ツノガイとは? わかりやすく解説

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つの‐がい〔‐がひ〕【角貝】

読み方:つのがい

ゾウゲツノガイ科の貝。貝殻は約10センチ細長い弓形円筒形で先が細まり、角状房総半島以南分布海底砂中にすむ。

掘足綱の貝の総称貝殻角に似た形で両端が開いている分類上、二枚貝巻き貝中間位置し現生種はゾウゲツノガイ・クチキレツノガイの2科で、すべて海産。→掘足類


角貝

読み方:ツノガイ(tsunogai)

ゾウゲツノガイ科の貝

学名 Antalis weinkauffi


掘足綱

(ツノガイ から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/04 23:05 UTC 版)

掘足綱
生息年代: 458–0 Ma
Є
O
S
D
C
P
T
J
K
Pg
N
フランスで見つかった掘足綱のAntalis vulgaris
分類
: 動物界 Animalia
: 軟体動物門 Mollusca
: 掘足綱 Scaphopoda Bronn1862
英名
Tusk shell

掘足綱( くっそくこう、Scaphopoda )は、軟体動物門に属する分類群。いわゆるツノガイ類のことで、ツノガイ綱とも。ツノガイという文字通り殻は一見水牛の角のような形状である。形態や生態から二枚貝綱腹足綱の間に位置づけられることが多い。

形態

掘足綱全体に共通する形状として、殻は角を思わせる緩やかにカーブした筒状で、両端は必ず開いている。細い側の孔を後口、太い側の孔を殻口と呼ぶことが多い。また、カーブの外側を腹側、内側を背側と呼ぶ。殻表に輪脈と呼ばれる筋がある場合、ない場合まちまちである。また殻色も色、薄黄色や赤紫色、など様々であるが白っぽい色をした種が多い。殻長は数ミリメートルの種から数十センチメートル程度で現生種の中では、マダガスカル近海に生息する Dentalium metivieri が最大とされ、20センチメートルを超える。以上の様な細かい特徴はなどにより様々であるが、掘足綱全体の形状としては腹足綱二枚貝綱と比べると統一感があるといえる。

軟体

殻の後口側に肛門が、殻口側にがある。頭部は触角など多くの感覚器官を欠くが平衡胞 ( statocysts ) と呼ばれる感覚器官を持つほか、食物を捕食するための頭糸と呼ばれる触手状の器官がある。これらの器官を使用して餌を捕らえ、歯舌で擦り取って食べるとされる。鰓は持たないため、外套膜が代わりとなり海水中の酸素を取り込む。また、以上の様な器官や殻などがすべて左右対称になっていることも掘足綱の最大の特徴のひとつである。なお、蓋は持たない。

生態

生活

雌雄異体。浮遊性のトロコフォア幼生、ベリジャー幼生を経て着底する。通常、二枚貝綱と同様に足を用いて泥底や砂底などを掘り、埋没して生活する。この際、後口をから出し、排泄や海水の交換を行う。上記の様にを持たないため、外套膜で酸素の交換を行うが、この際、足を収縮させ海水を循環させる。また、平衡胞や頭糸を用いて餌を捕食し、歯舌で擦り取って食べる。

分布

すべて海産種で、世界中の海に広く分布する。また、生息深度も幅広く、潮間帯深海まで広く分布するが、生息環境は比較的軟らかい海底に限られる。

分類

以下に ( Steiner & Kabat 2001 ) に従い属までの分類を示す。但し、確定的に定まったものではなく、分類は非常に流動的である。

Scaphopoda 掘足綱

Dentaliida ツノガイ目

  • Gadilinidae シラサヤツノガイ科 
    • Gadilininae シラサヤツノガイ亜科
      • Gadilina シラサヤツノガイ属 
    • Episiphoninae ロウソクツノガイ亜科
      • Episiphon ロウソクツノガイ属 
  • Fustiariidae サケツノガイ科
      • Fustiaria サケツノガイ属
  • Omniglyptdae ハリツノガイ科
      • Omniglypta ハリツノガイ属
  • Dentaliidae ゾウゲツノガイ科
      • Antalis ツノガイ属
      • Coccodentalium 和名不詳属
      • Compressidentalium ヒラツノガイ属
      • Dentalium ゾウゲツノガイ属
      • Eudentalium 和名不詳属
      • Fissidentalium トクサツノガイ属
      • Graptacme ヒメナガツノガイ属
      • Paradentalium 和名不詳属
      • Pictodentalium ニシキツノガイ属
      • Plagioglypta 和名不詳属
      • Schizodentalium 和名不詳属
      • Striodentalium ムチツノガイ属
      • Tesseracme 和名不詳属
  • Calliodentaliidae サフランツノガイ科
      • Calliodentalium サフランツノガイ属
  • Laevidentaliidae セトモノツノガイ科
      • Laevidentalium セトモノツノガイ属
  • Rhabdidae 和名不詳科
      • Rhabdus 和名不詳属
  • Anulidentaliidae 和名不詳科
      • Anulidentalium 和名不詳属
      • Epirhabdoides 和名不詳属

Gadilida クチキレツノガイ目

 Entalimorpha ミカドツノガイ亜目

  • Entalinidae ミカドツノガイ科
    • Bathoxiphinae ソウヨウツノガイ亜科
      • Bathoxiphus ソウヨウツノガイ属
      • Rhomboxiphus ヒシツノガイ属
      • Solenoxiphus 和名不詳属
    • Entalininae ミカドツノガイ亜科
      • Entalina ミカドツノガイ属
    • Heteroschismoidinae 和名不詳亜科
      • Costentalina 和名不詳属
      • Entalinopsis ユキツノガイ属
      • Heteroschismoides 和名不詳属
      • Pertusiconcha 和名不詳属
      • Spadentalina ツメツノガイ属

 Gadilimorpha クチキレツノガイ亜目

  • Pulsellidae ヒゲツノガイ科
      • Annulipulsellum 和名不詳属
      • Pulsellum ヒゲツノガイ属
      • Striopulsellum 和名不詳属
  • Wemersoniellidae 和名不詳科
      • Chistikovia 和名不詳属
      • Wemersoniella 和名不詳属
  • Gadilidae クチキレツノガイ科
    • Siphonodentaliinae クチキレツノガイ亜科
      • Dischides フタマタツノガイ属
      • Polyschides ダイオウハラブトツノガイ属
      • Sagamicadulus ユウビハラブトツノガイ属
      • Siphonodentalium クチキレツノガイ属
      • Striocadulus 和名不詳属
    • Gadilinae ハラブトツノガイ亜科
      • Bateycadulus 和名不詳属
      • cadulus 和名不詳属
      • Gadila ハラブトツノガイ属
        • 所属不明 Incertæ sedis
      • Compressidens 和名不詳属
      • Megaentalina オダヤカミカドツノガイ属

利用

殻は貝細工やパイプとして用いられる[1]

参考文献

  • G.Steiner, A.R.Kabat, "Catalogue of supraspecific taxa of Scaphopoda (Mollusca)," Zoosystema ,2001, 23(3): 433-460.

脚注

  1. ^ 日本国語大辞典,デジタル大辞泉,動植物名よみかた辞典 普及版, 精選版. “角貝(つのがい)とは? 意味や使い方”. コトバンク. 2023年3月22日閲覧。

関連項目

外部リンク


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