STS-41-Gとは? わかりやすく解説

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STS-41-G

分類:スペースシャトル


名称:STS-41-G
オービター名称:チャレンジャー
打ち上げ国名機関:アメリカ/アメリカ航空宇宙局(NASA)
打ち上げ年月日:1984年10月5日
着陸年月日:1984年10月13日
宇宙飛行士:ロバート・クリッペン/ジョン・マクブライド/デビッド・リーストマ/サリー・ライド/キャサリン・D・サリバン/ポール・スカリーパワー/マーク・ガルネ
飛行時間:197時間23

STS-41-Gのチャレンジャーには、初め定員いっぱいの7人の宇宙飛行士乗りみました満席状態で船内生活快適にすごせるかどうかスペースシャトル居住性テストするためでした。
また、このときのチャレンジャーでは、キャスリン・サリバン宇宙飛行士アメリカ人女性として初めての船外活動行ってます。デビッド・リーストマ飛行士いっしょにシャトルの外へ出たサリバンは、約3時間30分わたって船外活動し、姿勢制御エンジン燃料切れおこしていた地球観測衛星ランドサット燃料補給しました。
ほかにも、無重力状態での水の玉鋼球衝突実験や、最新鋭レーダーによる地球表面探査などを行ないチャレンジャー打上げ地点だったケネディ宇宙センター着陸しました。

1.どんな形をして、どのような性能持っている
スペースシャトル・チャレンジャーは、オービター(軌道船)と呼ばれる有人宇宙船(チャレンジャー)と、それを打上げるための固体燃料ブースターロケット2基と、液体燃料入れてある外部タンクからなっています。全長56m、高さ23m、重さ2,000tで、オービターだけの長さは37m、高さ17m、重さ85tです。外部タンク使い捨てですが、オービターとブースターロケットはくりかえし使われます。


2.打ち上げ飛行順序はどうなっているの?
ブースターロケットの噴射と、外部タンク液体燃料を使うオービター噴射打上げます。2分後に、燃料燃えつきたブースターロケットが切り離されパラシュート落下します。8分後、高度250kmから400kmに達したとき外部タンク切り離されオービター軌道修正エンジン地球周回軌道乗りますオービター地球に戻るときは、グライダーのように滑空しながら着陸します

3.宇宙飛行目的は?
人工衛星への燃料補給最新鋭レーダーによる地球表面探査科学実験などです。

4.宇宙でどんな活動をし、どのような成果おさめたの?
燃料切れをしていた人工衛星への燃料補給行ないその中でキャスリン・サリバンがアメリカ人女性として初の船外活動成功しました。ほかにも科学実験地表面探査などを行ないました。

参考文献:「Newton Collection II 宇宙開発竹内 均監修(教育社)、「SPACE ATLAS 宇宙のすべてがわかる本」河島監修/三品隆司・著(PHP研究所)、朝日新聞縮刷版 昭和59年10月


STS-41-G

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/30 23:13 UTC 版)

STS 41-G
徽章
ミッションの情報
ミッション名 STS 41-G
シャトル チャレンジャー
発射台 39-A
打上げ日時 1984年10月5日 11:03:00 UTC
着陸または着水日時 1984年10月13日 16:26:33 UTC
ケネディ宇宙センター
ミッション期間 8日5時間23分33秒
周回数 133
高度 218海里 (404 km)
軌道傾斜角 57.0°
航行距離 3,289,444マイル (5,293,847 km)
乗員写真
下段(左から右に)ジョン・マクブライド、サリー・ライド、キャサリン・サリバン、デビッド・リーストマ、上段(左から右に)ポール・スカリー=パワー、ロバート・クリッペン、マーク・ガルノー。マクブライドの横に置かれた金色の宇宙飛行士ピンのレプリカは、団結を象徴している。
年表
前回 次回
STS-41-D STS-51-A

STS-41-Gは、アメリカ航空宇宙局スペースシャトル計画の13回目の飛行であり、チャレンジャーの6回目の飛行である。チャレンジャーは、1984年10月5日に打ち上げられ、10月13日にケネディ宇宙センターに2度目の着陸を果たした。7人の乗組員を乗せた最初のミッションであり、また初めて2人の女性宇宙飛行士(サリー・ライドキャサリン・D・サリバン)及び、初めてのカナダ人宇宙飛行士(マーク・ガルノー英語版)が搭乗した。さらに、初めて女性の宇宙遊泳(サリバン)が行われた。

STS-41-Gは、IMAXカメラを搭載した3度目のミッションである。このミッションで撮影されたフィルム(サリバンとリーストマの宇宙遊泳を含む)は、1985年のThe Dream Is Aliveという映画で使用された。

乗組員

バックアップ

ミッションパラメータ

  • 質量
    • 離陸時:110,120 kg
    • 着陸時:91,746 kg
    • ペイロード:8,573 kg
  • 近点:351 km
  • 遠点:391 km
  • 軌道傾斜角:57°
  • 軌道周期:92.0分

宇宙遊泳

  • 開始:1984年10月11日
  • 終了:1984年10月11日
  • 時間:3時間29分

ミッションの概要

展開中のERBS
展開中のSIR-Bアンテナ
宇宙遊泳中のサリバン

1984年10月5日7時3分(EDT)、ケネディ宇宙センターからチャレンジャーが打ち上げられ、STS-41-Gのミッションが始まった。チャレンジャーの6回目の飛行であり、スペースシャトル計画の13回目の飛行であった。

搭乗者は7名の乗組員で、これまでの1度のスペースシャトルの打上げでは最大の人数であった。機長はロバート・クリッペンであり、これが4度目の宇宙飛行で、しかも6か月前にも宇宙に行ったばかりだった。パイロットはジョン・マクブライドであり、その他、3人のミッションスペシャリスト(デビッド・リーストマ、サリー・ライド、キャサリン・D・サリバン)と2人のペイロードスペシャリスト(ポール・スカリー=パワーとマーク・ガルノー)が搭乗した。マーク・ガノは、カナダ人として初めて宇宙を訪れた。

サリバンは、1984年10月11日に3時間の宇宙遊泳を行い、宇宙遊泳を行った初めてのアメリカ人女性となった。

打上げから9時間後、2,307kgの大気放射収支衛星(ERBS)がシャトル・リモート・マニピュレータ・システムによってペイロードベイから展開され、スラスターを噴射して560㎞の軌道に放出された。この衛星は、地球が太陽から受け取るエネルギーの量と宇宙への再放射の量を測定するために計画された3つの衛星のうち最初のものであった。また、赤道地方から極地方へのエネルギーの季節移動の観測にも用いられた。

ミッションのもう1つの主な目的は、Shuttle Imaging Radar-B (SIR-B)の運用であった。SIR-BはOSTA-3の一部であり、地球を撮影するためのLarge Format Camera (LFC)や大気汚染を測定するためのMAPSと呼ばれるカメラから成り立っていた。

SIR-Bを用いて撮影された画像の例

SIR-Bは、STS-2で行われたOSTA-1の改良バージョンであった。これは8枚パネルのアンテナで、飛行の間中ずっと運用されていたが、チャレンジャーのKu帯アンテナが故障し、当初の計画通りにリアルタイムで地球に伝送できなず、機体上の記録装置に記録されることとなった。

ペイロードスペシャリストでアメリカ海軍研究所のスカリー=パワーは、一連の海洋学の観測を行った。ガノは、CANEXと呼ばれる、医学、大気学、気象学、材料学、ロボット学に関連するカナダ政府委託の実験を行った。

後に、ソビエト連邦Terra-3が1984年10月10日に低出力レーザーでチャレンジャーを追跡していたと報じられたが、この説は乗組員によって完全に否定されている[1]

8日と5時間23分33秒のミッションで、チャレンジャーは地球を132周し、5,293,847km飛行した。1984年10月13日12時26分(EDT)、ケネディ宇宙センターのNASAシャトル着陸施設に着陸した。この施設が利用されたのは、2度目のことであった。

徽章

アメリカ合衆国の国旗の青地に描かれた13個の星は、第13回目のスペースシャトル計画であることを示している。一方、黒地に描かれた17個の星は、当初の計画名がSTS-17であったことを示している。それぞれの乗組員の名前の横には性別マークが描かれ、ガルノーの名前の横にはカナダの国旗が描かれている。

宇宙史家のコリン・バージェスの著書Oceans to Orbit: The Story of Australia's First Man in Space, Paul Scully-Powerでは、STS-41-Gのミッションが詳細に描かれている。

起床コール

NASAでは、ジェミニ計画の時から伝統的に宇宙飛行士のために音楽を流すことを始め、アポロ15号では初めて宇宙飛行士の起床のために用いられた。それぞれの曲は、宇宙飛行士の家族等が選んだもので、しばしば各人にとって特別な意味を持っている[2]

歌手/作曲家
2日目 "Flashdance - What A Feeling" アイリーン・キャラ
3日目 "ロッキーのテーマ"

出典

  1. ^ Encyclopedia Astronautica STS-41-G
  2. ^ Fries, Colin (2007年6月25日). “Chronology of Wakeup Calls” (PDF). NASA. http://history.nasa.gov/wakeup%20calls.pdf 2007年8月13日閲覧。 

外部リンク



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