ナス ナスの概要

ナス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/05 00:38 UTC 版)

ナス
ナスの果実
ナスの果実
分類
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : キク類 Asterids
: ナス目 Solanales
: ナス科 Solanaceae
: ナス属 Solanum
: ナス S. melongena
学名
Solanum melongena L. (1753)[1]
和名
ナス
ナスビ
英名
aubergine(英)
eggplant(米、豪)
brinjal(南アジア、南アフリカ)

クセのない味わいと火を通したときのなめらかな食感が特徴で、品種によって様々な調理法があり、料理のジャンルを問わず使えるため、定番の野菜として欠かさないものとなっている[4][5]

名称

和名ナス語源については諸説あり、実の味から「中酸実」(なかすみ)の略であるとする説[6][7]、夏に実がなるので「夏実」(なつみ)と読んだが、それが訛って「なすび」(奈須比)と呼ばれたとする説がある[8]。室町時代頃に宮廷の女官が女房言葉として「おなす」と呼び[7]、その呼称が定着した。

英名はオーバァジーン(Aubergine)(主に英国)、またはエッグプラント(Eggplant)(主に北米)で、仏名はオーベルジーヌ(aubergine)、伊名はメランザーナ(melanzana[9]漢名ではチェ(茄 Qie4)もしくはチェーズー(茄子 Qie4zi)の名で広く栽培される[3]。「茄」は植物をさし、「茄子」は果実をさすともいわれている[8]

特徴

インドの原産[10]。原産地など熱帯地域では多年草であるが、温帯地域では一年草として畑で栽培されている[10]

は黒紫色で、高さ60 - 100センチメートル (cm) になる[10]。中には茎にトゲが見られるものがある[10]互生し、葉身は卵状楕円形で、葉縁は波打ち、葉柄に近いところでは左右非対称になる[10]。葉にはトゲがあり、毛が生えている。

花期は夏から秋で、葉腋と次の葉柄の途中に花柄を出して、紫色のを下向きに1個から数個咲かせる[10]。ひとつの花柄に複数の花が咲いても、基部の1個以外は結実しない[10]

果実は品種によって形も色も様々で、色はふつう紫色であるが、中には緑色、白色のものがある[11]果肉は密度が低くスポンジ状である。ヘタの部分にはトゲが生えているものがあり、鋭いトゲは鮮度を見分ける方法の目安となるが、収穫の作業性向上や実に傷がつくという理由から棘の無い品種も開発されている。

ナスは寒さや乾燥には弱く、日当たりがよくて水を好む性質がある[12]


注釈

  1. ^ 卵型の白い果実が一般的だった地域の英語名が“eggplant”となっている。

出典

  1. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Solanum melongena L. ナス(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年8月5日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k 猪股慶子監修 成美堂出版編集部編 2012, p. 86.
  3. ^ a b c d e 貝津好孝 1995, p. 146.
  4. ^ a b c d e f g h i 主婦の友社編 2011, p. 24.
  5. ^ a b c d e f g h i j 小川正 (2016年7月20日). “湖国の食 ナス 多様な料理を楽しむ”. 中日新聞 (中日新聞社): p. 朝刊 びわこ版 17 
  6. ^ 加納喜光『動植物の漢字がわかる本』山海堂、2007年、182頁。ISBN 4-381-02200-9 
  7. ^ a b 石尾員浩『野菜と果物 ポケット図鑑』主婦の友社、1995年、118頁。ISBN 4-07-216639-1 
  8. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z 講談社編 2013, p. 67.
  9. ^ 講談社編 2013, p. 64.
  10. ^ a b c d e f g 田中孝治 1995, p. 198.
  11. ^ a b c d e f g h i j 田中孝治 1995, p. 199.
  12. ^ 学研・たまねぎ舎編 2015, pp. 36–37.
  13. ^ 大久保 1995, p. 148.
  14. ^ a b c d e f g h i j k l m n 猪股慶子監修 成美堂出版編集部編 2012, p. 87.
  15. ^ a b c d 学研・たまねぎ舎編 2015, p. 31.
  16. ^ a b c d e 竹下大学 2022, p. 80.
  17. ^ 武光誠『歴史からうまれた日常語用語辞典』東京堂出版、1998年、230-231頁。ISBN 4-490-10486-3 
  18. ^ a b 竹下大学 2022, p. 81.
  19. ^ 大竹大学 2022, p. 81.
  20. ^ a b c d e f g h 主婦の友社編 2011, p. 28.
  21. ^ a b c d e f g h i 猪股慶子監修 成美堂出版編集部編 2012, p. 241.
  22. ^ a b c d e f g 板木利隆 2020, p. 22.
  23. ^ 学研・たまねぎ舎編 2015, p. 36.
  24. ^ 板木利隆 2020, p. 23.
  25. ^ 板木利隆 2020, p. 26.
  26. ^ a b c d e f 主婦の友社編 2011, p. 29.
  27. ^ 学研・たまねぎ舎編 2015, p. 38.
  28. ^ a b c 主婦の友社編 2011, p. 30.
  29. ^ a b 学研・たまねぎ舎編 2015, p. 39.
  30. ^ a b c d e 学研・たまねぎ舎編 2015, p. 40.
  31. ^ a b 板木利隆 2020, p. 24.
  32. ^ 学研・たまねぎ舎編 2015, p. 30.
  33. ^ 金沢市中央卸売市場>豆知識>青果雑学>なす
  34. ^ a b c d e f g h i j k l m 主婦の友社編 2011, p. 25.
  35. ^ a b c d e f g h i 竹下大学 2022, p. 84.
  36. ^ a b c d e f g 講談社編 2013, p. 66.
  37. ^ a b c 竹下大学 2022, p. 82.
  38. ^ a b c 竹下大学 2022, p. 83.
  39. ^ 学研・たまねぎ舎編 2015, p. 34.
  40. ^ 竹下種苗 2022, p. 84.
  41. ^ a b c d 竹下大学 2022, p. 85.
  42. ^ しみずの農産物・ナス JAしみずホームページ
  43. ^ 萩たまげなす | ぶちうま!やまぐち.net~やまぐちの農林水産物~”. www.buchiuma-y.net. 2019年9月1日閲覧。
  44. ^ 学研・たまねぎ舎編 2015, p. 32.
  45. ^ 学研・たまねぎ舎編 2015, p. 35.
  46. ^ 猪股慶子監修 成美堂出版編集部編 2012, pp. 87, 98.
  47. ^ a b 文部科学省 「日本食品標準成分表2015年版(七訂)
  48. ^ 厚生労働省 「日本人の食事摂取基準(2015年版)
  49. ^ 日本食品標準成分表2015年版(七訂)第2章 日本食品標準成分表 6.野菜類”. 文部科学省. p. 9. 2020年6月24日閲覧。
  50. ^ a b 講談社編 2013, p. 69.
  51. ^ a b 世界初!ナス由来の成分による血圧改善、気分改善効果を実証|What's New”. www.adeka.co.jp. ADEKA. 2020年6月24日閲覧。
  52. ^ a b ナスのヘタに含まれる天然化合物、子宮頸がん細胞に抗腫瘍効果 名大”. 科学技術振興機構 (2024年1月5日). 2024年1月15日閲覧。
  53. ^ 【抗がん成分を発見?】なすのへたで「長生きスープ」つくってみた!”. がん情報チャンネル・外科医 佐藤のりひろ. 2024年1月15日閲覧。
  54. ^ 学研・たまねぎ舎編 2015, p. 41.
  55. ^ 第3章 調理室における衛生管理&調理技術マニュアル”. 文部科学省. 2020年6月5日閲覧。
  56. ^ 講談社編 2013, pp. 68–69.
  57. ^ 地球の歩き方編集室 編『世界のグルメ図鑑』学研プラス地球の歩き方BOOKS 旅の図鑑シリーズ〉、2021年7月26日、133頁。ISBN 978-4-05801659-6 
  58. ^ Çiğdem TEZ(チーダム・テズ)(著)、天野かよ 訳(編)「トルコの暮らしと食文化」『食品と容器』第57巻第1号、缶詰技術研究会、2016年、52-58頁。 
  59. ^ 服部幸應『世界の六大料理基本事典』東京堂出版、2015年2月20日、208頁。ISBN 978-4-490-10858-3 
  60. ^ Uses of Tropical Grain Legumes: Proceedings of a Consultants Meeting, 27-30 Mar 1989, ICRISAT Center, India. ICRISAT. (1991). pp. 108, 335. ISBN 978-92-9066-180-1. https://books.google.com/books?id=GNKzAAAAIAAJ 
  61. ^ 主婦の友社編 2011, p. 11.
  62. ^ 根田仁、毒きのこ類 森林科学 Vol.54 (2008) p.39-42, doi:10.11519/jjsk.54.0_39





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