搾乳
まず、乳搾りは1日に何回行われると思いますか。人間のお母さんは、赤ちゃんに3時間ごとにオッパイを与えるといわれていますが、牛の乳搾りは1日に朝夕の2回。 量は、年間、平均で6,000〜7,000kg。多いものでは、年間20,000kgもの乳を出します。 なんと1日に約50kg!これは、牛の能力がバイオテクノロジーなどの技術によって飛躍的に向上したためです。 しかも、以前のように一戸当たりの飼育する牛の頭数が2〜3頭ならまだしも、現在では50頭以上の乳牛を飼育する酪農家が増え、とても1頭1頭丹念に手で搾れる量ではありません。 そこで、一度にたくさん搾る必要性が高まったため、省力化が進んできたのです。 搾乳の機械には搾乳機(ミルカー)、施設としては専用搾乳室(ミルキングパーラー)が普及するようになりました。 牛を放して飼う場合、搾乳の時間になると牛は自分でミルキングパーラーへ入ってきます。 そして、酪農家が乳頭をきれいに消毒してミルカーを装着。乳が出終わったら牛は外へ出ます。 一方、日本で飼われている牛の多くは繋ぎ飼い式。つまり、普段牛のいる場所が乳搾りの場所になっています。この場合は、パイプラインミルカーという機械が使われ、乳搾りが行われます。 また、最近では、ロボットによる完全自動化の搾乳システムも登場しています。 |
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一度に6〜12頭搾乳できるミルキングパーラー | パイプラインミルカーによる搾乳 |
<ミルククラブ情報誌'96 SUMMER vol.20より> |
乳搾り
(搾乳 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/08/15 09:24 UTC 版)
Jump to navigation Jump to search乳搾り(ちちしぼり、Milking)は、牛や羊といった家畜の搾乳行為、およびその仕事に従事する人々を指す呼称。
歴史
人類は先史時代より家畜化した牛や山羊から乳汁を採取していたと考えられるが、乳搾りに関するもので最古のものとしてはシュメールに残る約5000年前の搾乳のレリーフである。こうした技術はエジプト、ヨーロッパ、アジアへと伝播し、11世紀にはヨーロッパにおいて乳搾りが職業としての定着を見せた[1]。
現代では牧場体験のひとつとして乳搾りを実施する場合があるが、こうした一種の「遊び」としての乳搾りは中世ヨーロッパですでに行われており、マリー・アントワネットが小トリアノン宮殿にて牛に香水をふりかけて乳搾りを行った話などが知られている[2]。
1960年ごろよりバケットミルカー(搾乳機)が普及し始めると、手作業による乳搾りは次第に衰退していった。 現在では、パイプラインミルカー、ミルキングパーラー等の搾乳機・施設の利用や搾乳ロボットによる搾乳の自動化で、搾乳作業は機械化されている。
母乳の搾乳
人間の母乳の場合でも、搾乳を行うことはある。例えば新生児が未熟児として生まれて新生児集中治療室などに入院し、先に退院した母親が病院へ母乳を子供に届ける場合、あるいは幼児がなかなか母親の乳首から母乳を吸えない場合、乳房の張りが強く母乳を出さないと痛い場合などがある。
普通は手で母乳を搾り母乳パックなどに集めるが、時間が数十分かかり負担も大きいため、早く搾ることのできる電動式搾乳機なども販売されている。
脚注
参考文献
- 青木秀夫 『ざ・ゆにふぉーむ - 乳しぼり』 源流社、1991年。ISBN 4773991038。
- 足立達 『ミルクの文化誌』 東北大学出版会、1998年。ISBN 4925085107。
- 足立達 『乳製品の世界外史 - 世界とくにアジアにおける乳業技術の史的展開』 東北大学出版会、2003年。ISBN 4925085557。
関連項目
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搾乳
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/26 11:17 UTC 版)
直接授乳することが不可能な場合でも、母乳栄養は可能である。母乳を人工的に搾って保存しておけば、不在時においても自分の母乳を与えることができる。母乳を搾るには自分の手で搾乳してもいいし、搾乳用ポンプを用いてもいい。SNSや哺乳瓶にいれて保存する。搾乳した母乳は7時間以内に用いる。それ以上保管する場合は冷蔵ないし冷凍する。冷蔵で8日間、冷凍すると4か月利用可能である。研究によると、搾乳された母乳の抗酸化作用は時間の経過とともに減少するが、それでも粉ミルクより高いレベルにある。 しばらく母子が引き離される場合でも、搾乳することで母乳の出を維持することができる。赤ん坊が嚥下できない場合は経鼻カテーテルを用いれば胃内に直接与えることが可能である。 搾乳は、歯が生え始めた子供にかまれたり(母親が痛がればやむことが多いのだが)して乳首が痛む場合も便利である。 搾乳した自分の乳を直接、ないしは病院をとおして他の人に提供する場合もある。他人の乳などわが子に飲ませたくない、という向きもあるが、それでも母乳栄養の恩恵に与りたいという人もいる。
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