「始祖の四人」およびその関係者
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「アリアンロッド・サガ」の記事における「「始祖の四人」およびその関係者」の解説
“邪神の御子” 魔族。 バルムンク全体の長。『サガ無印』9巻に至るまで姿どころか台詞すら登場しておらず、「銃剣」などから「あのお方」として存在が語られたのみにとどまっていたが、10巻のラストシーンでようやく登場した。聖妃フェリタニアの肉体を乗っ取っている。魔族としての名は不明。 その真相は、700年前にウルフリックが行ったセフィロスと“邪神の御子”を自らに封印し、指揮系統の乱れた魔族を叩く、という作戦に参加した際、拘束を逃れた“御子”の魂がフェリタニアの魂を弾き出して肉体を乗っ取った、というもの(魔族としての肉体はこの時ウルフリックごと封印されている)。 レイウォール王家に対して世界の真実を伝え、「アルディオン大陸の独立計画」を打ち立てるよう仕向けたのが始まりとなっている。また、“始祖の四人”を始めとする魔族をアルディオンに招き入れたのもこの存在。つまりは『サガ』シリーズ全体の黒幕なのだが、GMの菊池はフェリタニアの背景「ナヴァールの母」という設定が突然追加されたことでかなり混乱したらしい。 バルムンクに関する設定でフェリタニアや“あのお方”に関するものは当初存在せず、『サガ無印』3巻における大竹の提案(メルトランドにピアニィが赴いてフェリタニア王国を攻撃する理由を消し去る)により、以降の構想が覆された結果、使用していない設定やキャラクターを探し出して他シリーズとの辻褄を合わせた結果誕生した、という経緯がある。聖妃フェリタニア エルダ。 かつてアルディオンに渡り来たエリンディルの戦士達「セイン」の一人であり、ウルフリックの妻であった女性。ピアニィから見ると遠い先祖に当たる。実はナヴァールの母親でもあった。外見はティナとうり二つ。 エルダとは『風の粛清』で滅びた古代種族であり、神々から世界を奪わんと邪神を作り上げて戦争を起こした経緯を持つ。そのためアルディオンでは、彼女のことはほとんど伝わっていない。 かつての戦友の一人であるジェードによれば、ウルフリックとの大恋愛の末に神への反逆を諦め、セインと共に戦ったという。終戦後、ウルフリックの後を追うように亡くなったとされていたが、実はウルフリックが発動した反攻作戦の際に“邪神の御子”に肉体を乗っ取られていた。弾き出された魂は神界へと飛び、その後ティナ・アヴェルシアとしてアルディオンに転生している。 「剣の王(ノートゥング)」のベリアル 「始祖の四人」の一人で魔族。外見はコウモリ風の翼をもつ男性。十二人衆を組織した張本人でもある。 『アクロス』のキャラクターだが、本人は直接登場せず、アインやモンドーラ、イルマなど一部の人物から断片的に語られるのみの存在であった。その名は「無価値」を意味する。邪神によって作り出された最初の魔族の一人で、その証として黒・紅・白の3対6枚の翼を授かった。これはそれぞれに「過去」「現在」「未来」を意味しており、それゆえに時間を操る事が出来る。この翼は、それぞれドライ・アイン・ツヴァイに受け継がれている。 かつてベルリール王国の王都・ベルリールを滅ぼした張本人であり、その住人達を生け贄に魔獣「ナグルファル」の召喚を行おうとした。ウォーレンの大伯父であるハロルド・ラドフォード達によって倒されたが、彼らは儀式を止めることは出来なかった。その際、「真の死」を受ける寸前に自身の周りの時を限界まで遅らせることでそれを逃れ、復活の時を待っていた。その後、持っていた剣の因子を使い、イルマに「器」としてアインとツヴァイを生ませたが、真意を知ったイルマにツヴァイを連れ出されてしまった(彼女はアインも連れて行こうとしたが、途中で捕まって失敗した)。なお、当初は古エルダ語で「0」を意味する「ヌル」と言う名で呼ばれていた。 魔族でありながら人間に遅れを取った、という失態から、バルムンク内では一部で「折れたる魔剣(ノートゥング)」という蔑称で呼ばれている。『アクロス』4巻8話「折れたる剣のオラトリオ」のエンディングでは、「器」同士の殺し合いに生き残ったツヴァイに憑依し復活を遂げたかに見えた。だが、ツヴァイの所持していた「剛健の竜輝石」に阻まれて乗っ取れず、『アクロス』5巻で封印されていた結晶体を破壊され、ツヴァイの身体を使っての復活は叶わなくなった。その後、ノーラによってナグルファルを器に復活を果たし、新生「黄金の狼」と対決するが敗北。意志を宿していた魔剣「ノートゥング」を砕かれ、完全に消滅した。 『サガ』シリーズではすでに肉体を滅ぼされた存在であり外見は不明であったが、『アリアンロッド×アルシャード コラボ・リプレイ アルディオン・ナイトメア』でサプライズとしてその外見が明かされた。 「報復者(フラガラッハ)」のアザゼル(勝生真沙子) 「始祖の四人」の一人で魔族。外見はコウモリ風の翼を持ったドゥアン(オルニス)の女性。『ブレイク』に登場する。 魔術を用いて周囲を欺き続け(ルール的にはギルドスキル「偽装情報」で)、「本当は存在しない人物」になり済ますことで、長きに亘りグラスウェルズ王国を裏から扇動して来た。何かを得ることではなく、苦痛や絶望の叫びを受けることを悦びとする。そのため、回りくどく、やたら遠回しな手段を好む。 『ブレイク』においては、『ロスベルク島攻防記』に登場したブランドル伯爵家の当主「エルミール・ブランドル」として姿を表した(実際にはブランドル家には女子は存在しない)。 メルトランド戦役の失敗の責任を負わされて更迭されたゴーダ伯の後任として軍師代行に就任。同時期に幻竜騎士団の団長に就任したエダム公アンリと確執を演じていたが、裏ではアンリを唆し反乱を起こさせてグラスウェルズ王国を分裂に追い込み、その混乱に乗じて、バルムンクとしての計画を進める上で邪魔になるゴーダ伯を殺害した。オトガルによるフィリップ暗殺計画を阻止するため、ロッシュにフィリップの身代わりをするよう吹きこんだのも彼女である。 その後、またも存在を隠してグラスウェルズ白龍神殿に紛れ込んでいる。この時、ヒルダにゴーダ伯の殺害犯はアンソンであると吹き込み、リージュの許へと向かわせた。なお、ゼパが忘れていた目的はアザゼルを倒すことにある。『ブレイク』5巻においてファントムレイダーズと直接対決を繰り広げるも敗北。純白竜アインに憑依してなおも抵抗したが力及ばず、今度こそ完全に消滅した。 回りくどい手段を好んだり、やたらと「遊び」と称して余裕を見せるのは、実は大筋の計画が思い通りに進まないことの裏返しであり、「ラストミッション」においてはアンソンから「全てがお前の掌の上なら、どうしてグラスウェルズは、自分たちは、未だにお前の思い通りにならないのか」と痛烈なカウンターを喰らっている。 『ブレイク』5巻あとがきによれば、『Heartbreak Memory』収録のドラマCD「追憶のフラグメント」で勝生真沙子がアザゼルを演じることになったのは、勝生の長年のファンである鈴吹太郎の指名という。 「血の螺旋(ダーインスレイブ)」のマーリン 「始祖の四人」の一人で魔族。外見は赤い光をまとった巨人だが、本性は少年の姿をしている。『サガ無印』『ゲッタウェイ』に登場する。 “真の四宝の試み”攻防戦の最中に巨人の姿で出現し、アイン・ソフと激突した。 当初はヒルダ達やピアニィ達の前に現れ、「予言」によってその往く手を導くかのような行動を見せていた。しかし、その全ては世を混乱させたうえで彼ら彼女らを破滅させ、倒されたベリアルやアザゼルの復仇を遂げるための罠であった。実のところ、高位の魔族などが迂闊に力を振るうと理がねじ曲がり、起こるはずの事象が起こらなかったり、その逆になったりと不確定要素が色々と発生するため、予言による誘導はかなり偶然を当てにしている部分が強い。直接手を下しに来なかったのも同じ理由であり、そのため予言の的中率は実は低い。 真の目的は“邪神の御子”を滅ぼし、自らが妖魔の支配者となってアルディオンを蹂躙することであり、そのためにリージュの持つ「もうひとつの石」を奪おうとしていた。だが、イルシールでリージュがその力を行使した際に“御子”がその存在に気付いたため、表向きは従いつつ造反の準備を進めていた。その仕上げとして本体たる“血の螺旋”を呼び出し、アイン・ソフとゲッタウェイを同時に相手取ったが、激戦の末リージュの攻撃で撃破される。アバターたるマーリンが倒れたことにより“血の螺旋”も弱体化し、アイン・ソフに掃滅されたことで“真の死”を迎えることとなった。 初対面時にリージュに対し「よく見えないが、何か恐ろしいものと関わる」と予言していた。マーリン自身はこれをイルシールでの集団邪悪化事件のことと考えていたが、実際に彼が見たのは他ならぬマーリン自身の滅びであった。 『ブレイク』3巻のあとがきによれば、小説版「アリアンロッド・サガ」で登場予定であったが実現出来なかった経緯がある。 「火焔剣(フランベルジュ)」のアイン ヒューリン(ハーフドゥアン・オルニス)のウォーロード/ダンサー。『アクロス』に登場する。 ツヴァイの双子の兄で、彼共々ベリアル(ヌル)の息子であり、またその器として生み出された存在である。アインとは「1」を意味する。バルムンクから逃げ出すイルマにツヴァイとともに連れ出されたが、途中で捕まって連れ戻された。そのため、自身を置いて逃げたと思いこみ、彼女を恨んでいる。『アクロス』2巻に登場したドライ3人(後述)も器候補であり、ベリアルは彼ら5人を殺し合わせ、生き残った一人に憑依しようとしていた。アインはそれを知り、エストネル王国に運び込まれたベリアルを封印した結晶体を国ごとゴーレムの砲撃で破壊しようとしていた。だが、それを阻止すべく現れた「黄金の狼」に倒され、直後に潜んでいたノーラの一撃を受けて死亡。この結果、最後に残ったツヴァイはベリアルに憑依されてしまうこととなった。しかし死の直前、「剛健の竜輝石」をツヴァイに「これからのあなたにこそ必要となる」と告げて渡している。そしてベリアルとの戦いにおいて、竜輝石に精神が宿っていたことが発覚。その戦いにおいて、ツヴァイに力を貸した。彼の持つ紅い翼は、ベリアルの持つ3対の翼の内「現在」を意味する。 「双焔剣」という合体機構を備えた二振りの剣を愛用しており、二つ名の由来はそこから。 一人称は「私」で丁寧な言葉遣いが特徴。また、『アクロス』3巻以降に登場したツヴァイのクローン体「フィーア」はアインが作ったもの。 「刻銘剣(オルナ)」のノーラ 魔族のアコライト。『アクロス』に登場する。 ベリアルの側近的存在で、その復活のため裏で行動していた。通常は神官に扮している。 バルムンクについての調査を進めていたツヴァイに接触し、ミリアに変装して密かに新生「黄金の狼」の行動を操り、ベリアルを封じた結晶体を捜索していた。そして、エストネル王国に結晶体が運び込まれた後、それを破壊しようとするアインと阻止しようとするツヴァイが戦うよう仕向け、残った方にベリアルを憑依させようとした。最終的にこの目論見は当たり、生き残ったツヴァイが「器」となった。 しかし、アインの企てを場所を移して行った新生「黄金の狼」達にベリアル復活を阻止されたことで精神の平衡を崩し、その体の一部である魔剣「ノートゥング」をナグルファルに移しかえることで復活をもくろんだ。それに先立ち、封印を解くための鍵としてミリアを誘拐したが、駆け付けたユンガー達に敗死した。 そもそも戦闘が得意ではないが、その場合は魔族としての力である「記憶操作」によって戦う。武器である「記憶の剣」にスキルを記憶させることが出来、戦闘力のなさをそれで補っている。 「滅竜剣(グラム)」のテオドール・ツァイス 「セイン」を参照。
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