のある拠点ではないが、最近では、2012年10月に開設された、名古屋中央郵便局タワーズ内分室(のちの名古屋西郵便局タワーズ内分室。2016年10月廃室)で、過去に廃止された同局の分室の番号を再使用したケースがある)。 ちなみに、番号自体は公開されていないが、各パートナーセンターおよび各エリア本部についても、独自の取扱店番号が割り当てられている。 なお、一般の貯金取引に関わるものではないが、直営店には、一部の直営店と日本銀行各本支店間の当座勘定取引などの都合から、全銀システム上、各直営店舗に支店番号の割り当てがされている(本店は001、その他の県は、おおむね上2桁が後述の表にあるマルチ、1の位は0から7までのうち、直営店の数に応じて0から順番に充当され、県庁所在地名店舗は0となるケースが多い(北海道は、道庁所在地名の札幌支店は900で規則に沿っているが、9x0で、xに0以外の数字が入るものについては、940となる函館店のように、都道府県庁所在地名店舗として該当しない)。例として、宮城県の場合は、仙台支店は810、仙台東店は811が充てられている)。なお、実際の当座勘定取引を日銀と直接行うのは、日銀の各本支店に近い直営店となっており、統括店(各支店および横浜店)が行っているとは限らない(例として、長野支店では日銀との直接の当座勘定取引を行わず、日銀松本支店に近いゆうちょ銀行松本店に接続されている。同様に統括店である横浜店ではなく、日銀横浜支店に近いゆうちょ銀行横浜港店と接続されている。また、020の支店コードは横浜店ではなく、横浜港店に割り当てがされており、前述のような県庁所在地名店舗の支店コードの下一桁が0にならない場合もある。実際に横浜店に割り当てられているのは021)。東京都(00X、01X、13X、14X、16X、170)、神奈川県(02X、09X、18X、19X)、埼玉県(03X、25X、260)、大阪府(40X、41X、48X)など、直営店の数が多い地域では、上二桁のマルチの部分が本来の都道府県毎の割当分では足りないため、13Xのような、マルチとしてはどの都道府県にも割当されていない数字をあてて、すべての直営店に何かしらの3桁の番号が割り振られるようにして対処している。 なお、振替口座の口座番号で用いられるマルチは、これと異なる(貯金事務センター#振替口座で用いられるマルチを参照)。 マルチ一覧マルチマルチに該当する都道府県全銀システム上の支店名全銀システム上の支店コード00・01・13 東京都 〇〇八・〇一八・一三八 008・018・138 02・09 神奈川県 〇二八・〇九八 028・098 03・14 埼玉県 〇三八・一四八 038・148 04 群馬県 〇四八 048 05・10 千葉県 〇五八・一〇八 058・108 06 茨城県 〇六八 068 07 栃木県 〇七八 078 08 山梨県 〇八八 088 11 長野県 一一八 118 12 新潟県 一二八 128 20・21 愛知県 二〇八・二一八 208・218 22 三重県 二二八 228 23 静岡県 二三八 238 24 岐阜県 二四八 248 31 石川県 三一八 318 32 富山県 三二八 328 33 福井県 三三八 338 40・41 大阪府 四〇八・四一八 408・418 42・43 兵庫県 四二八・四三八 428・438 44 京都府 四四八 448 45 奈良県 四五八 458 46 滋賀県 四六八 468 47 和歌山県 四七八 478 51 広島県 五一八 518 52 鳥取県 五二八 528 53 島根県 五三八 538 54 岡山県 五四八 548 55 山口県 五五八 558 61 愛媛県 六一八 618 62 徳島県 六二八 628 63 香川県 六三八 638 64 高知県 六四八 648 70 沖縄県 七〇八 708 71 熊本県 七一八 718 72 大分県 七二八 728 73 宮崎県 七三八 738 74・75 福岡県 七四八・七五八 748・758 76 長崎県 七六八 768 77 佐賀県 七七八 778 78 鹿児島県 七八八 788 79 奄美地区(鹿児島県) 七九八 798 81 宮城県 八一八 818 82 福島県 八二八 828 83 岩手県 八三八 838 84 青森県 八四八 848 85 山形県 八五八 858 86 秋田県 八六八 868 90 小樽地区(北海道) 九〇八 908 91 十勝国(北海道) 九一八 918 92 釧路国(北海道) 九二八 928 93 根室国(北海道) 九三八 938 94 渡島国(北海道) 九四八 948 95 後志国(北海道) 九五八 958 96 胆振国(北海道) 九六八 968 97 石狩国(北海道) 九七八 978 98 天塩国(北海道) 九八八 988 99 北見国(北海道) 九九八 998 店舗数が多く、1つのマルチでは足りない都府県には2つのマルチが与えられている。このうち東京都・愛知県・大阪府・兵庫県・福岡県には制定当初から2つのマルチが用意されていた。神奈川県・千葉県・埼玉県はもともと1つのマルチしか用意されていなかったが、郵便局や口座数の増加により、のちに2つ目のマルチが与えられたためにマルチの数字が連続していない。同様に東京都は3つのマルチを持つようになっている。なお、2つ以上のマルチを持っている都府県は最初に使用したマルチの方を太字で記している。 北海道は基本的には旧国名で分類されているが、90の「小樽」地区だけは、現在の北海道の総合振興局・振興局(旧支庁)のうち、石狩振興局・日高振興局・後志総合振興局・胆振総合振興局の4総合振興局・振興局(旧支庁)の全域および空知総合振興局のうち夕張市と夕張郡の区域、ならびに上川総合振興局のうち占冠郵便局となっている。そのため95の後志国と96の胆振国は、それぞれ現在の檜山振興局と渡島総合振興局の一部になっているきわめて小さな区域だけとなっており、この2つのマルチに属する郵便局は少ない。なお、「札幌」地区としなかったのは、その地区の貯金事務センターが札幌ではなく、北海道のかつての金融中心地である小樽に所在していることによる。また、97の石狩国も現在の空知総合振興局(夕張市と夕張郡を除く)および上川総合振興局の南部(占冠郵便局を除く)だけとなっている。十勝総合振興局の足寄郡の各町は旧十勝国と旧釧路国に分かれているが、マルチもその所在地により91と92の両方の店舗が存在している。上川総合振興局の占冠村はマルチが90と97の店舗が1つずつ存在しており、渡島総合振興局の八雲町は、マルチが94の店舗が5つ、96の店舗が6つ存在している。これは占冠村は所属支庁の変更が、八雲町は旧国を越えた町合併が原因となっている。 マルチの10の位は、もともとかつての郵政省の地方支分部局「地方郵政局」(のちの日本郵政公社支社)によって分けられていた。なお、東京郵政局は1972年(昭和47年)に関東郵政局を分離、さらに公社化時(2003年(平成15年))には関東支社と南関東支社に再分割された。同じく、1972年(昭和47年)には沖縄返還により沖縄郵政管理事務所が設置され、沖縄県のマルチが70となった。その後、口座数の増加などにより千葉県の2つ目のマルチが10、埼玉県の2つ目のマルチが14となり、東京都の3つ目のマルチが13となるなど、現在では10の位の数字が完全には所属する地方郵政局を表していない。 10の位旧郵政省地方郵政局名ゆうちょ銀行エリア本部名0 東京郵政局、関東郵政局 関東、東京、南関東 1 信越郵政局(10・14は関東郵政局、13は東京郵政局) 信越(10・14は関東・13は東京) 2 東海郵政局 東海 3 北陸郵政局 北陸 4 近畿郵政局 近畿 5 中国郵政局 中国 6 四国郵政局 四国 7 九州郵政局(70は沖縄郵政管理事務所) 九州(70は沖縄) 8 東北郵政局 東北 9 北海道郵政局 北海道 このマルチは通帳の記号番号にも含まれる。「記号」(先頭の5桁)のうち、2・3桁目がマルチであり、マルチが99の郵便局で新規に交付された「記号」は「Z99ZZ」となる(Zは任意の数字)。なお記号の1桁目・5桁目はセットで貯金等の種類を表し、4桁目はチェックディジットである。
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