彼岸島に登場した邪鬼
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 17:18 UTC 版)
「彼岸島の登場人物」の記事における「彼岸島に登場した邪鬼」の解説
太郎(たろう) 身長:15m 体重:3t 必殺技:邪鬼使いの意のままに動くこと 着物を着ている巨大な邪鬼。口には無数の牙があり、長く伸びる舌がある。頭に被っている笠の下には巨大な単眼が存在する。腹には女性器のような形状をした口が存在し、そこから人間の血を一気に吸い尽くす。この口の中にも長く伸びる舌がある。少々の感情を持っているらしく、自分に重傷を負わせた明や篤、邪鬼使いである太郎の祖父のお仕置きに対して恐怖心を抱いていた。 抵抗組織の隠れ里を襲撃し、捕えた人間達の護衛をしていたが明と篤の共闘により倒される。その後、邪鬼使いである祖父の指揮により着物を脱いだ状態で再度明達の前に現れ、前述の腹部の口から伸びる舌を使って人間軍を苦しめる。しかし、明によって左足部分の足場を崩されて崖から転落して雪崩に巻き込まれる。 【最後の47日間】では最後の育成所がある離れ島の港の第二関門にて、祖父の命令により再度明達の前に現れ、田中ナオトを捕えて血を吸い尽くした。更に明を捕らえるが、直後に祖父が死亡したことにより暴走し、明の誘導により第二関門突破に利用される。その後も明を追いかけるが、加藤が張った特殊ワイヤーの罠まで誘導され、全身を輪切りにされて死亡した。 姫 身長:31m 体重:8t 必殺技:強酸性母乳巻きつき 初の女性型邪鬼。炭鉱内で唯一若い女性の顔をしていることから五十嵐中佐の皮肉によって「姫」と名付けられる。巨大なムカデのような見た目をしており、その表面に無数の乳房、背面には背骨、側面の左右には数え切れない程の人間の腕がある。女性の顔の顎部分にも巨大な口があり、この口で獲物を捕食する。乳首からは母乳を噴き出すが、その主成分は硫酸である。目を合わせると形相が大幅に変わり、生物を執拗に喰い殺そうとする習性を持つ。普段は炭鉱の螺旋階段の空洞を上下に徘徊しながら潜んでいる。暗い炭鉱内に非常に長い間おり、極端に光に弱い。 明達が炭鉱で501ワクチンを探していた道中で遭遇し、明が目を合わせてしまったことから執拗に追い掛け回した。一度は振り切るが、炭鉱を脱出する道中で再度追跡した。追跡を続けるうちに外に出てしまい、日光に目がくらんで炭鉱内に逃げ込んだ。後に雅が彼女を発見し、抵抗組織が病院の集落を制圧した直後に明が不在の隙を突いて他の邪鬼と共に襲撃した。襲撃後は雅の手によって剥製にされ、五重塔の剥製の間に飾られる。 あしなが婆さん 足が長い老婆の姿をした女郎蜘蛛(絡新婦)の姿をした邪鬼。胸からとても垂れた乳房が垣間見える。額には5つの蜘蛛の目があり、歯茎から牙を出す。尾と口から糸を吐き、尾は麻痺性の毒針にもなっている。人間を糸でぐるぐる巻きにしてから食べる。命名者は師匠と田中ナオト。病院の集落にある病院を縄張りにしている。 その正体は田中ナオトの母親であり、本名は田中 美香子(たなか みかこ)。村一番の美人で師匠も彼女のことを知っていた。吸血鬼の血が混ざった水を飲んだことで感染し吸血鬼になるが、田中ナオトによって自分の血を与えて密かに匿われる。しかし、ナオトが任務により長期外出をしている間に邪鬼に変態してしまうが、ナオトに対しては微かに意識が残っており、ナオトはそれを利用して彼女の邪鬼使いになった。 病院の集落が抵抗組織の総攻撃により制圧されそうになったところに現れ、音もなくユキ、ケンちゃん、加藤を捕らえて病院に連れ去る。病院に潜入した明と師匠の共闘の末、手足を斬り落とされ屋上まで逃げ込み追い詰められ、涙を流しながら命乞いをする。自分が助からないことを確信すると、残った理性で人間としての死を選んだ。明に刀で首を斬られ、更に頭を潰されて死亡する。 作中明が初めて完全に倒した邪鬼。 蛇 水上の集落にある蔵に幽閉した師匠を監視するため配置されていた邪鬼。見た目は巨大な蛇そのものであり、身体を伸ばすと蔵の天井を軽く突き抜けるほど長い体躯を持つ。舌には多数の人の顔があり、相手を嘲るような笑い声を上げる。刺激しなければ大人しいのだが、非常に敏感で水溜りに足を踏み入れた際の水音に反応するほどである。興奮すると首の周りに襟巻きが現れる。襟巻きには目(の模様)があり、相手に相当な威圧感を与える。蛇というだけあり動きは素早い。泳ぎも得意で手漕ぎのボートで逃げ切ることは到底できない。明たちが脱走させた村人を次々と喰らい、壊滅寸前のところまで追い詰めるが、西山が率いる別働隊の自家製のロケット弾による一斉射撃を浴び、森へ逃げ込んだ明たちを見失う。その後は暴走して水上の集落に残っていた吸血鬼達を襲い、集落壊滅の原因を作った。 なお、吸血鬼達のセリフから邪鬼使いが居たようだが、登場はせず消息不明。 満腹爺(まんぷくじじい) 温泉の集落にある地獄谷の地下洞窟に封印されていた邪鬼。人間型だが、頭が2つあり腹が餓鬼のように膨らんでいる。腹以外は白骨化したかの如く痩せこけている。名前は食欲旺盛であり、「いつも腹が減っているようだから」という理由で吸血鬼たちから命名されたもの。腕が非常に長く、どこまでも伸びる上に指も6本に発達している。視力はほとんどないらしく、匂いで獲物を見つけて捕食する。その嗅覚は離れた獲物の位置を的確に把握し、即座に手で掴むことができる程のものであるが、逆に鋭敏すぎるためか体に塗った糞の匂いで目の前にいる獲物さえ見失う。 元々は温泉の集落にて吸血鬼の管理下にあったが、邪鬼使いを食い殺してしまい、暴走して村の吸血鬼たちを襲って手が付けられなくなったため、最終的に斧神と雅の2人がかりで崖下にある洞窟に幽閉されたという。強酸の泉の中でも平気で動き回り、更に酸を口に含んで撒き散らしたりと、住処である地獄谷に順応している。満腹爺の顔をした巨大なゴキブリを産むことが出来、追い込まれると腹から一気に「産卵」する。 地獄谷に落ちた明と斧神を襲い、武器を持たない彼らを相手に優位に立つ。明を食らおうとするところまで追い詰めたが、武器(青龍刀と大型の鎖鉄球)を手に入れられ形勢逆転。強酸の泉へと逃げ込み、酸とゴキブリによる遠距離攻撃を行う。斧神の振り回した鎖鉄球に捕まった明に一気に接近され、背中に飛び乗った彼の圧倒的な猛攻によって両腕や肩、両首を斬り裂かれて死亡した。 チワワ様 雅のペット。なまはげの顔と虎のような胴体、人間の後肢を持った獣のような邪鬼。首の関節が無いかのように(あるいは、そもそも胴体と繋がっていないかのように)頭部だけを高速で回転させる事が出来る。並の吸血鬼なら一瞬で黒焦げになるほどに超高温の火炎を口から吐き出す。火炎放射の前に長い予備動作を要するが、この際に全身から耐え難い輻射熱を発するので、知識があれば「炎を吐こうとしている」事が分かるようになっている。 要塞寺のはずれの岩島上に立つ五重塔の1階に中に棲息しており、彼を外に出さないために五重塔の入り口は外側から閂がかかっている。五重塔に入った明に襲い掛かるも、隊長と手を組み逃げられる。雅が501ワクチンを撃たれ瀕死の重症を負った際にはサイコジャックによって操られ、ワクチンの効果が切れるまでの時間稼ぎに利用される。 【最後の47日間】では蚊の第二育成所から撤退しようとする抵抗組織の前に再登場する。人間軍を苦しめるが、師匠(邪鬼)によって押さえつけられ頭部を捕食されて死亡した。 大糞赤子 蚊の第一育成所の奥にある実験場にて幽閉されていた邪鬼。トカゲかサンショウウオのような巨大な図体に人間サイズの複数の前足、赤子の顔をしているが、頭の上に大きな口があり常に尻尾にある複数の肛門から大便を垂れ流して歩く。人間のゲロ(吐瀉物)が大好物でとてつもなく長いへその緒を触れられるのが大嫌いであり、触れると大暴れする。この邪鬼の吐く息は隊長曰く生物が浴びると肌がただれてやがて死ぬといっているが、実際は爛れる所か鉄をも溶かしてしまう。人間・吸血鬼はおろか邪鬼を食べる事さえある。 実験場にて吸血鬼の妊婦の腹で邪鬼化し、腹を突き破って生み出された。あまりの凶暴性を雅が大変気に入り、実験場で飼育されていた。 蚊の第一育成所脱出の途中で実験場に迷いこんだ明を襲撃する。最期は明と隊長にパイプで作った槍に手足を床に串刺しにされ動きを封じられ、頭中を複数の槍で貫かれ、首を斬られて絶命した。 師匠(邪鬼) 蚊の第二育成所にて閉じ込められた師匠が限界を迎えて変態した邪鬼。腹部が大きめの昆虫の見た目をしており、腹部には細い足が無数に生えており、胸部には人間ような巨大な両腕が生えている。その脇にハサミムシのようなものが生えており、それにより、壁や人間を切り裂ける。また、その部分からも飲食出来る。頭部には師匠の上半身がそのまま形を残している。足には薄い毛が生えており、それにより壁を登ることができる。 蚊の第二育成所にて師匠がこの姿になり、明達を苦しめた。明により邪鬼部分の口中にダイナマイトを投げ入れられ、爆発の影響で吸血鬼ウイルス媒介用の蚊の工場の瓦礫に埋もれた。そのまま絶命したかに見えたが、明たち人間軍の絶体絶命のピンチに際し、皆の師匠を呼ぶ声に呼応、邪鬼の本能を強靭な精神力で押さえ込み吸血鬼達の追撃を身を持って食い止め明たちを逃がす。更にはチワワ様を逆に食い殺すまでの獅子奮迅ぶりを見せるが、最後は不意に現れた雅に気付く間も無く邪鬼部分の首を切断される。 作中では唯一人間に味方した邪鬼であった。 牛乳女(うしちちおんな) 大糞赤子の母親が邪鬼化した姿。隊長曰く、最悪の邪鬼。乳が牛のように複数付いている。乳からは母乳が出るが、甘いだけで栄養は無い上に、ヘロイン並みの中毒性がある。一度飲むと止められなくなり、やがて栄養失調で死ぬまで飲み続ける。また、愛液は体にかかると皮膚が非常に爛れる(吸血鬼には効果は薄く、爛れた皮膚の治りも早い)。腕からは、鋭く長い爪が生えている。 かつては妊婦の吸血鬼だったが、体内の胎児が腹の中で邪鬼となり、大糞赤子が腹を突き破って誕生してしまう。腹を突き破られてもなお、母親の愛情で生きており、様子を見に来た研究員の吸血鬼に発見されるも、子を探して吸血鬼達に襲い掛かり、牢屋に入れられ、そこで邪鬼化した。 501ワクチンを隠した洞窟に放たれており、涼介と明を母乳の餌食にするが、隊長のおかげで僅かに正気を取り戻した明に乳を全て切り落とされ、最後は首を切り落とされ絶命した。作品では珍しく人間を捕食するシーンは無く、捕らえた人間を「ボウヤ」と呼ぶ。母乳の影響で、この邪鬼に母性をも感じる。明も「嫌いじゃない」と言い、亡骸の目を閉じて別れを告げた。 椿(つばき) おかっぱ頭の女性型の巨大な邪鬼。目の部分からチューブ状の触角が生えており、先端の牙が生えた口から人間や吸血鬼を吸い込む事が可能。のどの辺りに巨大な口があり、体のあちらこちらから指が生えている。視力は一切無い代わりに嗅覚が発達しており、時おり顔面に無数の小さな穴がプツプツと空き、ニオイをかいで獲物の位置を知る。 元は雅の付人の吸血鬼で、雅に片思いをしていた。次第に独占欲がつのり、自分のものにならないなら殺してしまおうと雅の飲むお茶に毒を盛ってしまう。その程度で雅は死なず、怒った雅や他の吸血鬼たちに追及されるが、それでも雅への想いは消えず「貴方を見ることがかなわない目など要らない」と、自分の両目を潰して謝罪し、死罪は免れた。その後邪鬼に変態し、地下の洞窟に作られた餌場で飼われており、吸血鬼や人間を痛めつけては捕食していた。邪鬼になっても目が無いままになっている。 地下の洞窟に落とされた明と隊長、そして後から合流してきた亮介と交戦する。明にギロチンで頭を切られたが、死ぬまでに時間がかかり、暴走の末に亮介を食い殺した。
※この「彼岸島に登場した邪鬼」の解説は、「彼岸島の登場人物」の解説の一部です。
「彼岸島に登場した邪鬼」を含む「彼岸島の登場人物」の記事については、「彼岸島の登場人物」の概要を参照ください。
- 彼岸島に登場した邪鬼のページへのリンク