常設展
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常設展示室のおもな展示品一覧。一部、展示替えもある。 スポット展示では、オランダ総領事から2016年に贈られたヒンデローペンの装飾缶(高さ75センチメートル)などを展示する。 第1展示室「人体に隠された科学への扉」 件名作者年代概要「阿蘭陀(オランダ)流外科免許状」 西玄甫 1677年 久原甫雲に授けたもの。 『蔵志』 山脇東洋 1759年 日本最初の解剖図録。 『解体新書』 - 1774年 原本『ターヘル・アナトミア』(復刻版)とともに収蔵。 木造人頭模型(複製) - 1794年頃 原資料は東京大学医学部蔵。 星野木骨(複製) 星野良悦 1790年代 世界初の木造人体模型で、「身幹儀」とよばれる。 『紅毛雑話』 森島中良 1787年 5巻5冊で成る。 『蘭学階梯』 大槻玄沢 1788年 乾坤2冊で成る。 『西説内科撰要』 宇田川玄随 訳 1793~1810年 ゴルテル『簡明内科書』の翻訳書。 『医範提綱』 宇田川玄真 訳 1805年 現在の医学用語の基となった日本語が多数考案された。 『ネーデルランド草木誌』 ペトルス・ニーランド 1682年 宇田川三代が西洋薬学に着目するきっかけをなった書物。 『和蘭薬鏡』 宇田川玄真 訳・宇田川榕菴 校 1820年 西洋の薬の製法や効用を紹介。 『遠西医方名物考』 宇田川玄真 著・宇田川榕菴 校補 1822~1825年 全36巻補巻9冊で成る。 『家庭百科事典(縮刷版)』 ショメール 1800~1803年 幕府が命じた江戸時代最大の翻訳事業。 『植学啓原』 宇田川榕菴 1834年 日本初の本格的な西洋植物学解説書。 『舎密開宗(セイミかいそう)』 宇田川榕菴 訳 1837~1847年 日本初の本格的な化学書。 『地震預防説』 宇田川興斎 訳 1856年 幕府の要請で翻訳された、地震対策の翻訳書。 眼球模型(複製) - 1823年頃 原資料はシーボルト記念館蔵。 コーヒーカン(再現品) - - 宇田川榕菴の自筆資料「観自在菩薩楼随筆」に描かれた絵から。 「オランダカルタ」 宇田川榕菴 描 - 複製品を資料館で販売。 「張込帖」 宇田川榕菴 蔵 - 榕菴が収集・模写した98種の資料集。 第2展示室「世界へと開かれていく眼」 件名作者年代概要『泰西名医彙講』 箕作阮甫 編 1836~1842年 日本初の医学専門雑誌。オランダの医学書や医学雑誌から主要な論文を選出し、翻訳して紹介した。 『和蘭文典』 箕作阮甫 編 1842、1848年 オランダ人モーチノルの著した学習書を和訳したもの。 『八紘通誌』 箕作阮甫 1851~1856年 オランダの体系的な地理書などを参考に、当時最新のヨーロッパの情勢を紹介したもの。 大村斐夫(おおむら あやお)宛箕作阮甫書簡 箕作阮甫 1854年 ロシアとの外交交渉の帰路に記された。ペリーの浦賀来航により帰郷できなくなったことなど、緊迫した外交の情勢を伝えている。 箕作阮甫書幅 箕作阮甫 - 死没の前年である1862年の正月の書初めや、友人の蘭学者・黒川良安の帰郷に際して詠んだ別れの漢詩などの書画。 箕作阮甫着用の裃 - - 阮甫が殿中で着用したものとされる。遠い祖先にあたる近江源氏の佐々木家が用いた「平四つ目」の家紋が染めぬかれている。 「新製輿地全図」 箕作省吾 1844年 当時最新の世界地図。植民地をカタカナで表記して帰属関係を明らかにしており、吉田松陰や桂小五郎ら多くの志士に影響を与えたとされる。 『坤輿図識(こんよずしき)』 箕作省吾 本編1845年~、補編1846年~ 数種類のオランダの地理書を参考に、病によって夭折した省吾が血を吐きながら執筆した世界地誌。 黒船来航絵巻 - 1854年頃 絵巻の端にペリー艦隊の乗組員から箕作秋坪が入手した名刺、紙巻きタバコ、蒸気機関車の絵が貼られている。 『格致問答』 箕作秋坪 翻刻 1858年 物理学の基礎を説いたヨハネス・ボイス『物理学教科書』の蘭文を翻刻したもの。 『扶氏経験遺訓』 緒方洪庵 訳・箕作阮甫 序 1858~1861年 ドイツ人の医師フーフェランドが著した内科医学書を翻訳。西洋内科書の集大成とされる。 第3展示室「日本の近代化と津山の洋学者」 件名作者年代概要種痘勧誘の引札 津山藩医・野上氏 1850年 津山に牛痘苗が伝わり、種痘が行われることになったとき、種痘の有効性や安全性を説くために出されたもの。 『種痘伝習録』 難波立愿(なんば りゅうげん) 1876年 備前金川で牛痘種痘を実施した難波抱節の長男が記した牛痘の様子。 『泰西国法論』 津田真一郎(真道)訳 1868年 オランダ留学中に学んだフィッセリングの講義の記録を翻訳したもので、憲法や行政法の解説書の先駆とされた。 『仏蘭西法律書 憲法』 箕作麟祥 1873年 日本初のフランスの近代法典を紹介した書籍。「権利」「義務」「不動産」などの日本語はこのとき造られた。 『初等幾何学教科書 立体幾何学』 菊池大麓 1895年(3版) 明治時代から大正にかけて広く使用された近代数学の教科書。「菊池の幾何学」の名声を高めた。 『普通教育動物学教科書註釈』 箕作佳吉 1901年 自身の著した教科書に解説を加え、動物学を教える際の心構えなどを記した教員のための注釈書。 『立体化学要論』 久原躬弦 1907年 化合物の立体構造や現象についてまとめた、日本初の立体化学書。本書を含む久原躬弦関係資料は、化学遺産に認定されている。 『箙梅日記(えびらうめにっき)』 箕作元八 1899~1901年 2度目のヨーロッパ留学中の日記で、フランス革命についての思いなどを綴った自筆資料。 『世界大戦史』 箕作元八 1919年 第一次世界大戦についてまとめる。著者代表作のひとつ。 『和英語林集成』 J.C.ヘボン 初版1867年(再版) 日本で初めての本格的な和英辞典で、第3版で「ヘボン式ローマ字」が初めて採用された。 精錡水(せいきすい)の看板・薬瓶 - 1867年~ 岸田吟香の販売した目薬。薬液を点眼する目薬としては日本初。 書簡など - - 小林令助宛杉田玄白(1805年)ほか、久原洪哉(くはら こうさい)、原村元貞(はらむら げんてい)、仁木永祐(にき えいすけ)、山田純造、芳村杏斎(よしむら きょうさい)ら美作地方の郷土の医師に関する資料。
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