STS-81
名称:STS-81
オービター名称:アトランティス
打ち上げ国名・機関:アメリカ/アメリカ航空宇宙局(NASA)
打ち上げ年月日:1997年1月12日
着陸年月日:1997年1月22日
宇宙飛行士:マイケル・A・ベーカー/ブレント・W・ジェット/ジョン・M・グランスフィールド/マーシャ・S・イビンズ/ピーター・J・K・ワイゾフ/ジェリー・M・リネンガー
飛行時間:244時間56分
STS-81のアトランティスでは、STS-71から始まって5回目となる、ロシア宇宙ステーション「ミール」とドッキングしての共同ミッションが、約5日間にわたって行われました。
ドッキングしたあとアメリカとロシアの宇宙飛行士たちは共同作業を行い、ミールへの補給物資として、飲料水や食料、科学実験用の備品など約1,819kgのさまざまな荷物をアトランティスから運び入れ、ミールから地球へ持ち帰るための約1,071kgの荷物をアトランティスに移しました。
また宇宙飛行士の交換も行われ、STS-79ミッションのときからミールに残っていたアメリカ人宇宙飛行士のジョン・E・ブラハが、ジェリー・M・リネンガーと交替しました。リネンガー宇宙飛行士は、ロシア人宇宙飛行士たちと船外活動などを一緒に行うためにミールに残ったのでした。
1.どんな形をして、どのような性能を持っているの
スペースシャトル・アトランティスは、オービター(軌道船)と呼ばれる有人宇宙船(アトランティス)と、それを打ち上げるための固体燃料ブースターロケット2基と、液体燃料を入れてある外部タンクからなっています。全体の長さは56m、高さ23m、重さ2,000tで、オービターだけの長さは37m、高さ17m、重さ85tです。外部タンクは使い捨てですが、オービターとブースターロケットはくりかえし使われます。
2.打ち上げや飛行の順序はどうなっているの?
ブースターロケットの噴射と、外部タンクの液体燃料を使うオービターの噴射で打ち上げます。2分後に、燃料の燃えつきたブースターロケットが切り離され、パラシュートで落下します。8分後、高度250kmから400kmに達したとき外部タンクが切り離され、オービターは軌道修正用エンジンで地球周回軌道に乗ります。飛行3日目に宇宙ステーション「ミール」とドッキングし、飛行11日目にオービターは地球へ戻り、グライダーのように滑空しながら着陸しました。
3.宇宙飛行の目的は?
ロシアの宇宙ステーション「ミール」とのドッキングや科学実験です。
4.宇宙でどんな活動をし、どのような成果をおさめたの?
ミールとのドッキングに成功し、また、無重力を利用したさまざまな科学実験を行ないました。
※参考文献:「Newton Collection II 宇宙開発」竹内 均・監修(教育社)1992年発行「SPACE ATLAS 宇宙のすべてがわかる本」河島信樹・監修/三品隆司・著(PHP研究所)1995年発行
STS-81
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/02 07:36 UTC 版)
STS-81 | |||||
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徽章
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ミッションの情報 | |||||
ミッション名 | STS-81 | ||||
シャトル | アトランティス | ||||
発射台 | 39-B | ||||
打上げ日時 | 1997年1月12日 09:27:23 UTC | ||||
着陸または着水日時 | 1997年1月22日 14:23:51 UTC ケネディ宇宙センター第33滑走路 |
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ミッション期間 | 10日4時間56分30秒 | ||||
周回数 | 160 | ||||
高度 | 296 km | ||||
軌道傾斜角 | 51.60° | ||||
航行距離 | 6,100,000 km | ||||
乗員写真 | |||||
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年表 | |||||
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STS-81は、1997年1月にスペースシャトルアトランティスがロシアの宇宙ステーションミールを訪れたミッションである。
乗組員
- 船長 - マイケル・A・ベーカー (1)
- 操縦手 - ブレント・ジェット (2)
- ミッションスペシャリスト - ピーター・ウィソフ(3)
- ミッションスペシャリスト - ジョン・グランスフェルド (2)
- ミッションスペシャリスト - マーシャ・アイビンス(4)
- ミッションスペシャリスト(出発時) - ジェリー・リネンジャー(2)
- ミッションスペシャリスト(帰還時) - ジョン・ブラハ(5)
ミッションパラメータ
- 質量:2,250 kg
- 近点:380 km
- 遠点:392 km
- 軌道傾斜角:51.6°
- 軌道周期:92.2分
ミールとのドッキング
- ドッキング:1997年1月15日 03:54:49 UTC
- ドッキング解除:1997年1月20日 02:15:44 UTC
- ドッキング継続時間:4日22時間20分55秒
ミッションハイライト


STS-81は、ミールへの予定された9回の飛行のうち5回目で、アメリカ側の宇宙飛行士の2回目の交代であった。1996年9月19日から滞在していたジョン・ブラハは、ジェリー・リネンジャーと交代した。リネンジャーはミールに4ヶ月以上滞在し、STS-84で地球に帰った。
アトランティスは、スペースハブ社のダブルモジュールを運び、ミッドデッキのロッカーとして用いられた。ミールとドッキングしていた5日間で、乗組員は水と食糧を運び込んだ。アトランティスの出発後、リネンジャーは宇宙遊泳を行った。
STS-81のミッションでは、地球科学、基礎生物学、人間科学、微少重力、宇宙科学等の分野の実験が行われ、これらのデータは国際宇宙ステーションの設計や開発等に役立てることが期待された。

STS-81では、それまでで最多となる2,710kgの荷物がミールに運ばれた。ドッキング中、635kgの水、516.1kgのアメリカ合衆国の科学機器、1,000.7kgのロシアの貨物、121.7kgの雑貨がミールに運び込まれ、570.0kgのアメリカ合衆国の科学機器、404.5kgのロシアの貨物、97.3kgの雑貨がミールからアトランティスに運ばれて地球に持ち帰られた。
1997年最初のスペースシャトルの飛行のハイライトは、118日間ミールに滞在したアメリカの宇宙飛行士ジョン・ブラハが地球に帰還したことと、2機の宇宙船がこれまでで最多の貨物を運搬したことである。アトランティスは、宇宙で完全なサイクルを過ごした最初の植物(種の状態で宇宙に持ち込まれ、種をつけた小麦)を地球に持ち帰った。予定された9回のうちの5回目のNASAとロシア宇宙庁の共同ミッションとなり、リネンジャーはミールに滞在する3人目のアメリカ側の宇宙飛行士となった。スペースハブ社のダブルモジュールは、前回のミッションでも宇宙に行っており、2度目の宇宙の滞在となった。
ブラハは、1996年9月19日にSTS-79でミールを訪れ、第22次長期滞在のワレリー・コズルン、アレクサンドル・カレリと合流した。リネンジャーは、2月に第23次長期滞在のワシリー・ツィブリエフ、アレクサンドル・ラズトキンとドイツの研究者ラインホルト・エヴァルトが来るまで、この2人と過ごした。エヴァルトは短期間ミールに滞在した後、第22次長期滞在の乗組員とともに地球に戻った。1997年5月にSTS-84でミールを訪れたマイケル・フォーレと交代して、リネンジャーも地球に戻った。

ドッキングは1月14日22時55分ESTに行われ、翌15日0時57分にハッチが開けられた。リネンジャーは、公式には4時45分にブラハと交代した。
また、国際宇宙ステーションのロシアのサービスモジュールで使うために開発されたTreadmill Vibration Isolation and Stabilization System (TVIS)が試験された。国際宇宙ステーション関係のその他の活動としては、オービタの小さな副尺ジェットスラスタが点火され、データが集められた。
1月19日9時15分ESTにドッキングが解除された。アトランティスには、特に故障などはなかった。
起床コール
NASAはジェミニ計画の時から伝統的に宇宙飛行士のために音楽を流しており、アポロ15号からは、それを起床のために用いるようになった[1]。それぞれの曲は、しばしば宇宙飛行士の家族が特別に選んだもので、それぞれにとって特別な意味を持つものである[1][2]。
日 | 曲 | 歌手/作曲家 |
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2日目 | "Free Ride" | エドガー・ウィンター |
3日目 | "It Keeps You Runnin’" | ドゥービー・ブラザーズ |
4日目 | "Hitchin’ a Ride" | ヴァニティ・フェア |
5日目 | "Celebration" | クール・アンド・ザ・ギャング |
6日目 | "I Got You (I Feel Good)" | ジェームス・ブラウン |
7日目 | "Mack the Knife" | ボビー・ダーリン |
Day 8日目 | "涙の乗車券" | ビートルズ |
9日目 | "My Favorite Marcia" | The Allison Brown Quartet |
10日目 | "The Banana Boat Song" | ハリー・ベラフォンテ |
出典
- ^ a b Fries, Colin (2007年6月25日). “Chronology of Wakeup Calls” (PDF). NASA 2007年8月13日閲覧。
- ^ NASA (2009年5月11日). “STS-81 Wakeup Calls”. NASA. 2009年7月31日閲覧。
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