聖ウルスラ医科大学
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「英雄伝説 軌跡シリーズの登場人物」の記事における「聖ウルスラ医科大学」の解説
クロスベルにおける病院に当たる施設。医師(教授・准教授)の中には教会からスカウトされた神父も存在する。最新鋭の技術を使い、患者の世話をしている。最近ではメスを身体に入れる「手術」なども行われるようになったが、一般には受け入れられていない模様。 セシル・ノイエス 登場作:『VII』・『暁』・「閃IV」・『創』 声:大原さやか 聖ウルスラ医科大学の看護師で、ロイドの兄ガイの元婚約者。23歳(「零」・「碧」)→26歳(「閃IV」)。 ロイドにとっては姉同然の存在で、セシルのほうもロイドのことは完全に自分の弟扱いしている。ガイと結婚するはずだったが、「零」の3年前、結婚を翌月に控えていた時期に彼を失う。 人物 働き者で穏やかな女性で、看護師としても優秀だが、ロイドと一緒にいる人は誰でも彼と付き合っていると思ってしまうほどの天然ボケ(男性のランディも対象なのでロイドは非常に困っている)。さらにキーアを連れてきたロイドを見て、「結婚していたなんて…」と発言をする。 その見た目は特務支援課のメンバー全員が口を揃えて美人と評価し、ランディは自分好み、ティオは「ぐらまー」と語っている。 父マイルズは図書館の館長で、母レイテは専業主婦。劇団アルカンシエルの花形女優イリア・プラティエとは日曜学校以来の親友である。 殉職したガイのことを今も愛しており、その死を悲しんでいる。なぜ殺されたのか、誰の仕業だったのかと原因がわかれば「前に進める」ということをロイドに告げている。 「零」と「碧」では聖ウルスラ医科大学で若手看護師のまとめ役(看護主任みたいなこと)をしている。「閃IV」では正式に看護主任となっており、転院してきたユーゲントIII世の担当看護師も任されている。また、ユウナたち新VII組や復帰したリィン、オリヴァルト、アルフィンを手術前のユーゲントIII世の病室に案内し、面会にも立ち会っている。 「碧」終盤では、聖ウルスラ医科大学の名前の由来でもある伝説の聖女「ウルスラ」の末裔らしいことがツァイトによって示唆されている。 シズク・マクレイン 登場作:『VII』・『暁』・『創』 声:井上富美子 アリオスの娘。「零」では視力を失った少女として登場する。 来歴 「零」の5年前(1199年)にクロスベル市内で起こった導力車の爆発事故で失明してしまい、この時に母サヤも失う。それ以来、聖ウルスラ医科大学に長期入院して療養生活を送っている。 「零」 - 聖ウルスラ医科大学病院に入院する少女として登場。キーアと友人になる。 「碧」 - 名医セイランドによる手術を受け、手術そのものは成功したものの完治には至らず、周囲の光を感じ取れる程度の回復までにとどまる。終盤で《零の至宝》として目覚めたキーアの力によって視力は回復するが、アリオスがクロイス家の陰謀に加担していることやガイの死に関わっていることを知ってしまい、涙ながらにロイドに謝罪する。しかし、ロイドには慰められ、必ずアリオスとキーアを連れ戻すことを約束される。 「閃IV」 - 登場はしない。レミフェリア公国にいることが語られている。 プロフィール 年齢:9歳(「零」・「碧」) 身長:131cm(「零」・「碧」) 人物 聡明で朗らかな性格をしているが、聞き分けが良すぎ、遠慮しがちなところがある。そうした性格からキーアと出会うまで友達を作れずにいたため、周囲からは心配されていた。 芯が強く、「碧」で手術が成功したにもかかわらずわずかな回復にとどまったことで周囲が暗澹たる反応を示す中、回復したことを前向きに捉えていると語り喜んでみせる。 ヨアヒム・ギュンター 登場作:「零」B 声:金子英彦 聖ウルスラ医科大学の准教授。34歳(「零」)。 来歴 かつては《D∴G教団》の幹部司祭で、教団が行う人体実験などの実験を統括する責任者をしており、教団が誘拐した子供たちに《真なる叡智(グノーシス)》のプロトタイプを投与した実験データを回収して研究を重ねていた。 1198年、《グノーシス》の完成目前というタイミングで、《D∴G教団》殲滅作戦により教団は壊滅してしまう。その後、教団ロッジ《楽園》の情報を基にハルトマンの弱みを握り、彼を後ろ盾にしてクロスベルに落ち延び、聖ウルスラ病院に居場所を確保し、ハルトマンを介してルバーチェに命令を下せる立場を得る。そして、壊滅した教団ロッジから実験のデータを秘密裏に回収し、《グノーシス》の原材料である《プレロマ草》はクロスベル南部の湿地帯に群生しているという好条件も幸いし、《太陽の砦》地下深層の研究施設を利用し、《グノーシス》の研究開発を続ける。 「零」の3年前(1201年)、自分の存在に迫っていたガイ・バニングスを始末するようルバーチェに依頼する。ルバーチェによるものではなかったものの、ガイが死亡したため、露見することはまぬがれる。 「零」 - 聖ウルスラ医科大学病院の薬学と神経科の2部門を取り仕切る准教授として登場。釣り好きの飄々とした人物と見られていたものの、医師としては優秀ということで、過去の記憶を持たないキーアの診察や、ロイドらが入手した《グノーシス》の成分調査を依頼されるなど、支援課からも頼られる。しかし、終盤でアーネストの主治医であったことが発覚した上、彼の市長という地位への異常な執着振りと身体能力の向上という特徴が《グノーシス》服用者のそれとよく似ていたことから、黒幕であることを特務支援課に疑われる。しかし、その時点で既にベルガード門の警備隊隊員たちやルバーチェの構成員たちに《グノーシス》を服用させるよう手を回すことは済んでおり、彼らを自身の配下に置き千名近くの軍勢を整え、キーア奪取のためクロスベル市を襲撃させる。しかし、特務支援課に包囲網を突破されたうえ、本拠地としていた《太陽の砦》に突入され、エステルとヨシュアと合流したロイドたちと最後の戦いを繰り広げる。 グノーシスの力によってエステルたちの記憶からワイスマンの「魔眼」を真似るが精度は低く、ロイドの推理に事件の秘された部分を暴かれ、精神が弱ったところを彼の気合によって無効化される。追い詰められると従来の《蒼の叡智(グノーシス)》より完成度を高めた「最終形」である《紅の叡智(グノーシス)》を大量に服用して巨大な魔人に変貌し、戦闘の最中には暴走を引き起こすと地面から伸ばす腕の攻撃によって優位に立つが、レンとパテル=マテルの援護によって勝機をつかんだロイドたちに倒され、意味深な言葉を遺して消滅する。最期の瞬間には人の心を取り戻し、それに関しては素直に礼を述べている。 人物 薬学に詳しく、医師としては有能で熱意もあるが、天才というほどズバ抜けた発想の持ち主ではなかったとセイランド教授に評されている。眼鏡をかけた優男的な外見をしている。 どこか飄々としており、仕事を研修医のリットンに押し付けてはどこかへ行ってしまうので、たびたび周囲を困らせている。仕事をサボって釣りのイベントに参加していたところを、ロイドたちに連れ戻されたこともある。 《グノーシス》を服用し続けた影響で髪の色は白になってしまっているが、ふだんはなんらかの方法で髪の色を変えて欺いている。また、これも《グノーシス》を服用し続けた影響で、まったく眠らなくても活動できる身体になったため、医者の業務と併行して《グノーシス》の研究を行うことができた。《グノーシス》を服用したものを洗脳することが可能で、自分の意識を乗り移らせることもできる。 《グノーシス》についてはヨアヒムでも全貌を掴めておらず、《D∴G》教団に伝わった秘儀をもとに完成させて量産に成功したにすぎないと本人も認めている。 正体がわかると、ランディとエリィからは「(赤い星座以上の)外道」「人でなし」と言われ、エステルとヨシュアからは「(ワイスマンよりマシかと思ったが)ワイスマンの方が遥かにマシ」「ワイスマンはここまで狂気じみてはいなかった」と酷評される。その言葉どおり、「暁」では、「ある人物の死体からある人物への非合法な手術」を裏で行い、成功させていたことが発覚する。 戦闘上の性能 人間の姿では中世の錬金術師に由来する(エプスタイン財団製とは異なる)魔導杖を持ち、上位三属性のアーツを用いて戦う。 使用するSクラフトは「カラミティスフィア」。上空に魔法陣を形成して球体状の怪物を呼び出し、狂気の哄笑とともに刃のように鋭い光線を放ち、複数の対象を貫く。 魔人ヨアヒム 「零」におけるラストボス。ロイドたちに追い詰められた結果、切り札である《紅の叡智》を大量に服用したことで変異した形態で、鬼を思わせる姿となる。鎧のような皮膚を持つ見上げるほどの巨体を生かした攻撃と、上位アーツを用いる。対峙したヨシュアには「SC」のラストボスであるアンヘルワイスマン以上かもしれないと思わせるほどの脅威を与える。 七耀脈の上でこの姿に覚醒することで、《D》と接続することができ、「すべてを視る」ことができたため、クロスベルで起きた数々の事件の全貌と、「世界の真実」を知った様子である。 ある程度のダメージを与えると皮膚が剥がれ落ち、第二形態に変化しさらに強化される。しかし戦闘の最中、暴走を引き起こして正気を失ったばかりか肉体が崩壊し始め、最終的にはロイドたちの総攻撃によって倒されることで人としての心を取り戻し、狂気の果てに死亡する。 使用するSクラフトは「超功刃魔道剣」。額の角から落雷を放った後、右手を禍々しい刃に変化させて一気に振り下ろす。第二形態では「罵斗流怒愚魔」というSクラフトを用いる。掌底や膝蹴りと巨体から攻撃を繰り出した後、上空へ飛び上がって右手に炎・左手に氷のアーツを集中させて結合し、闇色の光線として射出する。さらには「司空三獣唱」というアーツによる連続攻撃まで使用する。「カラミティクロウ」によって移動能力を奪い、「ガリオンタワー」を呼び出して塔から無数の光弾を降り注がせ、最後に「ラストディザスター」によって大地を消滅させる。 セイランド教授 登場作:「碧」・『暁』・「閃IV」・『創』 声:大越多佳子 レミフェリア公国の医療機器メーカーであるセイランド社社長の親戚筋の女医。ヨアヒムの後任として赴任してきた。時間にうるさく、会うたびに予想していた時間より何分オーバーしていると口にする。 医師としても研究者としても優秀であると同時に、近代医療の限界についても謙虚に認めており、グノーシスの成分分析を担当した際は、わからないことはわからないということを述べている。 ヨアヒムとはレミフェリアの医科大学時代の同期であり、卒業してからは会っていなかったが、たまに手紙のやり取りを行っていた。旧知の彼が医の技術を悪用した末に自滅したことを嘆いている。 ルーシーとは親戚で、ルーシーのほうが本家筋にあたる。 『暁』では顔グラフィックが追加されている。《グノーシス》の成分データが入った記録結晶のレミフェリアへの運搬を、試験班に依頼する。 「閃IV」では、ユーゲントIII世の手術を担当している。
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