STS-40
名称:STS-40
オービター名称:コロンビア
打ち上げ国名・機関:アメリカ/アメリカ航空宇宙局(NASA)
打ち上げ年月日:1991年6月5日
着陸年月日:1991年6月14日
宇宙飛行士:ブライアン・オコーナー/シドニー・ガティアーズ/ジェームス・ベイジアン/タマラ・ジェニガン/レア・セドン/ドリュー・ガフニー/ミリー・フルフォード
飛行時間:218時間14分
STS-40のコロンビアにはSLS-1スペースラブが積まれていました。スペースラブはESA(欧州宇宙機関)が開発した有人宇宙実験室です。スペースシャトルとはパイプ状の通路でつながれ、空気を満たした部屋と真空にさらされる実験台があり、数人が乗ることができます。
SLS-1スペースラブでは宇宙医学実験が行われました。宇宙酔いの実験や、微小な重力の環境に人間の身体がどう適応するかなどの実験がなされています。動物も実験に使われ、29匹のネズミと2,478尾のクラゲも乗せられていました。
宇宙での本格的な医学実験は17年ぶりのことでした。
1.どんな形をして、どのような性能を持っているの
スペースシャトル・コロンビアは、オービター(軌道船)と呼ばれる有人宇宙船(コロンビア)と、それを打上げるための固体燃料ブースターロケット2基、液体燃料を入れてある外部タンクからなっています。全体の長さは56m、高さ23m、重さ2,000tで、オービターだけの長さは37m、高さ17m、重さ85tです。外部タンクは使い捨てですが、オービターとブースターロケットはくりかえし使われます。
2.打ち上げや飛行の順序はどうなっているの?
ブースターロケットの噴射と、外部タンクの液体燃料を使うオービターの噴射で打ち上げます。2分後に、燃料の燃えつきたブースターロケットが切り離され、パラシュートで落下します。8分後、高度250kmから400kmに達したとき外部タンクが切り離され、オービターは軌道修正用エンジンで地球周回軌道に乗ります。オービターが地球に戻るときは、グライダーのように滑空しながら着陸します。
4.宇宙でどんな活動をし、どのような成果をおさめたの?
宇宙酔いの実験や、微小重力環境での人体の適応実験が行われました。
※参考文献:「Newton Collection II 宇宙開発」竹内 均・監修(教育社)、「SPACE ATLAS 宇宙のすべてがわかる本」河島信樹・監修/三品隆司・著(PHP研究所)、朝日新聞縮刷版 平成3年6月
STS-40
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/12 05:12 UTC 版)
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コロンビアのペイロードベイ
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任務種別 | 生物科学 |
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運用者 | アメリカ航空宇宙局 |
COSPAR ID | 1991-040A |
SATCAT № | 21399 |
任務期間 | 9日2時間14分20秒 |
飛行距離 | 6,083,223 km |
周回数 | 146 |
特性 | |
宇宙機 | コロンビア |
着陸時重量 | 102,283 kg |
ペイロード重量 | 12,374 kg |
乗員 | |
乗員数 | 7 |
乗員 | ブライアン・オコナー シドニー・グティエレス ジェームズ・P・バジアン タマラ・E・ジャーニガン マーガレット・レア・セッドン フランシス・ドリュー・ガフニー ミリー・ヒューズ=フルフォード |
任務開始 | |
打ち上げ日 | 1991年6月5日 13:24:51(UTC) |
打上げ場所 | ケネディ宇宙センター第39発射施設 |
任務終了 | |
着陸日 | 1991年6月14日 15:39:11(UTC) |
着陸地点 | エドワーズ空軍基地第22滑走路 |
軌道特性 | |
参照座標 | 地球周回軌道 |
体制 | 低軌道 |
近点高度 | 287 km |
遠点高度 | 296 km |
傾斜角 | 39.0° |
軌道周期 | 90.4分 |
![]() ![]() 前列:左から、ガフニー、フルフォード、セッドン、バジアン 後列:左から、オコナー、ジャーニガン、グティエレス |
STS-40は、コロンビアの11回目の打上げであり、9日間のミッションである。5回目のスペースラブのミッションであるSpacelab Life Sciences-1を行うために、スペースラブを軌道に運んだ。STS-40は、初めて乗組員に3人の女性が含まれるミッションとなった。
乗組員
- 船長 - ブライアン・オコナー (2)
- 操縦手 - シドニー・グティエレス (1)
- ミッションスペシャリスト1 - ジェームズ・P・バジアン (2)
- ミッションスペシャリスト2 - タマラ・E・ジャーニガン (1)
- ミッションスペシャリスト3 - マーガレット・レア・セッドン (2)
- ペイロードスペシャリスト1 - フランシス・ドリュー・ガフニー (1)
- ペイロードスペシャリスト2 - ミリー・ヒューズ=フルフォード (1)
ミッションの概要
打上げは、当初は1991年5月22日に設置されていたが、打上げ48時間前を過ぎてから、オービタの主推進装置の変換器から液体水素が漏れていることが発見されたため、延期された。9つある液体水素と液体酸素の変換器のうちの1つ以上が燃料及び酸化剤のラインに突き出し、エンジンのターボポンプを破壊してエンジン故障が生じることが危惧された。
さらに、オービタの5つの汎用コンピュータのうちの1つと、オービタの手動操縦システムを制御するマルチプレクサーの1つが完全に故障した。
新しい汎用コンピュータとマルチプレクサーが設置され、試験が行われた。推進システムより上流にある液体水素の変換器1つと液体酸素の変換器2つも交換され、内部スクリーンによって保護された。また、エンジン連結管部分にある3つの液体酸素変換器が交換され、3つの液体水素交換機が除去された。打上げは、6月1日午前8時(EDT)に再設定されたが、内部測定ユニットの校正に失敗し、再度延期された。ユニットは交換、試験され、打上げは、6月5日に再設定された。1991年6月5日午前9時24分51秒(EDT)に打上げは成功した。打上げ時の重量は、114,290 kgであった。
このミッションは、スペースラブの5回目のミッション(Spacelab Life Sciences-1)であり、生命科学のみが行われた初めてのミッションである。またこのミッションでは、1973年から1974年のスカイラブのミッション以来の、詳細な生理学的測定が行われた。測定対象は、ヒト、30匹のネズミ、数千匹の小さなクラゲであった。
これらの実験では、心臓/肺機能、腎臓/内分泌機能、血液、免疫系、筋肉/骨格、神経/感覚器等が測定された。その他のペイロードには、材料科学のための12個のGetaway Special (GAS)、植物生物学及び宇宙放射線の実験機器、Middeck Zero-Gravity Dynamics Experiment (MODE)、そして7つのOrbiter Experiments (OEX)等があった。
1991年6月14日午前8時39分11秒(PDT)にエドワーズ空軍基地第22滑走路に着陸した。ロールアウト距離は2,866 m、ロールアウト時間は55秒間であった。オービタは、6月21日にケネディ宇宙センターに戻ってきた。着陸時重量は、102,755 kgであった。
関連項目
外部リンク
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