果皮
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/11 22:38 UTC 版)
果皮(かひ、英: pericarp)とは、果実において、雌しべの子房壁に由来する部分のことである。果皮は厚く肉質であるものから、薄く乾質であるものまである。また果皮は、外側から外果皮、中果皮、内果皮に分化していることもある。果皮は種子を包んでおり、種子を保護するとともに、しばしば効率的な種子散布のための構造・機構をもつ。
注釈
出典
- ^ a b c d e f 果皮. コトバンクより2022年12月3日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k 清水建美 (2001). 図説 植物用語事典. 八坂書房. p. 92. ISBN 978-4896944792
- ^ a b c d 巌佐庸, 倉谷滋, 斎藤成也 & 塚谷裕一 (編) (2013). “果実”. 岩波 生物学辞典 第5版. 岩波書店. p. 215. ISBN 978-4000803144
- ^ a b 山崎敬 (編集), 本田正次 (監修), ed (1984). “1. 果実”. 現代生物学大系 7a2 高等植物A2. 中山書店. pp. 101–110. ISBN 978-4521121710
- ^ a b c Beck, C. B. (2005). “Fruit development and the role of fruits in seed dispersal”. An Introduction to Plant Structure and Development. Cambridge University Press. pp. 367–369. ISBN 978-0521837408
- ^ Stuppy, W. (2004). Glossary of Seed and Fruit Morphological Terms. Seed Conservation Department, Royal Botanic Gardens, Kew, Wakehurst Place. pp. 1–24
- ^ 巌佐庸, 倉谷滋, 斎藤成也 & 塚谷裕一 (編) (2013). “石果”. 岩波 生物学辞典 第5版. 岩波書店. p. 781. ISBN 978-4000803144
- ^ 巌佐庸, 倉谷滋, 斎藤成也 & 塚谷裕一 (編) (2013). “閉果”. 岩波 生物学辞典 第5版. 岩波書店. p. 1258. ISBN 978-4000803144
- ^ 巌佐庸, 倉谷滋, 斎藤成也 & 塚谷裕一 (編) (2013). “裂開果”. 岩波 生物学辞典 第5版. 岩波書店. p. 1488. ISBN 978-4000803144
- ^ 大橋広好, 門田裕一, 邑田仁, 米倉浩司, 木原浩 (編), ed (2015). “植物用語の図解”. 改訂新版 日本の野生植物 1. 平凡社. pp. 10–17. ISBN 978-4582535310
- ^ 原襄・西野栄正・福田泰二 (1986). “果実”. 植物観察入門 花・茎・葉・根. 培風館. pp. 47–68. ISBN 978-4563038427
- ^ 岩瀬徹・大野啓一 (2004). “いろいろな果実”. 写真で見る植物用語. 全国農村教育協会. pp. 118–126. ISBN 978-4881371077
- ^ 福原達人. “8-4. 動物被食散布”. 植物形態学. 福岡教育大学. 2022年12月2日閲覧。
- ^ 小林正明 (2007). “子房が多数の小さな種子を包む、子房が少数の大きな種子を含む”. 花からたねへ 種子散布を科学する. 全国農村教育協会. pp. 120–133. ISBN 978-4881371251
- ^ 岡本素治 (1992). “果実の形態にみる種子散布 (総説)”. 植物分類, 地理 43 (2): 155-166. doi:10.18942/bunruichiri.KJ00001078987.
- ^ 小林正明 (2007). “食べ残し散布”. 花からたねへ 種子散布を科学する. 全国農村教育協会. pp. 159–167. ISBN 978-4881371251
- ^ 多田多恵子 (2008). “ドングリの仲間”. 身近な植物に発見! 種子たちの知恵. NHK出版. pp. 112–115. ISBN 978-4140402306
- ^ 斎藤新一郎 (2000). “貯食型散布”. 木と動物の森づくり. 八坂書房. pp. 99–107. ISBN 978-4896944600
- ^ 福原達人. “8-3. 動物付着散布”. 植物形態学. 福岡教育大学. 2022年12月2日閲覧。
- ^ 小林正明 (2007). “かぎで動物にくっ付いて、粘液で動物にくっ付いて”. 花からたねへ 種子散布を科学する. 全国農村教育協会. pp. 172–194. ISBN 978-4881371251
- ^ 小林正明 (2007). “水に浮いて移動する”. 花からたねへ 種子散布を科学する. 全国農村教育協会. pp. 200–209. ISBN 978-4881371251
- ^ a b c d 福原達人. “8-2. 非動物散布”. 植物形態学. 福岡教育大学. 2022年12月2日閲覧。
- ^ 小林正明 (2007). “翼で飛ぶ”. 花からたねへ 種子散布を科学する. 全国農村教育協会. pp. 63–89. ISBN 978-4881371251
- ^ 小林正明 (2007). “鞘などで風を受ける”. 花からたねへ 種子散布を科学する. 全国農村教育協会. pp. 90–94. ISBN 978-4881371251
- ^ a b 小林正明 (2007). “はじき飛ばす”. 花からたねへ 種子散布を科学する. 全国農村教育協会. pp. 217–228. ISBN 978-4881371251
- ^ a b 多田多恵子 (2010). “自動散布”. 身近な草木の実とタネハンドブック. 文一総合出版. pp. 60–69. ISBN 978-4829910757
- ^ a b 牧野晩成 (1985). グリーンブックス44 果物と野菜の観察. ニュー・サイエンス社. pp. 16–21, 34–35, 38–45. ISBN 4-8216-0044-7
- ^ 梶浦一郎 (2009). “果物として利用する栽培植物”. In 石井龍一・岩槻邦男・竹中 明夫・土橋豊・長谷部光泰・矢原徹一・和田正三. 植物の百科事典. 朝倉書店. pp. 347–349. ISBN 978-4-254-17137-2
- ^ 飛騨健一 (2009). “野菜として利用する栽培植物”. In 石井龍一・岩槻邦男・竹中 明夫・土橋豊・長谷部光泰・矢原徹一・和田正三. 植物の百科事典. 朝倉書店. pp. 341–346. ISBN 978-4-254-17137-2
- ^ 果菜類. コトバンクより2022年12月20日閲覧。
- ^ 果物. コトバンクより2023年5月12日閲覧。
- ^ 牧野晩成 (1985). “ナツミカン”. グリーンブックス44 果物と野菜の観察. ニュー・サイエンス社. pp. 24–27. ISBN 4-8216-0044-7
- ^ 小林正明 (2007). “子房内の毛が大きくなる”. 花からたねへ 種子散布を科学する. 全国農村教育協会. pp. 134–135. ISBN 978-4881371251
- ^ 牧野晩成 (1985). グリーンブックス44 果物と野菜の観察. ニュー・サイエンス社. pp. 2–11. ISBN 4-8216-0044-7
- ^ インゲンマメ. コトバンクより2022年12月4日閲覧。
- ^ エンドウ. コトバンクより2022年12月4日閲覧。
- ^ オクラ. コトバンクより2023年5月27日閲覧。
- ^ オリーブ油. コトバンクより2023年5月12日閲覧。
- ^ パーム油. コトバンクより2023年5月12日閲覧。
- ^ コショウ. コトバンクより2023年5月27日閲覧。
- ^ トウガラシ. コトバンクより2023年5月27日閲覧。
- ^ 近森麻矢, 加藤麗奈 & 上東治彦 (2014). “柑橘果皮由来エッセンシャルオイルの食品への応用”. 高知県工業技術センター研究報告 45: 10-12.
- ^ a b 斎尾恭子 (2009). “資源作物としての豆”. 豆類時報 56: 20-27 .
- ^ “チンピ (陳皮)”. 生薬一覧. 日本漢方生薬製剤協会. 2022年12月4日閲覧。
- ^ ケシ. コトバンクより2023年5月12日閲覧。
- ^ 陳皮. コトバンクより2022年12月4日閲覧。
- ^ カボチャ. コトバンクより2023年5月12日閲覧。
- ^ ヒョウタン. コトバンクより2023年5月12日閲覧。
- ^ a b ココヤシ. コトバンクより2023年5月12日閲覧。
- ^ ヘチマ. コトバンクより2023年5月12日閲覧。
果皮
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 08:51 UTC 版)
果皮を乾燥させたもの(石榴果皮:せきりゅうかひ)も樹皮や根皮と同様の目的で用いられることが多く、中国やヨーロッパでは駆虫薬として用いた。ただし、根皮に比べ揮発性アルカロイドの含有量は低く効果も劣る。また、回虫の駆除に用いられたこともあった、犬回虫を用いた実験では強い活性はみられなかった。日本や中国では、下痢、下血に対して果皮の煎剤を内服し、口内炎や扁桃炎のうがい薬にも用いられた。プリニウスは、果皮を利尿に用いるとしている。熱がある人には服用は禁忌とされる。
※この「果皮」の解説は、「ザクロ」の解説の一部です。
「果皮」を含む「ザクロ」の記事については、「ザクロ」の概要を参照ください。
果皮
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 16:54 UTC 版)
サジーの果皮には、フラボノイド、カロテノイド、植物ステロールおよびアミノ酸などの活性物質のほか、食物繊維が多量に含まれている。
※この「果皮」の解説は、「サジー」の解説の一部です。
「果皮」を含む「サジー」の記事については、「サジー」の概要を参照ください。
果皮
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 21:34 UTC 版)
秋9 - 10月ごろ、果実が熟して黄色や赤色になった時に採集し、それを陰干しすると果皮が開いて黒色種子が出てくるので、種子を除いて果皮だけを集めた物を「山椒」と呼んでいる。中の黒い種子は食用にしない。
※この「果皮」の解説は、「サンショウ」の解説の一部です。
「果皮」を含む「サンショウ」の記事については、「サンショウ」の概要を参照ください。
果皮
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 14:10 UTC 版)
レモンの皮には他の柑橘類の皮と同じくペクチンが多量に含まれるため、マーマレードに加工することが可能である。また、実をくりぬいたレモンの皮の中にゼリーなどを流し込み菓子とすることもよく行われる。 レモンピールレモンの皮を砂糖で煮つけ、グラニュー糖をまぶしたものはレモンピールと呼ばれ、ケーキなどの洋菓子に使用される製菓材料となる。また、カクテルに風味をつけるため、すりおろしたレモンの皮を絞りかけることも同じくレモンピールと呼ばれる。ただし、輸入されたレモンには輸出時に発癌性のあるポストハーベスト農薬をかけられる。 リモンチェッロレモンの皮を使ったリキュールで、レモンの果皮を純アルコールに浸漬したあと取り出し、砂糖水を加えて1週間から1か月ほど置く製法が一般的である。色はレモンの黄色である。
※この「果皮」の解説は、「レモン」の解説の一部です。
「果皮」を含む「レモン」の記事については、「レモン」の概要を参照ください。
果皮
「果皮」の例文・使い方・用例・文例
- 熟した果皮のように、力で押しあける
- 外果皮の、または、それに関して
- 柑橘類の果皮の薄切りを砂糖のシロップで煮たもの
- 干し果物・ナッツ・柑橘類の果皮などを入れた、こくのあるケーキ
- 酸っぱいオレンジの果皮で香りをつけた
- モモやブドウの皮のような、果実の果皮の最外層
- 果皮の中間層
- 種子を含むいくつかの果実(モモ、プラム、チェリーまたはオリーブとしての)の果皮の固い内側(通常樹木の茂った)の層
- 乾いた裂開性果皮または例えば苔の構造を含む胞子
- 果実の壁から区別される種を持つ小さな乾燥した果皮非裂開性果物
- かぎ状突起またはとげを持つ、果皮
- 厚い木質の外果皮を持つ洋梨形の果実を実らせる高木
- 肉質の壁か果皮の中で1つまたは多くの種子を持っている単一の子房から得られた閉果:たとえばブドウ
- 成熟するにつれ,果皮が乾燥する果実
- 果皮の爆ぜる栗
- 果皮が裂開せずに散布される果実
- 堅い木質をもつ堅果の果皮
- 内果皮という,植物の果皮の内側の層
- 果実の最外層の果皮
- 翼果という果皮が飛び散る果実
果皮と同じ種類の言葉
- >> 「果皮」を含む用語の索引
- 果皮のページへのリンク