STS-106とは? わかりやすく解説

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STS-106

分類:スペースシャトル


名称:STS-106
オービター名称:アトランティス
打ち上げ国名機関:アメリカ/アメリカ航空宇宙局(NASA)
打ち上げ年月日:2000年9月8日
着陸年月日:2000年9月20日
宇宙飛行士:テレンス・W・ウイルカット/スコット・D・アルトマン/エドワード・T・ルー/リチャード・A・マストラキオ/ダニエル・C・バーバンク/ユーリ・イワノビッチ・マレンチェンコ/ボリス・V・モロコフ
飛行時間:283時間10

STS106アトランティスは、2000年9月8日ケネディ宇宙基地から打ち上げられました。長いシャトル歴史の中で、99回目打上げです。1998年11月から建設中の「国際宇宙ステーション(ISS)」に、8月にすでにドッキングしていた補給船「プログレス内の物資運び入れましたまた、STS-106で運んださまざまな装置物資を、ステーション内に移しました搬入作業時間がかかり、当初の予定より1日長い12日間の飛行となりました

1.どんな形をして、どのような性能持っているの?
スペースシャトル・アトランティスは、軌道船オービター固体ロケットブースター液体燃料タンク構成されています。全体長さは56.1m、高さ23.3m、幅23.8m、重さ2,050t。オービターだけの長さは37.2m、高さ17m、幅23m、重さ約85t。オービター後部機器収納室は、全長18m、直径4.6mです。オービター固体ロケットブースター再利用され、ブースターとオービターエンジンで計3,000tの推力あります

2.打ち上げ飛行順序はどうなっているの?
機体は、固体ブースターロケットと、外部燃料タンクにある液体水素燃焼上昇します。2分後、燃料尽きたロケット切り離されパラシュート落下。8分後、高度250〜400kmに達したとき外部燃料タンク切り離されます。オービター軌道修正エンジン地球周回軌道乗ります地球に戻るとき、オービター下部前方向けて減速した後、グライダーのように滑空して着陸します

3.宇宙飛行目的は?
国際宇宙ステーションへ物資補給8月6日ドッキングしていたロシア無人貨物船プログレス」の物資運び入れること。そして、7月26日ドッキングしていたサービスモジュール(兼仮居住棟)「ズヴェズダ」の点乗組員長期滞在への準備目的でした。

4.宇宙でどんな活動をし、どのような成果おさめたの?
国際宇宙ステーション設備補強し物資搬入しました船外活動で、電気供給データ通信のための配線などをしました。これらのことで乗組員恒久滞在ステーション完成一歩近づきました。

参考文献
改訂版[図解]SPACE ATLAS 宇宙のすべてがわかる本」河島監修/三品隆司+studio HETERO・編(PHP研究所)


STS-106

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/05 22:49 UTC 版)

STS-106
徽章
ミッションの情報
ミッション名 STS-106
シャトル アトランティス
発射台 39-B
打上げ日時 2000年9月8日 8:45:47(EDT)
着陸または着水日時 2000年9月19日 3:56(EDT)
ケネディ宇宙センター第15滑走路
ミッション期間 11日19時間12分15秒
周回数 185
高度 320 km
軌道傾斜角 51.6°
航行距離 7,900,000 km
乗員写真
年表
前回 次回
STS-101 STS-92

STS-106は、アトランティスを用いて国際宇宙ステーション(ISS)を訪れたスペースシャトルのミッションである。

乗組員

ミッションパラメータ

  • 質量:
    • 打上げ時:115,259 kg
    • 着陸時:100,369 kg
    • ペイロード:10,219 kg
  • 近点:375 km
  • 遠点:386 km
  • 軌道傾斜角:51.6°
  • 軌道周期:92.2分

ISSとのドッキング

  • ドッキング:2000年9月10日5時51分25秒(UTC)
  • ドッキング解除:2000年9月18日3時46分00秒(UTC)
  • ドッキング時間:7日21時間54分35秒

宇宙遊泳

  • 開始:2000年9月11日4時47分(UTC)
  • 終了:2000年9月11日11時01分(UTC)
  • 時間:6時間14分

ミッションハイライト

ICC STS-106
STS-106におけるアトランティスの打上げ
宇宙飛行中の乗組員
9月11日に行われた宇宙遊泳中のマレンチェンコ
STS-106から見た国際宇宙ステーション。ユニティ、ザーリャ、ズヴェズダのモジュールにプログレス補給船がドッキングしている。

ISS組立てミッションISS-2A.2b では、SPACEHAB Double ModuleとIntegrated Cargo Carrier (ICC)を用いてISSへの補給品が運ばれた。またこのミッションでは、2度の船外活動が行われた。

4度目の宇宙飛行となる船長のテレンス・ウィルコットは、7名の乗組員を指揮した。11日間のミッションで、ウィルコットらは1週間をISSの中で過ごし、アトランティス後部のSPACEHABとズヴェズダにドッキングしたロシアのプログレスM-1からの荷物を降ろした。ズヴェズダは7月26日にISSに接続されたばかりで、当初は居住区域として用いられた。

ミッションの目標は、2000年秋に予定されていた初めての長期滞在のためにズヴェズダの準備をすることであった。ウィリアム・シェパードを船長とする第1次長期滞在の乗組員は、2000年10月31日にソユーズで地球を出発し、新しい開拓地での4ヶ月間の生活を始めた。

飛行3日目、ともに2度目の宇宙飛行となるエドワード・ルーとユーリ・マレンチェンコは、6時間14分の船外活動を行った。船外活動の目的は、電源ケーブルやデータ通信のためのケーブルをズヴェズダとザーリャの間に敷設することと6フィートの長さの磁気センサを設置することであった。磁気センサは、ズヴェズダの地球からの角度を測定するための三次元コンパスとして設計されたものであった。

ルーとマレンチェンコは、100フィート以上上のカーゴベイまで命綱と手すりを使って移動し、スペースシャトル外の最遠での船外活動となった。彼らはバーバンクとマストラキオのロボットアームによる手助けを受けて作業を完了し、この船外活動は、スペースシャトルの歴史上ちょうど50回目の船外活動となった。また、これは、1997年10月にミールで行われた時に続き、スペースシャトル外での2度目のアメリカ合衆国とロシアの共同での船外活動となった。ルーは赤い縞模様の宇宙服、マレンチェンコは純白の宇宙服を着た。マレンチェンコは、1994年にミールに4ヶ月滞在していた時に合計12時間の船外活動を経験していたが、ルーにとっては初めての船外活動であった。ダン・バーバンクは、船外活動の振付師を務めた。

ミッションスペシャリストのリック・マストラキオは、このミッションのロボットアーム操作の責任者で、ルーとマレンチェンコが組立て作業を行っていた間に、カナダが設置したアームを用いて2人の移動を行った。マストラキオのバックアップは、操縦手のスコット・アルトマンが務めることになっていた。

乗組員の最後のメンバーはボリス・モロコフで、モロコフはプログレスからの荷下ろしを担当した。

飛行4日目、乗組員は与圧結合アダプタ-2を通じてISSに入り、3トン以上の補給品等の移動作業を開始した。アトランティスの乗組員は、7月にバイコヌール宇宙基地から打ち上げられて以来初めてズヴェズダの内部に入った。さらに、Reaction Control System (RCS)を用いて再起動し、ISSを高い軌道に押し上げた。

補給品の移動と維持の作業は5日目も続き、消耗品は必要な量以上あったので、ミッションは1日延ばされることになった。

飛行5日目の活動には、ズヴェズダ内への3つのバッテリーの設置等があった。打上げ時の重量を減らすため、ズヴェズダは8つのうち5つのバッテリーしか積まない状態で打ち上げられた。

ルーとマレンチェンコは、飛行6日目の大部分をズヴェズダへの電圧電流安定装置の設置に費やした。電子システムや水を水素と酸素に電気分解する装置も設置され、最初の乗組員到着後に起動された。

乗組員は、6つの100ポンドの水の容器や最初の乗組員用の全ての食物、事務用品、コンピュータ等を含み、6000ポンド以上の荷物をISS内に移動した。

乗組員は、5日と9時間21分をISSで過ごした。ウィルコットとアルトマンは4つのブースターを操作してISSを約233マイルから241マイルの軌道に移し、平均高度を14マイル上昇させた。ISSへの結合から7日と21時間54分後、アトランティスは11時46分(EDT)にドッキングを解除した。

アトランティスは、490万マイルの飛行で3トン以上の荷物をISSに運んだ。アマチュア無線の無線機が、STS-106で初めて宇宙に運ばれ、ISSに設置されて、第1次長期滞在の乗組員によって用いられた[1]

出典

  1. ^ ISS Reference - Ham Radio”. Spaceflight.nasa.gov (2012年7月23日). 2012年11月2日閲覧。

外部リンク



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