STS-95
名称:STS-95
オービター名称:ディスカバリー
打ち上げ国名・機関:アメリカ/アメリカ航空宇宙局(NASA)
打ち上げ年月日:1998年10月29日
着陸年月日:1998年11月7日
宇宙飛行士:カーティス・L・ブラウンJr./スチーブン・W・リンゼー/スコット・E・パラジンスキー/ステファン・K・ロビンソン/ペドロ・デュケ/向井千秋/ジョン・H・グレン
飛行時間:213時間44分
STS-95のディスカバリーには、日本人女性宇宙飛行士の向井千秋さんが乗っていました。1994年打ち上げのSTS-65コロンビアに続いて2度目の飛行でした。向井宇宙飛行士は、ガマアンコウという魚を使った「宇宙酔い」の実験や、宇宙の微小重力のなかで植物がどのように成長するか、などの科学実験を行いました。
STS-95ディスカバリーにはまた、77歳という、これまでで最高齢の宇宙飛行士になるジョン・グレン宇宙飛行士も乗っていました。グレン飛行士は、1962年にアメリカ人で初めて地球周回飛行を行った宇宙飛行士です。高齢の体に宇宙環境がどのような影響をあたえるかを調べるため、36年ぶりで2度目の宇宙飛行に挑んだのでした。
STS-95ディスカバリーでは他にもさまざまな科学実験や、太陽コロナ観測衛星スパルタンの放出と回収などが行われました。
1.どんな形をして、どのような性能を持っているの
スペースシャトル・ディスカバリーは、オービター(軌道船)と呼ばれる有人宇宙船(ディスカバリー)と、それを打上げるための固体燃料ブースターロケット2基と、液体燃料を入れてある外部タンクからなっています。全体の長さは56m、高さ23m、重さ2000tで、オービターだけの長さは37m、高さ17m、重さ85tです。外部タンクは使い捨てですが、オービターとブースターロケットはくりかえし使われます。
2.打ち上げや飛行の順序はどうなっているの?
ブースターロケットの噴射と、外部タンクの液体燃料を使うオービターの噴射で打上げます。2分後に、燃料の燃えつきたブースターロケットが切り離され、パラシュートで落下します。8分後、高度250kmから400kmに達したとき外部タンクが切り離され、オービターは軌道修正用エンジンで地球周回軌道に乗ります。オービターが地球に戻るときは、グライダーのように滑空しながら着陸します。
3.宇宙飛行の目的は?
魚や植物の観察や物質の結晶を作るなど、宇宙の微小重力を利用したさまざまな科学実と、太陽コロナ観察衛星スパルタンの放出です。
4.宇宙でどんな活動をし、どのような成果をおさめたの?
向井千秋宇宙飛行士が2度目の宇宙飛行を行い、77歳のジョン・グレン宇宙飛行士もまた36年ぶりで2度目の宇宙飛行を行いました。また、さまざまな科学実験も実施しました。
※参考文献:「Newton Collection II 宇宙開発」竹内 均・監修(教育社)、「SPACE ATLAS 宇宙のすべてがわかる本」河島信樹・監修/三品隆司・著(PHP研究所)
STS-95
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/03 02:12 UTC 版)
STS-95 | |||||
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徽章
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ミッションの情報 | |||||
ミッション名 | STS-95 | ||||
シャトル | ディスカバリー | ||||
乗員数 | 7 | ||||
発射台 | LC39-B | ||||
打上げ日時 | 1998年10月29日 02:19:34 EST | ||||
着陸または着水日時 | 1998年11月7日 12:04 EST | ||||
ミッション期間 | 9日9時間44分26秒 | ||||
高度 | 574 km | ||||
軌道傾斜角 | 28.45° | ||||
航行距離 | 5,800,000 km | ||||
乗員写真 | |||||
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上列左から、パラジンスキー, ロビンソン, 向井, デュケ, グレン, リンジー, ブラウン | |||||
年表 | |||||
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STS-95は、1998年10月にスペースシャトルディスカバリーによって行われた8日間に渡る有人宇宙飛行である。ディスカバリーの25回目の飛行で、1981年4月にスペースシャトルのプログラムが始まって以来、92回目の飛行であった。また1959年のマーキュリー計画時代の宇宙飛行士で、アメリカ合衆国上院議員のジョン・ハーシェル・グレンが復帰し、2度目の宇宙飛行を行ったことで話題となった。グレンは最年長の宇宙飛行者となった。また、アメリカ合衆国でATSC高精細度テレビジョン放送が始まったことでも知られる。さらに、ペドロ・デュケがスペイン人で初めての宇宙飛行者となった。
任務
このミッションは、グレンが行うSpacehabを用いた物科学の研究や太陽の地球の生命への影響を調べることだった。Spartan 201が放出され、シャトルの周りを漂ってコロナから発せられる太陽風の加速を研究した。
乗組員
- カーティス・ブラウン (1) - コマンダー
- スティーヴン・W・リンジー (2) - パイロット
- スティーブン・ロビンソン (2) - ペイロードコマンダー
- スコット・パラジンスキー (3) - ミッションスペシャリスト
- ペドロ・デュケ (1) - ミッションスペシャリスト(欧州宇宙機関)
- 向井千秋 (2) - ペイロードスペシャリスト(宇宙航空研究開発機構)
- ジョン・ハーシェル・グレン (2) - ペイロードスペシャリスト
外部リンク
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