サイレンドリフト
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/24 07:10 UTC 版)
「PSYREN -サイレン-」の記事における「サイレンドリフト」の解説
夜科アゲハ(よしな アゲハ) 本作品の主人公。白瀧(しらたき)高校1年C組の男子生徒。身長168cm。愛知県白滝(しらたき)町という架空の町に在住し、家族に天文学者でNASLの主任を務める単身赴任中の父・朱鳥と、OLの姉・フブキがおり、母親とは小学校の頃に死別している。自身の人生に焦燥感を抱きながら日々を過ごしていたところ、サイレンの赤いテレホンカードを入手する。同じく赤いテレホンカードを所持していた雨宮が失踪したことで、彼女を探すためにサイレンドリフトとなった。サイレン世界に恐怖を感じていない、敵の殺害に躊躇しない点をマツリから危ぶまれるが、絶望的な状況に追い込まれるほど危機判断力を発揮する点を評価されている。雨宮に好意を抱き、彼女からも信頼を得ている。W.I.S.Eからは「黒いバースト使いの少年」と呼ばれる。W.I.S.Eとの最終決戦後、PSIを使いすぎたことが原因で半年間、昏睡状態に陥ったが、テレパシーによるサイレン世界の人々の呼びかけによって目を覚ました。本作品の最終回で雨宮と共に夢喰島へ向かい、グリゴリ07号を救出している。10年後の未来では、エルモアの依頼を受け、雨宮とともに世界を回り、サイキッカーの子供を保護している。 PSI能力は「暴王の月(メルゼズ・ドア)」。PSIの力に反応し、吸収・膨張する性質を持つ黒いバーストの塊を作り出す。使用者に多大な負担を強いるが、制御に成功すれば、高い攻撃力と応用性を併せ持つ強力な能力となり、遊坂は弥勒の「生命の樹」に似ていると発言している。 暴王の月を小型化し、高速度で標的を貫く「暴王の流星(メルゼズ・ランス)」、円盤状に変形させたボウリング球サイズの暴王の月で、接近してきた敵やPSI攻撃を自動的に補足し切り刻む「暴王の月・円盤Ver」、アゲハを中心に複数の暴王の月を回転させて身を守る「暴王の渦(メルゼズ・ボルテクス)」や、暴王の渦を分解して周囲を無差別に攻撃する「攻撃モード “裂弾”(スプラッシュ)」などの応用技がある。物語終盤では、実父である朱鳥の指導でノヴァを習得し、W.I.S.Eとの最終決戦にて自身の肉体と暴王の月を融合して驚異的な力を発揮した。 雨宮桜子(あまみや さくらこ) 本作品のヒロイン。白瀧高校1年C組の女子生徒で、アゲハとは小学校からの幼馴染である。眼鏡をかけ、顔立ちは端整だが、他人と馴れ合わず、冷たくアナーキーな物言いをするため、クラスメイトからは氷の女王と揶揄され、避けられている。両親の離婚などによる家庭問題から家出した際に赤いテレホンカードを拾い、サイレンドリフトとなる。本来は優しく明るい性格だったが、サイレン世界における禁人種との戦いや、多くのサイレンドリフトの死を見てきたことから疲弊し、心を閉ざすようになった。さらに碓氷から受けたトランス攻撃によって進行性の記憶喪失を患い、それと同時に今まで封じられていた負の人格・アビスが顔を見せ始め苦悩するが、ノヴァ習得の修行中にアビスと正面から向き合い、アビスを受け入れた。W.I.S.Eとの最終決戦後、昏睡状態に陥ったアゲハを看病し続けた。 得意なPSIはライズとトランスで、ライズで身体能力を強化した上での武器を使った格闘を得意とする。また、有線トランスや長距離テレパシー、幻覚を見せる神経爆弾(マインド・ボム)に、それを応用した「M・J 凶気の鎌(マインド・ジャック インサニティサイズ)」など、様々な技を扱う。5回目のゲーム直前にエルモアから妖刀・心鬼紅骨(しんきべにほね)を授かり、以後武器として用いる。心鬼紅骨は所有者の心の内側を映し出す力を持ち、これを用いてアビスとの対話を行い、さらにはアビスを具現化させることができる。ノヴァ状態では、トランスの煙で周囲を包み込んで相手の心を読み、それに合わせてアビスが動く連携攻撃を行う。 田村隆平とのコラボレーションとして、第7巻に雨宮のコスプレをしたヒルダが、『べるぜバブ』の第1巻にヒルダのコスプレをした雨宮が掲載された。アビス 雨宮の心の奥底に潜む、もう1人の雨宮の姿で、「本能と衝動の領域」にいる黒い肌をした雨宮で描写される。アゲハを慕い、その他の人間はどうでもいいと思っている。雨宮の意識が薄らいだ際に主人格に取って代わり、この時に一時的に肌が黒くなる。攻撃的だが、アゲハに嫌われたくないという理由で殺人は犯さない。雨宮の時とは異なり、トランスよりバーストを得意とし、悪魔の尻尾のような形のバーストを操作し、周囲を攻撃する。 「another call 2」では、心鬼紅骨なしでも実体化できるようになっており、アゲハと雨宮のデートに乱入した。性格も明るくなっており、本能と衝動の領域も、廃墟からバリアフリー対策がされた住み易い部屋になっている。 朝河飛龍(あさが ひりゅう) 通称・ヒリュー。地久和(ちくわ)高校の1年生の男子生徒で、身長187cmと大柄な体格で茶髪である。頑強な肉体と腕力を持ち、地元では「ドラゴン」という通り名で有名という設定である。サイレンと関わって行方不明になった後輩・タツオを探すため、自身もサイレンのテレホンカードを使ってサイレンドリフトとなる。アゲハ・雨宮とは小学校の時、半年間だけ同じ学校に所属しており、サイレン世界でアゲハ・雨宮と再会した当初はお互い気付いていなかったが、後にお互いのことを思い出した。小学生時は身長が低く気弱ないじめられっ子で、牛乳を無理矢理飲まされるなどアゲハから玩具のように遊ばれていた。 サイレン世界の大気に感染してPSIの力に目覚め、アゲハと共に雨宮とマツリからPSIの指導を受け、ドラゴンのような翼や尾を具現化する能力を開発する。シャイナとの戦闘において上空4000メートルに転送され、PSI能力を駆使して辛うじて生き延びるも負傷するが、ヒリューの落下を偶然目撃したタツオと再会を果たして救助された。その後、5回目のゲームで窮地に陥っていたアゲハ達を救うために、タツオ・クサカベとともに現れ、空を覆っている膜を破壊してジュナスたちを撤退させた。10年後の未来では、小学校の教師になっている。 望月朧(もちづき おぼろ) 21歳のアイドル俳優。落ち着いた大人なイメージで売っているが、実際はやや幼稚で退屈を嫌い、スリルを好む性格である。赤いテレホンカードを拾ってサイレンドリフトとなり、それをテレビで公表した際、エルモアと知り合う。後日、サイレン世界に飛ばされ、アゲハ達と知り合う。人生を楽しむことを主眼に置いており、そのためには自身が危険な目に遭うことも、他者を利用することも厭わない。サイレンドリフトになったのもそのためである。自分の性質を自覚しており、表向きは常識人を装いアゲハ達に積極的に協力するが、マツリにはその本性を危惧されている。2回目のゲーム終盤、キュアの力に目覚める。4回目のゲームで、シャイナから致命傷を受けた状態でイルミナス・フォージ実験場跡に飛ばされ、その際にキュアを応用した新たな力「生命融和(ハーモニウス)」に目覚め、廃棄されたイルミナを取り込んで死を免れた。また、その際に強化された彼の生命波動がネメシスQの通信を妨害し、アゲハ達と連絡ができなくなった。その後、偶然スカージのオドと出会い、彼を殺害して成り変わり、W.I.S.E.に潜入した。グリゴリ07号が解放された後、イルミナはすべて取り外された。10年後の未来では、俳優を辞め、画家や事業家などさまざまな職業に就き大成功を収めたのち、飽きてまた別の職に就くということを繰り返している。 PSIは、生命を創り変えて己の身体に取り込む「生命融和(ハーモニウス)」である。禁人種の身体と融合し、操作する。また、自分の身体を創り変えて大量のイルミナを組み込み、力を底上げしている。キュアも扱えるが、応急処置程度であり、自分自身を治療することはできない。 霧崎兜(きりさき かぶと) 軽い性格の青年。男性と女性とでは接する態度が異なるため、女絡みになると大概トラブルを起こしたり、猫のような仕草をしたりするなど、ひょうきんな面がある。視力が高く、身軽である。ジャーナリストの叔父を持ち、訪問しては金を借りている。雨宮を「リトルバニー」と呼んでいる。サイレンドリフトになった当初は、サイレン世界の存在を認められず逃げていたが、サイレン世界で叔父の死体を目の当たりにし、カブトに宛てた遺言やアゲハ達との共闘を通して心境が変化し、危険を事前に察知する幻視「脅威(メナス)」を発現させた。その後、ヨヨとの邂逅やイアンによるライズの教授によって戦闘技術を身に付けた。W.I.S.Eとの最終決戦後は戦場カメラマンとなり、PSIを用いてどんな危険な戦場からも帰還することから「奇跡の男」と呼ばれている。ヨヨ カブトの心の中にいる存在。牛のような角の生えた仮面に、虎柄のマントを纏ったような姿をしている。台詞は全てひらがなとカタカナが入れ替わっており、フォントも独特のものが使用されている。4回目のゲームで、カブトがドルキの爆撃からアゲハを庇い昏睡状態に陥っている際に、カブトの精神世界内で初めて登場した。カブトの眼に映る「死の脅威」とされる光を祓い、災難から逃れる能力「弱者の(チキンソウル)パラダイム」を持つ。さらに、その光を集めて相手に叩き込み、「死の脅威」を相手に返すことも可能である。
※この「サイレンドリフト」の解説は、「PSYREN -サイレン-」の解説の一部です。
「サイレンドリフト」を含む「PSYREN -サイレン-」の記事については、「PSYREN -サイレン-」の概要を参照ください。
- サイレンドリフトのページへのリンク