STS-108
名称:STS-108
オービター名称:エンデバー
打ち上げ国名・機関:アメリカ/アメリカ航空宇宙局(NASA)
打ち上げ年月日:2001年12月8日
着陸年月日:2001年12月17日
宇宙飛行士:ドミニク・ゴーリー/マーク・ケリー/リンダ・ゴドウィン/ダニエル・タニ
(国際宇宙ステーション第4次滞在クルー)ユーリ・オヌフリエンコ/カール・E・ウォルツ/ダニエル・W・バーシュ
(同第3次クルー/帰還者)フランク・カルバートソン/ウラディミール・ジェジューロフ/ミハイル・チューリン
飛行時間:283時間36分
STS-108のエンデバーは、スペースシャトルによる12回目の国際宇宙ステーション(ISS)組立てミッションです。 このミッションでは、2001年8月のSTS-105以来4ヵ月半ISSに滞在した第3次クルーの3人(カルバートソン、ジェジューロフ、チューリン)が降り、第4次滞在クルーの3人(オヌフリエンコ、ウォルツ、バーシュ)が乗り組みました。また、多目的補給モジュール「ラファエロ」で3トンにおよぶ補給品をISSに運び込みました。
このフライトでは、2001年3月にステーション内に初めて運び込まれた日本の実験装置「中性子モニタ」が回収されました。 この装置は、ISS内の中性子の値を長期間計測して、人体への影響を調べるためのものです。 さらに今回のエンデバー号には、6千枚のアメリカ国旗が搭載され、帰還後同年9月11日の同時多発テロ犠牲者の遺族などに贈られました。
1.どんな形をして、どのような性能を持っているの?
スペースシャトル・エンデバーは、オービター(軌道船)と呼ばれる有人宇宙船(エンデバー)と、それを打ち上げるための固体燃料ブースターロケット2基、液体燃料を入れてある外部タンクからなっています。全体の長さは56m、高さ23m、重さ2,000tで、オービターだけの長さは37m、高さ17m、重さ85tです。 外部タンクは使い捨てですが、オービターとブースターロケットはくりかえし使われます。
2.打ち上げや飛行の順序はどうなっているの?
ブースターロケットの噴射と、外部タンクの液体燃料を使うオービターの噴射で打ち上げます。2分後に、燃料の燃えつきたブースターロケットが切り離され、パラシュートで落下します。8分後、高度250kmから400kmに達したとき外部タンクが切り離され、オービターは軌道修正用エンジンで地球周回軌道に乗ります。オービターが地球に戻るときは、グライダーのように滑空しながら着陸します。
3.宇宙飛行の目的は?
宇宙ステーションに約4カ月半滞在した第3次クルーの3人を第4次クルーの3人と交代させることと、多目的補給モジュール2号丘ラファエロ」によって約3tの資材をISSに補給することが目的でした。また、同時多発テロ犠牲者を追悼するため、遺族らに贈る約6千枚のアメリカ国旗をシャトルによって宇宙飛行させました。
4.宇宙でどんな活動をし、どのような成果をおさめたの?
飛行3日目に国際宇宙ステーションとドッキングし、4日目にISS内の第3次滞在クルーが第4次クルーと交代しました。多目的補給モジュール「ラファエロ」はユニティの共通結合機構(CBM)に接続され、12台のラックに収納された実験機器や食料などが運びこまれました。 船外活動は、回転しなくなった太陽電池パドルを修理するために1回だけ行われ、回転機構が正常に作動するようになりました。 また、宇宙開発事業団(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA))が開発した実験装置「中性子モニタ(BBND)」が8カ月間の計測を終了し、回収されました。 BBNDは国際共同研究「有人研究プロジェクト」の一環として開発されたもので、宇宙ステーション内の中性子の量を測定し、人体への影響を調査します。
STS-108
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/06 23:09 UTC 版)
STS-108 | |||||
---|---|---|---|---|---|
徽章
![]() |
|||||
ミッションの情報 | |||||
ミッション名 | STS-108 | ||||
シャトル | エンデバー | ||||
乗員数 | 4 | ||||
発射台 | 39-B | ||||
打上げ日時 | 2001年12月5日 22:19:28UTC | ||||
着陸または着水日時 | 2001年12月17日 17:56:13UTC | ||||
ミッション期間 | 11日19時間36分45秒 | ||||
高度 | 283 km | ||||
軌道傾斜角 | 51.6 ° | ||||
航行距離 | 768万km | ||||
乗員写真 | |||||
![]() |
|||||
年表 | |||||
|
STS-108は、スペースシャトルエンデバーと国際宇宙ステーション(ISS)で行われたミッションである。このミッションの主目的はISSへの物資の供給とメンテナンスであった。ミッションは成功し、事故もなく地球に帰還できた。またこれはアメリカ同時多発テロ事件以降初めてのミッションであった。
乗組員
- ドミニク・パドウィル・ゴーリー (3), 船長
- マーク・E・ケリー (1), パイロット
- ダニエル・M・タニ (1), ミッションスペシャリスト
- リンダ・ゴドウィン (4), ミッションスペシャリスト
Expedition 4乗組員
- ユーリー・オヌフリエンコ (2), ISS船長(ロシア連邦宇宙局)
- カール・ウォルツ (4), ISSフライトエンジニア
- ダニエル・バーシュ (4), ISSフライトエンジニア
Expedition 3乗組員
- フランク・カルバートソン (3) ISS船長
- ミハイル・チューリン (1), RSA ISSフライトエンジニア
- ウラジーミル・デジュロフ (2), RSA ISS Soyuz Cdr
かっこ内の数字は、今回を含めたフライト経験数。
パラメータ
ISSとのドッキング
- 結合 2001年12月7日 20:03:29 UTC
- 分離 2001年12月15日 17:28:00 UTC
- 期間 7日21時間24分31秒
宇宙遊泳
- Godwin と Tani - EVA 1
- EVA 1 開始 2001年12月10日 - 17:52 UTC
- EVA 1 終了 2001年12月10日 - 22:04 UTC
- 期間 4時間12分
ミッションハイライト
STS-108はISSへの12回目のミッションであり、イタリアの多目的補給モジュール(MPLM)を使用した4回目のミッションとなった。8つの荷物棚と4つの荷物の台が積み降ろされた。
また、ISSのソーラーパネルの基部にあるBeta Gimbal Assemblies(BGA)を断熱材で覆う工事が行われた。BGAは、ソーラーパネルを常に太陽の方向に向けておくための装置である。
同時多発テロの犠牲者を悼んで
小さな6000のアメリカ合衆国国旗とニューヨーク市警の大きなアメリカ合衆国国旗がエンデバーの外に掲げられた。これらの国旗は帰還後、同時多発テロの遺族に贈られた。
STS-108
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/24 19:31 UTC 版)
「ダニエル・M・タニ」の記事における「STS-108」の解説
2001年、STS-108において4時間超の船外活動を含む11日間の宇宙滞在を行った。12月5日から17日にかけて行われたこのミッションで、スペースシャトルエンデバーが国際宇宙ステーションへ飛行した回数は12回となり、タニはミッションスペシャリスト2として活動した。STS-108の主なミッションはExpedition 4のクルーを宇宙ステーションに送り届けた後、Expedition 3のクルーを地球に帰還させることであった。同時に、3トンにのぼる物資を補給したほか、多目的補給モジュールラファエロを通して科学実験の装置を受け渡しも行われた。タニは、宇宙ステーションの太陽電池ジンバルの熱ブランケットを覆うため、宇宙遊泳を行った。STS-108の完了までにシャトルは地球を185回周回し、480万マイルであったその距離に要した時間は、4時間12分の船外活動を含め283時間36分であった。
※この「STS-108」の解説は、「ダニエル・M・タニ」の解説の一部です。
「STS-108」を含む「ダニエル・M・タニ」の記事については、「ダニエル・M・タニ」の概要を参照ください。
- STS-108のページへのリンク