奴隷編とは? わかりやすく解説

奴隷編(第55話 - 第99話)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 14:23 UTC 版)

ヴィンランド・サガ」の記事における「奴隷編(第55話 - 第99話)」の解説

デンマーク軍追放され同時に生きる意味を失ったトルフィンは、奴隷身分落ちケティルという男に買われる。彼はデンマークユトランド半島広大な土地所有しており、トルフィンはそこで森林開墾命じられる1015年同じく奴隷として買われた元農民青年エイナル出会う用心棒奉公人から嫌がらせを受けながらも、元奴隷奉公人パテールケティル父親スヴェルケルの助けを受け、2人ひたむきに開墾作業続ける。 一方クヌート1016年イングランド王暗殺イングランド単独の王となり、さらに1018年デンマーク治める兄ハラルドをもその手にかけ、デンマーク・イングランド両国の王となっていた。イングランドではデーン人駐留軍維持費問題となっていた。イングランド国民反感買わぬよう、税率上げず維持費捻出するため、クヌート農場主次男オルマルを利用してデンマーク有数生産量を誇るケティル農場接収しようと、クヌートは自ら100の手勢を引き連れ農場接収現れた。 ケティルは富を奪われることを恐れ人手寄せ集めてクヌート軍に抵抗する敵うはずもなく、農場惨劇の場と化した。トルフィンは農場惨状を見かねて舞い戻り特使としてクヌートへの謁見試みる。クヌート当初無視しようとするが、トルフィンは100回の殴打耐え抜くことでかつてクヌート近衛務めたほどの強さを証立て謁見こぎつける数年の時を経て邂逅した2人は、それぞれ異な方法理想目指していることを知る。トルフィンの「ヴィンランド」への想い聞いたクヌート接収取り止め、兵を引く。

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奴隷編

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ヴィンランド・サガ」の記事における「奴隷編」の解説

ケティル 声 - 手塚秀彰 トルフィンを奴隷として買ったデーン人大地主。 昔はその勇猛な戦いぶりから「鉄拳ケティル」の異名取った戦士だ、という逸話若い戦士の間で知られているが、実は「鉄拳ケティル」とは同名別人であり、周囲勘違い否定せず利用しているだけである。この事実知っているのは本物の「鉄拳ケティル」との面識がある「蛇」秘密打ち明けたアルネイズのみである。 自ら率先して農場で働く勤勉な人物エイナルやトルフィンに自由身分買い取るための方策与えたり、自らの農場盗み入った幼い兄妹身の上話同情して涙ぐんでしまうなど、温和で優しい性格持ち主。しかし、強さこそを第一とするデーン人社会においては、その気質欠点であり、体面を保つために望まぬ行動をとらねばならないことに苦悩している。 トルフィンとエイナルに対しては「働き者」と評価しており、彼らが自由身分買い戻した後も農場働かないかと誘う。 デンマーク王ハラルド寄進行い後ろ盾を得ることで農場の安全を保っているが、その農場経営方針について、父スヴェルケルと諍い絶えなかった。ハラルド亡き後クヌート取り入ろうとするが、オルマルの失態原因農場危機に陥ってしまい、失意のあまり憔悴して農場戻った際、アルネイズが逃亡図ったことを聞いて激昂し、アルネイズを棒で打ち据えてしまう。怒り我を忘れたうえに、クヌート軍が自らの手勢のの三分の一100人と聞いて舐めてかかるが、圧倒的な兵の能力差の前に手勢壊滅奉公人客人にも見捨てられ、自らも戦闘重傷負った戦後、傷は回復したものの、アルネイズや富・名声失ったショックから立ち直れず、隠居状態になったエイナル 声 - 武内駿輔 ケティル農場新しくやってきた奴隷ノルドイングランド人で、ノルド語イングランド語堪能。元は農夫であるため、農事にくわしい。その出自から略奪を働く戦士達を憎んでいる。農場に連れて来られるまで何度も脱走試みており、その度に罰を受けていたがあまりへこたれていなかった。 明る性格で、あまり返事をしないトルフィンに対して積極的に話しかけるまた、ケティル農場跡取り息子殺されそうになった時、自分身代り名乗り出たトルフィンを、身を挺して逃がそうとし、捕まった後もトルフィンの身を案じて暴れた。トルフィンが元戦士であったことを知った際は一瞬憎悪抱いたが、罪の意識毎晩うなされるトルフィンを見て考え改め友人として接するようになるその後、トルフィンとは奴隷生活での様々な苦難や、アルネイズとガルザルの逃亡事件クヌートとの停戦交渉などの修羅場を共に乗り越え互い兄弟呼び合う存在となった根っから農民らしく、農業に対しては非常に真摯かつ全力取り組む。トルフィンと2人開拓した農地奉公人達に荒らされた時は、静かに激怒していた。 好意持ったアルネイズに対しこれ以上不幸になってほしくない考え、アルネイズと夫ガルザルの逃亡をトルフィンとともに助けるが、達によって阻止される。この一件で、世の中から戦争奴隷なくしたいというトルフィンの理想強く同調するうになるケティルによる暴行が元でアルネイズが死んだことで、復讐心に呑まれそうになるが、トルフィンの思い込めた説得を受け、アルネイズの墓の前で、戦争奴隷もない新天地を共に目指すことを誓った。 オルマル 声 - 林勇 ケティル息子次期当主だが、自分ケティル息子としてでしか扱ってくれない周り嫌気がさしている。 本人は剣で名を上げたがっていたが、実際はその腕も度胸もなく、クヌートケティル農場接収口実作りとして利用されてしまう。 その後後悔自責の念から、おぼろげながら当主代理としての立場自覚し戦争口実となった自らの至らなさ(黙って笑われる勇気無かった)を認めながら降伏ケティル一族国外追放)を決める。しかしその直後、トルフィンの体を張った和平交渉目の当たりにし、感謝しながら一行見送った戦後は、半ば隠居したケティルに代わって事実上当主となり、戦死者への多額賠償支払う。以後は自ら率先して畑仕事励んでいる。 トールギル 声 - 楠大典 ケティル長男クヌートの元従士で、大柄腕っ節強く戦いを好む典型的なヴァイキング気質人物クヌート策略いち早く察知しながら、あえてオルマルを煽って戦闘口実を作らせた。 戦士としては有能であり、オルマルを侮辱した戦士数人皆殺し自分達を捕らえに来た兵達もあっさり血祭りにあげている。かつての上であったウルフからは「良い部下だった」と言われケティル農場侵攻の際には、クヌート狙って海から単身切り込み、その大胆さクヌートにも評価されている。また、農場戦士集め上で一計案じており、からは「意外と戦上手」であると評された。再度奇襲する機会窺っていたが、クヌート達が引き上げてもぬけの殻となった陣地来て愕然とし、その結果納得いかず戦後行方を晦ましている。 パテール ケティル農場奉公人ケティル農場経理担当しているが、奴隷あがりのため、奉公人からはうとまれ、目の仇にされている。 律儀誠実な性格で、奴隷身分エイナルやトルフィンに対して公正な態度貫き農場内で事件発生した折には、自ら徹底した捜査行って彼らの窮地救ったこともある。しかし公正であるがゆえに、貧しさから盗み働いた子供に対して厳格な態度をとる。 戦争ではトルフィンやエイナルにその安否気遣われたが、確認できる限りでは左腕負傷しただけで済んでいる。 アルネイズ 声 - 佐古真弓 ケティル女奴隷。ケティル気に入られ愛人として保護されているが、それゆえ解放される事を諦めかけている。ケティル正妻からは目の敵にされ、辛辣な態度をとられている。心優しい性格美貌持ち合わせエイナル一目惚れされる。 奴隷になる前はスウェーデン集落で夫ガルザル、息子ヒャルティとともに暮らしていた。しかし遠方泥炭地を巡る争いで、男達空けた隙に敵の襲撃を受け壊滅、アルネイズはヒャルティと引き離され奴隷として売られケティル買われた。奴隷ありながらケティル側仕えとして厚遇され彼の子宿すその後、他の農場主のもとから逃亡してきたガルザルと再会し、スヴェルケルやトルフィンらの助けを受け、二人で逃避行試みるが、ガルザルは死亡自身脱走犯として捕らえられ、それを知って激昂しケティルに棒で殴打され瀕死の重傷負ってしまう。 クヌート軍勢によって農場戦場になった隙をつき、レイフの手引きでトルフィンやエイナルと共に農場から連れ出される。夢の中でガルザル、ヒャルティと再会一時的に意識取り戻すが、もはや生きる気力失っており、トルフィンやエイナル懸命な呼びかけ及ばず二人感謝しながら息を引き取った。 スヴェルケル 声 - 麦人 ケティルの父で、先代当主気難しい人物だが、エイナルとトルフィンを見て彼の仕事手伝代わりに二人に馬と重量犂を貸し与える。ケティル農場経営方針疑問思っており、あまり折り合い良くないキリスト教徒だが文字読めないので「蛇」聖書読んでもらっている。トルフィン達とともにアルネイズと夫の逃避行助ける。 奉公人たち 自前耕作地持たずケティル農場雇われている。自分らより身分の低いトルフィンら奴隷をいじめることでプライド保っている。トルフィンとエイナル耕した畑を荒らしエイナル問い詰められシラ切ったため喧嘩となる。その後ケティル2人処罰訴えるも、パテールによって畑を荒らした証拠見つかったため不問にされる。ケティル農場侵攻では、戦い駆り出される大半戦死もしくは逃亡する「客人」 ケティル雇っている農場用心棒「蛇」が言うには、「ヘマやらかしたせいで、本名を名乗れない」者たち。故に構成員「蛇」自身含め皆「キツネ」、「アナグマ」など、動物の名前通り名にしている。「蛇」 声 - 小松史法 「客人」たちのリーダー奴隷対し悪ノリした客人たちを制裁したり、トルフィンら奴隷にも気さくに接するなど公平な人物部下の命を大事にする一方、スヴェルケルとウマが合うようで、彼の小屋によく入り浸っている。「客人」中でも腕が立ち、トールギルに剣を教えたのは彼のようである。教養があり、ベッド寝たきりになったスヴェルケルに聖書読み聞かせている。洞察力にも長け、トルフィンの戦士としての性質いち早く見抜いていた。 逃亡奴隷ガルザルがアルネイズを連れ出した際、他の「客人」の命が損なわれたことに激怒し、アルネイズらを助けようとするトルフィンに対峙する本物の「鉄拳ケティル」に面識があり、地主ケティルがその名声見栄利用していることを察していた。しかしクヌートによるケティル農場侵攻の際には、ケティル雇ってもらった恩を返す為に勝ち目がない戦だと理解した上でクヌート軍に対抗する為にケティル元に寄せ集められた奉公人達の指揮を執った。後にトルフィンらの諫言により、クヌート農場接収取りやめたことに感謝し、自らの真の名「ロアルド・グリムソン」(グリムの子ロアルド)をトルフィンらに教えたその後、スヴェルケルに扱かれながら他の「客人」たちとともに農作業手伝っている。 ハラルド スヴェン長子クヌートの兄。スヴェン死後デンマーク王位を継ぐ。イングランド治める弟クヌートとは良好な関係を保っていたが、1018年、病に倒れそのまま崩御嫡子がいなかったため、デンマーククヌート継いだ作中では、両王国盤石化を図ったクヌートによる暗殺毒殺となっている。 ウルフ クヌート従士長で、剣の達人。トールギルを部下に持つ。クヌートの命により、短気なオルマルを利用してケティル逮捕すべく部下けしかけるクヌートと共にケティル農場へ兵を進めた時は、海から奇襲仕掛けたトールギルからクヌートを守るために奮戦して追い返した。このとき右目を失っている。 トルフィン(ギョロ目) トルフィンの名を持ち、トルフィンと似た特徴年齢金髪茶色の目)を持つ青年。そのためトルフィンと間違えられレイフ買い取られた元奴隷。現在はレイフ養子になっており、その目付きから「ギョロ目」や「ギョロ」と呼ばれている。イェリングでオルマルと諍い起こす思ったことを逡巡なく口にしてしまう良くも悪くも素直な性分であり、元奴隷である暗さ感じさせない落ち着いたトルフィンやエイナル比べ物事へのリアクション大きく何かにつけ騒いでいることが多い三枚目人物で、コメディリリーフ存在レイフ付き添って、トルフィン達の北海横断同行することになった。 ガルザル ケティル農場現れ逃亡奴隷。アルネイズの元夫帰る家を失ったのち自身奴隷身分落とされデンマーク農場働かされていたが、農場主とその一家殺して逃亡ケティル農場で暮らすアルネイズを迎えにくる。戦士としてはかなりの腕前で、「客人」何人も血祭りに上げる深手負い最期はアルネイズに看取られて息を引き取った

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