玩具・模型
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玩具・プラモデルの商品展開が行われ、いずれも1982年の年末商戦では一部商品が品薄になるほどのヒットを記録した。また、量産機体を区別するためのカラーリング・細部変更によるバリエーション展開が作品中にあったため、主人公を始め登場パイロット達の各々のカラーリング変更・一部パーツ替えによる商品展開が、プラモのみならず玩具でも多種行われた。 プラモデルは今井科学株式会社(イマイ)と株式会社有井製作所(アリイ)が共同でシリーズを展開。プラモデルは基本的に同一メカに対して1/72と1/100の2スケールで、モデルによって片方のスケールをイマイとアリイが担当していた。このようにイマイとアリイは商品が競合しないように、予め協定を結んでスケールを違えることで棲み分けていた。放送開始前からプラモデルが発売開始されたのも異例なケースだった。放映開始後にはニチモもマクロススタンプやピタバンシリーズでマクロス市場に中途参入。ただしニチモは番組スポンサーにはならなかったため、ニチモのCMは番組枠内でなく開始直前の30秒(13時59分30秒から)のスポット枠を使いオンエアされていた。 造形力や技術力、また設定の再現度において、イマイの商品とアリイのそれらでは大幅に違いが見られた。イマイは1/72、アリイは1/100で、可変バルキリー VF-1(一部パーツ差し替え)を発売、好評を博した。 また、バンダイが発行していた「模型情報」と同様の小冊子「(超時空要塞)マクロス情報」も、イマイとアリイの共同編集という形で商品化と平行して発行された。1冊目だけは表紙に『超弩級要塞マクロス』のタイトルロゴが使用されており、編集時には初期タイトルで企画が進行していたことが伺える。なお本作の放送終了後は後番組『超時空世紀オーガス』を同じイマイとアリイで引き続いてスポンサード=商品化したため、冊子名は「超時空情報」に変更された。以後は『オーガス』と平行して本作及び本作劇場版の商品情報や記事、作例を掲載している。 本放送時はタカトクトイスがスポンサーとなって玩具を発売。タカトクの上層部は当初マクロス艦を中心とした商品展開を行う意向であったが、企画課はバルキリーを中心とした商品展開の方が「玩具として楽しいものになる」との見解からそれを望んでおり、両者の意見が食い違った状態であった。この状態を解消するため、1-2週間程度掛けて上層部や同社内の他セクションと意見交換や話し合いを行った結果、上層部の理解を得てバルキリーを中心とした商品展開を行う方向となった。試作(スケールモデル)はスタジオぬえ側が担当したいと提案を行い、それをタカトク側も受け入れて2か月程度でバルキリーの試作木型モデルが完成、それをベースにマツシロが担当となり変形モデルとしての完成度を優先した試作品の完成を経て、1982年11月にタカトクから完成品モデル「1/55バルキリーシリーズ」が発売された。VF-1J一条輝タイプ(1982年11月)、VF-1S(1983年2月)、VF-1Jマックスタイプ(1983年4月)、VF-1Jミリアタイプ(1983年4月)、VF-1A(1983年7月)の全5種が発売。さらにアーマードバルキリー(1983年5月)、スーパーバルキリー(1984年2月)といったオプションパーツ付きも商品化された。 「1/55バルキリーシリーズ」は、子供が乱暴に扱っても壊れない丈夫な構造と、全関節に仕込まれたラチェットと、変形メカニズムをパーフェクトに再現したギミックが受け、「小学生向け」というロボット玩具の常識を覆し、ヤングアダルト年齢層にも売れる人気商品となり、1983年末時点で同シリーズの出荷数は合計100万個を突破した。飛行形態(ファイターモード)がアメリカ海軍のF-14に似ていたこともあり、厚木基地配属のパイロットたちが面白がって、日本土産としてよく買い求めていたという。あまりの人気に中国や韓国でも海賊版が作られた。また本物も海賊版もアメリカなど海外に輸出された。タカトク82年版1/55の特徴として、バトロイド時のキャノピーカバーが再現されておらず、バトロイド時もファイター時の透明キャノピーのままであった。後に簡易廉価版としてほぼ同様のギミックのタカトク 1/100 VF-1(標準A・輝J・マックスJ・S)が発売された。なお、英語圏では、この1/55シリーズは、タカトクトイス製と後のバンダイ製、まとめて、「chunky monkey」の別名で呼ばれている。 タカトクはこのヒットを推し進める形で次作の『オーガス』でもヒットを期待した生産体制をとり、さらには実在に近い形状のメカが不自然さなくロボットに変形するコンセプトをある意味受け継いだ『特装機兵ドルバック』のスポンサーも務めた。しかしいずれもマクロスのようなヒットにはならず、タカトクの業績は徐々に悪化して行き、結果的には劇場版『愛・おぼえていますか』の公開(7月7日)直前の1984年5月25日に1回目の不渡り手形を出し事業停止となった。タカトクによって後のストライクバルキリー用の新規追加パーツの設計も済んでいたが、その金型起こしと生産はバンダイによって実現されることになる。 タカトクの倒産後、本作関連玩具は金型を管理していたマツシロによって海外向けに生産が行われたほか、無版権オリジナル商品として名称を変えて国内販売もされた。しかしまもなくマツシロが経営危機に陥り、金型はバンダイに引き継がれた。そのため、この時期の1/55バルキリーにはマツシロ刻印版とバンダイ刻印版が存在する。バンダイへの金型移譲後も生産はマツシロが引き続き行い、生産元のマツシロからバンダイにOEMの形で提供されたが、その金型も完全な状態でなかったため不足分の金型をバンダイが新造して、1984年10月に劇場版設定の「ハイメタル VF-1S ストライクバルキリー」(ストライクバルキリーの名称は、商品化する際にバンダイの提案により河森が命名)がバンダイから発売された。年末までに9万個が売れたVF-1Sに続いて1985年1月にはハイメタル 劇場版VF-1Aが発売された。また同時期に、TRANSFORMERSの「Jetfire」としてVF-1S スーパーバルキリーがアメリカのハズブロ社に輸出された際に、安全対策として、機首先端が丸くなるように、マツシロによって、金型が修正された。そのため、その後発売された「ハイメタル VT-1 スーパーオストリッチ」(1985年4月)や『ハイメタル VE-1 エリントシーカー』(1985年6月)は機首先端が丸く短いままとなっていた。VT-1とVE-1の、頭部、ファストパック、コクピットなどの金型は新造された。 その後、マツシロが倒産し、1/55バルキリーの金型はバンダイ栃木工場に引き揚げられたが、金型の一部を紛失していたため、1990年に機首先端が再び尖り、頭部は新造、ランディングギアは手動式に、タイヤも黒色となるマイナーチェンジ(を施した、「ハイメタル VF-1S スーパーバルキリー」が発売された(1990年版はVF-1S スーパーバルキリーのみ)。バンダイ1985年版と1990年版の特徴として、バトロイド時のキャノピーカバーが、1984年版VF-1S ストライクバルキリーでは再現されておらず、1985年版VF-1Aから本体の透明キャノピーの上に被せる方式のキャノピーカバーが別パーツで再現された。これは1990年版VF-1S スーパーバルキリーにも引き継がれた。 その後、オリジナルの金型が失われたため、2001-2002年の「20周年記念復刻版」と2008年以降の「オリジン・オブ・バルキリー」の金型は、スーパー/ストライクパックも含め、完全新造となり、1990年版で作り直したVF-1Sの頭部形状も、01年版と08年版ではタカトクのオリジナルを忠実に再現した。タカトク版とは、キャノピーカバーの仕様や、シールがタンポ印刷に変更されていることなどが異なる。2008年版は2001年版をベースにしており、2008年版ではVF-1A スーパーバルキリーの一条機、マックス機といった、過去に発売されなかったバリエーション機の商品化が行われた。 1985年にアリイはマクロス関連のプラモデルの大型製品の金型のすべてをバンダイに売却。なお小型製品の金型はアリイに残り、一部は再生産され、1996年のマクロス15周年時には40点以上のキットが再発売された。経営が悪化したイマイもバンダイにマクロス関連のプラモデルの金型を売却。バンダイは劇場版仕様の玩具を発売したほか、プラモデルの再発売、プライズゲーム景品の開発などを行っている。1985年には「ハイコンプリートモデル 1/72 VF-1」を発売した。これはタカトクの1/55 VF-1の影響を受けた構造となっていた。前述の「SDマクロス」のバリエーションとして、「超時空烈伝 真空路守」シリーズの「武者バルキリー」も発売した。2010年11月に一部のサブメカの再発売が行われ、その際には箱絵のデザインは変更されず社名のロゴがバンダイのものになっている。 その後ガレージキットも各種発売された。 2000年代に入り、現用戦闘機をはじめとしたいわゆる「スケールモデル」を販売していたハセガワがキャラクターモデル参入第1弾として「1/72 VF-1バルキリー」のファイター形態を発売し、以降1/72の、VF-1のバトロイド形態やガウォーク形態や『マクロス ゼロ』シリーズなど各商品が発売されている。1/72 VF-1 バトロイドではスナップフィットを採用。後に1/48でもVF-1のファイター形態を発売している。 2000年代中盤以降、株式会社やまとがバルキリーの各形態をプロポーションの破綻なく再現した、完成品モデルの商品販売展開を行っている。2001年、最初に発売した「1/60 VF-1バルキリー」は、一部パーツが差し替え式だったが、2002年11月に発売した「1/48 VF-1バルキリー」は、設定をアレンジした差し替え無しの完全変形を実現し、2008年に発売を開始したリニューアル版 「1/60 VF-1バルキリー」もそれを踏襲している。プロポーションは1/48より洗練されている。その他、1/60で、デストロイドシリーズ(例外としてケーニッヒモンスターは1/100)や、『マクロス ゼロ』、『マクロスプラス』、『マクロス7』の登場機体の立体化の他、2012年末には『Flash Back 2012』に合わせて、「1/60 VF-4G」を発売している。その後、2013年3月のやまとの事実上の事業停止以来、現在は新会社である株式会社アルカディアから1/60 VF-1シリーズが発売されている。 海外メーカーではアメリカのトイナミ社が2002年夏に1/55でMasterpiece Collectionとして数量限定(J、A、S、J(MAX)、J(MIRIA)、YF-1Rの6種類、S、J(max)、J(miria)用のスーパーパーツが3種類、発売された。各機体15000個限定、スーパーパーツは各5000個限定で、シリアルナンバー入り)で変形可能なVF-1を発売した。ただしマクロスではなくROBOTECHの商標としてである。スケールはタカトクと同じ1/55だが、変形機構こそ踏襲しているものの、設計や金型はタカトクとはまったく関係のない独自開発であった。特筆すべき点は、ヴァリエーションとして『ロボテック』オリジナルのバルキリーである、YF-1Rが立体化されたことである。 さらに2006年にはマクロスの商標で「1/100 VF-1」を発売した。これはやまとの「1/48 VF-1」の影響を受けたものだが、大腿部の変形ギミックはタカトク方式であった。 2010年1月には海洋堂リボルテックヤマグチが三段変形VF-1を発売している。バトロイド形態でのプロポーションとアクションを重視したデザインとなっている。 waveからは、『マクロス ゼロ』の「ノンスケール VF-0 バトロイド」に続き、2010年3月からは、1/100でVF-1S/J/Aのファイター形態とバトロイド形態が模型化されている。特徴は、ファイターの胴体と、バトロイドの腕と脚とバックパックとを、組み合わせることで、ガウォーク形態を作ることができる点である。スナップフィットを採用している。2013年10月には全日本模型ホビーショーにて、ストライクパーツやスーパーパーツを追加した1/100 VF-1シリーズが発表された。また、1/72でデストロイドシリーズが模型化されている。 その後、バンダイから2010年6月に「VF Hi-METAL 1/100 VF-1J」が、11月に「VF-1S ストライクバルキリー ロイ・フォッカー機」が、2011年4月にVF-1A 一条輝、マクシミリアン・ジーナス、柿崎速雄機が、7月にスーパーパーツセットが発売されている。やまとの「1/60 VF-1(Ver.2)」の影響を受けており、肘が二重関節となっている。 2013年6月29日にはバンダイから、三段変形するVF-1の新作プラモデルである「1/72 VF-1A/S バルキリー 一条輝機」(劇場版)と「1/72 VF-1 バルキリー用 ストライクパーツセット」が発売された。しかし強度・精度に多々問題が見られ、好評とは言い難かった。続いて2013年9月23日には、「1/72 VF-1Sバルキリー ロイ・フォッカー機」(TV版)と「1/72 VF-1 バルキリー用 スーパーパーツセット」が発売された。こちらは金型の調整や新規パーツの追加により、改修が施され、品質が改善されている。 他の変形するVF-1には、2002年のバンプレストのプライズ品である完全変形バルキリーVF-S/J/A(タカトク方式)や、海洋堂の「MACROSS SUPER DIMENSION FIGURE」シリーズ(のうちの可変タイプのVF-1、差し替え方式)があった。
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玩具・模型
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/05 02:03 UTC 版)
上映当時、アオシマから3体のテクロイド(ブレーダー、スキャニー、ビゴラス)や乗り物(テムジン、マズルカ、ロードレンジャー、それぞれディスプレイキットとモーターライズキットがあった)のプラモデルシリーズが発売された。また「ミニ合体シリーズ」の61番から64番でブレーダー、65番から68番でビゴラスが発売されていた。 2017年12月に行われたTAMASHII NATION 2017会場にて、バンダイがブレーダーとスキャニーの可動フィギュアを参考出品。HI-METAL Rシリーズにて2018年5月にブレーダーが一般発売予定。
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玩具・模型
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 23:52 UTC 版)
前番組『マクロス』と同じく、メインスポンサーのタカトクトイスが玩具を、イマイと有井製作所が共同でプラモデルを発売したが、いずれも売れ行きは芳しくなく、特にタカトクトイスは本作での見込みが外れたことが原因となり、経営が大きく傾いたと言われている(後番組の『超時空騎団サザンクロス』でスポンサーを外れてから、まもなく倒産した)。同時期には同じくメインスポンサーとなっていた『タイムボカンシリーズ イタダキマン』も低視聴率のために打ち切られており、本作と『銀河疾風サスライガー』の不振はそれに追い討ちをかけた格好となった。 メカニックデザイン担当の宮武一貴は「百貨店でオーガスの玩具の顔を見た子供が怖くて泣き出した」という噂を聞き、売れ行きの悪さを覚悟したという。
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