家畜化の歴史とは? わかりやすく解説

家畜化の歴史

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 22:47 UTC 版)

ヒツジ」の記事における「家畜化の歴史」の解説

新石器時代から野生大型ヒツジ狩猟おこなわれていた形跡がある。家畜化始まったのは古代メソポタミアで、紀元前7000-6000年ごろ遺跡からは野生ヒツジとは異な小型ヒツジの骨が大量に出土しており、最古ヒツジ家畜化証拠考えられている。 家畜化されたヒツジ祖先は、モンゴルからインド西アジア地中海にかけて分布していた4種野生ヒツジ遡ることができる。中央アジアアルガリ現在の中近東にいるアジアムフロン、インドのウリアル、地中海のヨーロッパムフロンがこれにあたる。これら4種交雑が可能であり、遺伝学的手法によっても現在のヒツジの祖を特定するには至っていないが、いくつかの傍証からアジアムフロンが原種であるとの説が主流となっている。 ヒツジ家畜化するにあたって最も重要だったのは、脂肪と毛であった考えられている。肉や乳、皮の利用ヤギ優れ家畜化は1000-2000年程度先行していた。しかし山岳砂漠ステップなど乾燥地帯に暮らす遊牧民にとって、重要な栄養素である脂肪ヤギからは充分に得ることができず、現代でもヒツジ脂肪最良栄養源である。他の地域脂肪摂取主流となっているブタは、こうした厳しい環境下での飼育に適さず、宗教的に忌避されている。こうした乾燥酷寒地域では尾や臀部脂肪蓄え品種重視されている。それぞれ、脂尾羊、脂臀羊と分類される

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家畜化の歴史

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 07:43 UTC 版)

ヤギ」の記事における「家畜化の歴史」の解説

ヤギ新石器時代紀元前7千年ごろの西アジア遺跡から遺骨出土しており、家畜利用始まったのはその頃考えられている。従って、ヤギ家畜化イヌ次いで古いと考えられるしかしながら野生種家畜種の区別難しく、その起源について確定的ではない。またパサンベゾアール)が家畜化されたと考えられているが、ヤギ属他種との種間雑種由来する説もある。 従って、初め搾乳が行われた動物ヤギ考えられチーズバターなどの乳製品も、ヤギの乳から発明された。乳用のほか、肉用としても利用され、皮や毛も利用される群れ作って移動するヤギは、遊牧民の生活にも都合良く、肉や毛皮、乳を得ることを目的として、家畜化された結果分布域広げていったと考えられる一方農耕文明においては飼育されいたもの遊牧民ほどは重宝しなくなったヤギ農耕そのものには役に立たずヒツジの方が肉や毛皮良質であり、また、新たに家畜化されたウシの方が乳が多く農作業適していたからである。ただし、現在でも多く品種ヤギ飼育されている。 宗教ウシブタ利用しない文化においても、重要な家畜とされる子ヤギキッド)の革は脂肪分が少なく現代でも靴や手袋作るのに用いられるが、西洋では12世紀以降4-6の子ヤギの革が、羊皮紙原料としてヒツジ革と競合した。 日本在来種については、15世紀頃に東南アジアから持ち込まれ小型山羊起源とされるまた、ヤギ粗食耐えることから、18 - 19世紀遠洋航海者が重宝して船に乗せニュージーランドオーストラリアハワイなどに持ち込んだ経緯がある。ペリー艦隊小笠原諸島などにヤギ持ち込んでいる。日本ザーネン種については明治以降欧米より輸入された。1775-1776年に医師として日本滞在したスウェーデン人カール・ツンベルクトゥーンベリ)は、「彼らはヒツジヤギ持っていない」と記している。ただし琉球王国九州では、既に家畜化されていたようである。また、後述シバヤギは、キリシタン部落呼ばれた集落飼われ隠れキリシタン貴重な食料源となっていたとされるヤギの家畜化の歴史は、ヒツジの家畜化の歴史と同じくらいに古く、(2007年時点における)ほとんどの考古学者が、前9千年紀半ば(PPNB前期英語版))に南東アナトリアタウルス山脈南麓で、ヤギ家畜化始まった考えている。ヤギ家畜化動機は、食用肉、乳、毛や毛皮燃料のための糞の取得にあった考えられその他に実証難しいが犠牲祭目的も有力である。 なお、ヤギ家畜化中心地については、タウルス山脈南麓説のほかには、中心地複数にあったとする説もあり、具体的に家畜ヤギ祖先種である野生ヤギCapra aegagrus)の生息域であるザグロス山脈西部挙げられている。しかしながら在地Capra aegagrus が分布しているコーカサスですら、タウルス山脈南麓ザグロス山脈西部家畜化された家畜ヤギが前8千年紀人為的に移入されたことが、分子生物学的手法に基づく研究により示されている。また、20世紀後半時点では、考古時代イラン高原におけるヤギ飼育については組織的な研究なされていない現状がある。 西アジア各地遺跡から出土した古代人類ゴミとして捨てたヤギの骨の調査に基づくと、ヤギ肉消費量は、PPNB後期初頭(前7,500~前7,300年頃)までは、家畜ヤギより野生ヤギの方が多かった。それでもヤギ家畜化進展し、PPNB後期末(前7,000年頃)になると、本来は野生ヤギのいなかった地域にまで、東西地中海沿岸からザグロス山脈まで、南北タウルス山脈からネゲヴ地方まで広がる西アジア広がったイラン高原では、前7,000年頃ヤギ組織的に繁殖させていた痕跡を示す遺跡が非常に多くつかっている。ユーラシア大陸の東半分への、イラン高原からの家畜ヤギ拡散ルートは、シルクロード経由北アジアモンゴル高原へいたるルートと、ハイバル峠経由インド亜大陸へいたるルートの2ルートがあったとする説が一般的である。西アジアを除くアジア各地在来種近代以後移入され品種ではない種)は、遺伝距離英語版)に基づいてモンゴルグループその他の東アジアクラスタ南・東南アジアグループ3系統分けることができ、遺伝的多様性内陸部から沿岸島嶼部へ行くにしたがって失われていく傾向見られ通説分子生物学観点とも矛盾しない

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家畜化の歴史

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/09 00:09 UTC 版)

家畜」の記事における「家畜化の歴史」の解説

最も古い家畜は、イヌである。タイリクオオカミハイイロオオカミ)が家畜化されたという点ではほぼ定説となっているが、その地域時期については定説確立していない。 詳細は「イヌの起源」を参照 ヤギ・ヒツジ・ブタは紀元前8000年頃の西南アジアで、それぞれパサン・ムフロン・イノシシから家畜化されたといわれるブタ中国でも独自に家畜化されている。ウシは、タウリン系牛(コブウシ以外のウシ)が紀元前6000年頃の西南アジアで、コブウシインドで、それにおそらく北アフリカオーロックスから家畜化されている。ウマ紀元前4000年頃のウクライナで、ロバ同時期のエジプトで、スイギュウ同時期の中国家畜化されている。リャマアルパカ紀元前3500年頃のアンデスで、グアナコビクーニャから家畜化された。ヒトコブラクダ紀元前2500年頃のアラビア半島で、フタコブラクダ同時期の中央アジア家畜化されている。ネコに関しては、北アフリカネズミ駆除する目的飼い始めた考えられている。 大型動物では、その他にトナカイ・ヤク・バンテン(バリ牛)・ガウル古代家畜化をされている。現代でもイランドシマウマ家畜化しようという試みはあるが、これら以降に(狭義の)家畜化なされた大型動物存在しないのが実情である。インドゾウ使役目的古くから使われているが、人間飼育下での繁殖はほとんど行われず専ら野生個体捕獲し調教行ってきた。大型哺乳類のうち家畜化できたといわれているのは15程度と言われている。 1950年代半ばからロシア神経細胞学者リュドミラ・ニコラエブナ・トルットとロシア科学アカデミー遺伝学者ドミトリ・ベリャーエフキツネ家畜化する実験人為選択による馴致実験)を行った1960年代半ば4世代目頃になると人に懐くようなり見た目や行動も変化出てきた。 19世紀入って家畜は、監禁押し進められて、徐々に都市から周辺へと移動させ人間家畜空間分離させることが進んできた。なお、イヌレストランに連れていったり、公共交通機関移動する盲導犬がいる等、家畜人間空間共有することで、彼らの取り扱いについての政治的な熟議きっかけとなるという指摘がある。

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