リンネ式階層分類体系
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リンネ式階層分類体系(リンネしきかいそうぶんるいたいけい、英: Linnaean hierachial classification system)は、カール・フォン・リンネ(Carl von Linné、1707年–1778年)により構築された分類体系をもとにした、今日広く用いられている分類体系を指す語である[1][2]。リンネが1753年に著したSpecies Plantarum『植物種誌』[3][4][注釈 1]が今日の植物命名法の基準となり、4236種の動物を記した1758年のSystema Naturae『自然の体系』の第10版が今日の動物命名法の基準となっている[1][5]。リンネ式階層分類[6]、リンネ体系 (Linnaean taxonomy) とも[1]。本項では、現在用いられている階層的な分類について触れ、リンネが実際に用いた分類体系を示す。
注釈
- ^ 『植物の種』とも訳される[1]。
- ^ species は英語とラテン語で同型[14]。以下本項では階級名は英語を表示する。詳細は階級 (生物学)を参照。
- ^ a b c 動物学および細菌学では phylum、植物学では普通 division が用いられる[18]。なお、命名法上は1994年の国際植物命名規約 東京規約からは植物学でも phylum も用いてよいことになったため、現行の深圳規約(2018年)では division と phylum は併記される[14]。また、国際動物命名規約では division は「区」という階級を指し、属を細分する階級として用いられた場合、亜属と同じ階級とみなされ、亜属に置き替えられる[19]。
- ^ ラテン文字転写:Peri phyton historia、ラテン語訳: De Historia Plantarum
- ^ ラテン文字転写:Peri hulēs iatrikēs、ラテン語訳: De materia medica
- ^ 単に『ピナクス』とも[3]。
- ^ 『植物学原論』とも呼ばれる[16]。
- ^ 『植物の属』とも[29]。
- ^ ラテン語 fructificatio (英語のfruit-body に当たる[2])の用語は研究者により「結実」 、「果実体」や「植物の果実を構成しているすべての部分」など様々に用いられるが[31]、リンネの用法では英語の 葉や茎のような「栄養器官」に対する語として用いられ、本項の本文中で示すように植物の「生殖器官」の様々な部位を意味する語として用いられている。
- ^ フランス語: systematique
- ^ フランス語: methodique
- ^ 原文(章タイトル)はラテン語、"III. PLANTAE. 78. VEGETABILIA comprehendunt Familias VII: Fungos, Algas, Muscos, Filices, Gramina, Palmas, Plantas"[35]. 日本語に訳すと「植物は、7つの科からなる:菌類、藻類、蘚苔類、シダ類、禾本類、ヤシ類、植物類」となる[34]。VEGETABILIA はこの文の主語で、「成長する(英語の vegetative)」を意味する第三変化形容詞 vegetābilis, e, n の 中性主格複数 vegetābilia を名詞(成長するもの=広義の「植物」;形容詞の名詞的用法)として扱っている。comprehendunt は「を含む(英語の comprehend)」を意味する第三活用動詞 comprehendō, ere の三人称複数現在・能動相・直接法。Familias は「家族(英語の family)」を意味する第一変化名詞 familia, ae, f の女性複数対格(「~を」を表す格)で、今日の「科」であり、で「7つの科を」となる。コロン以降の Fungos, Algas, Muscos, Filices, Gramina, Palmas, Plantas はそれぞれ fungus, alga, muscus, filix, grāmen, palma, planta の対格複数で Familias と同じ格であり、科の具体的内容を示している。なお本文中では FUNGI, ALGAE, MUSCI, FILICES, GRAMINA, PALMAE, PLANTAE と[35]、何れも学名と同じ主格複数(「~類」を表す)となっている。
出典
- ^ a b c d e f g h i j 馬渡 1996, pp. 14–15.
- ^ a b c d e f g h i j k l m n 大場 2009, p. 259.
- ^ a b c d e f g 大場 2009, pp. 262–263.
- ^ a b 大橋広好 (2007). “木村陽二郎先生(1912.7.31 − 2006.4.3)業績と思い出”. Bunrui 7 (2): 85–88. ISSN 1346-6852.
- ^ 巌佐ほか 2013, p. 1476.
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- ^ 巌佐ほか 2013, p. 231.
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- ^ 三中 1997, p. 13.
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- ^ ベイリー 1996, p. 26.
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- ^ ICZN 日本語版追補 2005.
- ^ a b c 伊藤・井鷺 2018, pp. 14–15.
- ^ ICN 日本語版 2019, p. 5, 第4.1条.
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- ^ 伊藤・井鷺 2018, pp. 81–82.
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- ^ a b c ベイリー 1996, p. 32.
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- ^ “Fructificatio, -onis”. A Grammatical Dictionary of Botanical Latin. Missouri Botanical Garden (1995–2021). 2021年8月27日閲覧。
- ^ a b 三中 1997, p. 14.
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- ^ a b c Mark Garland (2000年11月11日). “III. PLANTAE. (Linnaeus’s Philosophia Botanica)”. botanicallatin.org. 2021年8月27日閲覧。
- ^ 大場 2009, p. 262.
- ^ a b 大場 2009, p. 303.
- ^ a b Core 1955, p. 37.
- ^ a b c d e 松浦 2009, pp. 17–18.
- ^ 松浦 2009, pp. 19–20.
- 1 リンネ式階層分類体系とは
- 2 リンネ式階層分類体系の概要
- 3 リンネの性分類体系
- 4 リンネの動物分類
- 5 脚注
- リンネ式階層分類体系のページへのリンク