黒炭家
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「ONE PIECEの登場人物一覧」の記事における「黒炭家」の解説
光月家に仕えていた5つの大名家の一つ。かつて、光月家の跡取りが生まれず大名達が次期将軍を狙っていた時、オロチの祖父は将軍の座につくため、他の大名達を内乱を装って次々と暗殺した。しかし、あと一歩のところで跡継ぎのスキヤキが生まれ、将軍の座を逃した上に大名の暗殺計画も露見してしまう。これによって黒炭家は断絶となり、一族の人間は「大名殺しの一族」としてワノ国中の民から迫害を受けるようになった。そのため黒炭家の人間は、ワノ国の国民と光月家に強い恨みを抱いている。 黒炭 オロチ(くろずみ オロチ) 声 - 岩崎ひろし ワノ国将軍。 ワノ国出身。54歳。誕生日は9月23日。身長350cm。おとめ座。血液型XF型。好物はヤシオリの酒、サンマ。 チョンマゲ頭に王冠を被った、大きな顔と2本の出っ歯が特徴の二頭身の大男。カイドウの力を後ろ盾に、絶大な権力でワノ国を支配している。現在のワノ国では、開国を行おうとしたおでんと赤鞘九人男を討ち取った英雄として知られている。祖父の罪と黒炭家断絶は受け入れているが、残された親族までもが迫害を受けたことで国民全てを強く憎むようになり、最終的にはワノ国を滅ぼすことで復讐を果たそうとしている。謀略に長け、狡猾で警戒心が強く、自分への反抗の意志は決して許さない。あまりの用心深さゆえ、狂死郎をはじめとする家臣から小心者と陰口を叩かれているが、それを把握してなお自らの権力維持には一切の妥協をしない。カイドウからは悪政の才覚はあったと一定の評価を受けている。自尊心が強く短気な性格で、機嫌が悪くなると女子供にも容赦せず、見境なく暴れ回る。派手好きで、食べ物の好みにうるさい。多くの国民同様小紫に惚れ込んでいる。笑い声は「ぐふふふふ」「ムハハハハ」。 動物系幻獣種の悪魔の実「ヘビヘビの実 モデル“八岐大蛇”」の能力者。8つの頭を持つ大蛇に変身することができる。彼の剣術は「オロチ二刀流」と呼ばれているが、作中で本人が使ったことはない。一方で狙撃術はかなりのもので、走る馬の上から遠くに磔にされている康イエを撃ち抜いた。 黒炭家本家の生まれ。祖父が犯した大名殺しが原因で一家は断絶となり、若い頃は迫害から逃げ続ける貧乏暮らしを送っていた。41年以上前のある時、古寺で出会ったひぐらしから祖父の死の真相を聞かされ、さらに悪魔の実を与えられ、ワノ国の将軍になる計画を持ち掛けられる。彼女の提案に乗り、資金を貯めて武器を生産し、巨大な後ろ盾を得るため行動を開始。白舞の大名康イエの小間使いになって金庫から金を盗み、おでんから頻繁に金を借り、さらに分家出身のカン十郎を間者としておでんに送り込む。後にひぐらしの能力で周囲を欺き、おでんの弟分と偽り光月家に仕えるようになる。先代将軍スキヤキの死後、おでんが帰還するまでの代理という形で将軍の座につく。将軍に就くと大量の武器工場を建て、カイドウの力を盾にして圧政を敷く。25年前、帰還したおでんに命を狙われるが、国民を人質にすることで5年間裸踊りを続ければワノ国から出ていくと嘘の約束を取り付ける。 20年前、カイドウに敗れ捕らえられたおでんを釜茹での刑に処し、おでんが1時間耐え抜くと銃殺刑に変更し彼を死に追いやるが、処刑直前におでんによって錦えもん達の逃走を許してしまった。おでんの妻トキが遺した辞世の句を「20年後に光月家の侍達が自分を殺しに来る」と解釈し、光月の侍からの報復を日々恐れるようになる。数年前からワノ国で作らせた武器と引き換えに人造悪魔の実「SMILE」を輸入し、一方で人々が日々死亡しむせび泣く花の都のおこぼれ町を疎ましく思い、おこぼれの中に食べかけのSMILEを混ぜ、住民達から笑顔以外の表情を奪うという仕打ちを行った。 ワノ国編では、オロチ城にて武器を買い取るため交渉に来たCP-0と会談。その夜、火祭りの前哨戦として派手な宴を開く。配下の者たちに光月家の伝説を語った際、トコに笑われたことで激怒し、斬り殺そうとするも小紫に邪魔される。大蛇に変身して暴れ回り、小紫が狂死郎によって斬り捨てられると、トコに再び矛先を向けるが、ナミの妨害もあって取り逃がす。翌々日、捕らえられた康イエを小紫のお供に殉死させるため羅刹町の牢屋敷に赴き、自らの手で康イエを処刑する。後日、カン十郎からの報告で錦えもん達の新たな集合場所が常影港だと知り、火祭り前日に常影港へと続く全てのルートを塞ぐことで錦えもん達の作戦を妨害。火祭り当日、宴席でカン十郎から錦えもん達への妨害工作が失敗していたことを聞かされ、侍たちが自分の元へ来る可能性を恐れる。光月家の歴史を自らの手で終わらせるため、攫って来させたモモの助を宴の余興に処刑しようとする。その直後、カイドウが発表した「新鬼ヶ島計画」に対し異を唱えるが、即座に首を斬り落とされる。死亡したと思われたが何らかの手段で生き延びており、裏切られたことで逆上し城内に火を放つ。錦えもん達と対面すると大蛇に変身して始末しようとするも一瞬で返り討ちにされる。なおも生き延び、カン十郎に「火前坊」で全てを燃やし尽くすことを命じる。鬼ヶ島から脱出するためドーム内宝物殿で福ロクジュを待つ間、死んだと思っていた小紫と再会する。 黒炭 カン十郎(くろずみ カンじゅうろう) 声 - 山崎たくみ ワノ国の侍。赤鞘九人男の一人。光月家に家臣として潜入し、オロチに情報を流していた黒炭家の内通者。異名は「夕立ち カン十郎」。 ワノ国九里出身。34歳。誕生日は7月21日(夏の医者)。身長347cm。かに座。血液型X型。好きな食べ物は刺身のレタス巻き、ロールキャベツ。嫌いな食べ物は桃。趣味は水墨画。イメージ動物はホトトギス。 歌舞伎風の衣装を身に纏い、赤い長髪に顔を白塗りにした長身の男。背中に「辻死梅(つじしばい)」という巨大な筆(位列なし)を背負っている。帯刀はしておらず、この筆を武器として使う。両親を喪い迫害を受けた一件で心が壊れており、何者かに成りきることだけが快楽。死に場所を求めており、20年前の釜茹での刑では「共に死んでこそ完全な役が完成する」と本当に死ぬつもりだった。オロチからは、完璧な家臣を演じつつただ淡々と情報を送ってくるため不気味に見られながらもその忠実さから重宝されている。光月家への潜入中は朗らかな性格を演じていたが、実際は情の欠片もない冷酷な性格。本来の一人称は「おれ」だが、演技時の一人称は「それがし」で、語尾に「ござる」をつけていた。笑い声は「カッカッカ」。 超人系悪魔の実「フデフデの実」の能力者。筆で描いた絵を実体化させることができる。この能力で作り出したものは本物と同様の性質を持つ(食べ物なら実際に食べることができ、動物なら意思を持って行動する)。潜入中は絵が下手なふりをしており、実体化したものの質は低く、水に濡れると溶けてしまった。本来は自分そっくりの分身を作れるほど画力が高く、上手く描かれた絵は濡れても消えることはない。実体化した絵を遠隔操作することもできるが、体力を大きく消耗する。「武装色の覇気」の使い手。 黒炭家の分家の出身で、大衆演劇の一座に生まれた。しかし、黒炭家への迫害で両親を舞台上で殺され、自身も心を完全に失う。役者としての生き方しか知らず、何者かを演じることでしか生きられなくなる。その役者としての才をオロチに見出され、「本物の光月として生き、光月として死ぬ」という大役と悪魔の実を与えられた。その後、希美で日銭稼ぎのため、人の髪を切って筆を作っていた。おでんを狙い返り討ちに遭ったことで、彼の家臣になった。光月家の忠実な家臣として振舞う一方で、オロチに情報を送り、オロチがおでんに金を借りに来る度に必要額の倍の金を渡していた。また、20年前のおでんの討ち入りも報告していた。錦えもん達と共に20年の時を越えた後もオロチに情報を流し続け、ジャックの「ゾウ」襲撃を手引きしている。 ワノ国を離れ漂着したドレスローザで身を呈して錦えもんを逃がし、オモチャの家で人質となっていた。その後はスクラップ場に落とされたが、その壁の中に隠れてシュガーのオモチャ化を免れていた。ドレスローザ編で錦えもんと再会しスクラップ場から脱出するとウソップらと合流し、シュガーを狙撃するためウソップの絶叫顔の絵を実体化させ彼を援護した。ドフラミンゴによって「鳥カゴ」が収縮しだすとゾロに同行し「鳥カゴ」を止めるため協力した。ドレスローザでの一件後、ルフィ達と共に目的地である「ゾウ」に辿り着き、雷ぞうと合流。 ワノ国編では、魚屋として花の都に潜伏し、ナミ達と行動を共にする傍ら、討ち入りの計画・康イエによる集合場所の変更・日和の生存などをオロチに報告して錦えもんの作戦を狂わせる。討ち入り当日、オロチから役の終幕を告げられ、錦えもん達に正体を明かして百獣海賊団の船団に引き合わせる。だが、錦えもんの判じ絵の勘違いをそのままオロチに報告してしまい、妨害工作に失敗していたことに気付かなかった。モモの助を連れ去ると、鬼ヶ島でオロチに引き渡す。その後、モモの助の処刑の時間稼ぎのため裏口にて赤鞘の侍たちの前に立ちはだかるが、菊の丞に敗れる。深手を負うも生き延び、カイドウに敗れ宝物殿に逃れた錦えもん達におでんの絵で奇襲をかける。1階天井裏にておでんに成りすまし菊の丞に深手を与えるも、その直後錦えもんに討ち取られる。虫の息になっていたがオロチからの電伝虫で目を覚まし、彼の命令で「火前坊」を作り出して再び意識を失った。 初期設定では容姿が大きく異なり、当初の異名は「濡れガラス」だった。 技一覧 抜け雀 壁に描いた大きな雀を実体化させる。ただし下手に描かれているため、上手く飛べない。元ネタは落語の演目「抜け雀」。 昇り龍 甲板に描いた龍を実体化させる。ただし飛ぶことができず、上に行く際には這うように登る。ルフィ達からは「りゅーのすけ」(声 - 山口竜之介)と名付けられた。 ねこざえもん 描いた猫を実体化させる。 虎三郎(とらさぶろう) 描いた虎を実体化させる。 浮世夕立ち絵図(うきよゆうだちえず) 筆代わりにした髪から「墨雲」を発生させ、木箱を簡単に貫く無数の「墨の矢」を降らせる。 火前坊(かぜんぼう) 巨大な火の妖怪を実体化させる。オロチ曰く「黒炭家の燃える怨念」。その体に触れた相手を燃やすほか、壁をすり抜けることも可能。鬼ヶ島全体を爆破するために地下の武器庫を目指す。 黒炭 ひぐらし(くろずみ ひぐらし) 声 - 江森浩子 黒炭家の一員。オロチの支援者。故人。 祈祷師のような格好の老婆。光月家に強い復讐心を抱いている。笑い声は「ニキョキョキョキョ」。超人系悪魔の実「マネマネの実」の能力者。 国外からワノ国に戻り、オロチに黒炭家が断絶となった経緯を話し、悪魔の実を与え、将軍になるための計画を持ちかける。おでんに変身してスキヤキにオロチを売り込み、さらにはスキヤキに変身してオロチをスキヤキ亡き後の代理将軍に推薦し、計画通りオロチを将軍に仕立て上げた。20年前のカイドウとおでんの戦闘の際にはモモの助に化け、優勢だったおでんの油断を生み敗北させるが、この勝ち方に納得しなかったカイドウによって後に殺害された。 黒炭 せみ丸(くろずみ せみまる) 声 - 山口太郎 黒炭家の一員。オロチの支援者。琵琶法師。故人。 超人系悪魔の実「バリバリの実」の能力者。25年前、おでんに殺されそうになったオロチを能力で守った。
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