よう◦なり〔ヤウなり〕【様なり】
読み方:ようなり
[連語]《形式名詞「よう」+断定の助動詞「なり」》活用語の連体形、体言に助詞「の」「が」を添えたものに付く。
「荒れぬ日なく降り積む雪にうちながめつつ明かし暮らし給ふ心地、尽きせず夢の—◦なり」〈源・総角〉
「増賀聖のいひけん—◦に名聞(みゃうもん)ぐるしく、仏の御をしへに違(たが)ふらん」〈徒然・一〉
4 (多く「…せむ」「…べし」「…まほし」などを下に伴って「やうに」の形で)願望・意図を表す。
「すべて男(をのこ)をば、女に笑はれぬ—◦に生(お)ほし立つべしとぞ」〈徒然・一〇七〉
5 そういう状態であることを表す。…ありさまである。→ごとし
「わがため面目ある—◦に言はれぬるそらごとは人いたくあらがはず」〈徒然・七三〉
[補説] 平安時代から室町時代まで用いられたが、初めは、文章語・男性語的な「ごとくなり」に対し、口頭語・女性語的な語として、和文に用いられた。のち、「ようだ(ような)」となる。
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