正法眼蔵とは? わかりやすく解説

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しょうぼう‐げんぞう〔シヤウボフゲンザウ〕【正法眼蔵】

読み方:しょうぼうげんぞう

一切のものを明らかにし、包み込んでいる、正し教え仏法

[補説] 書名別項。→正法眼蔵


しょうぼうげんぞう〔シヤウボフゲンザウ〕【正法眼蔵】

読み方:しょうぼうげんぞう

[一]中国南宋時代大慧宗杲(だいえそうこう)の法語集6巻1147年成立俗称、大慧正法眼蔵。

[二]鎌倉時代法語集95巻。寛喜3〜建長5年1231〜1253)成立宗門規則行儀坐禅弁道など520からなる曹洞(そうとう)宗の根本聖典永平正法眼蔵。


正法眼蔵

読み方:ショウボウゲンゾウ(shoubougenzou)

鎌倉時代仏教書道元著。


正法眼蔵〈山水経第二十九道元筆/十方第四十五懐奘筆〉


正法眼蔵

読み方:ショウボウゲンゾウ(shoubougenzou)

分野 仏教書

年代 鎌倉中期

作者 道元


正法眼蔵

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/18 22:37 UTC 版)

正法眼蔵(しょうぼうげんぞう、正法眼藏)は、主に禅僧である道元が執筆した仏教思想書を指す。正法眼蔵という言葉は、本来は仏法の端的な肝心要の事柄を意味する。禅家はこれをもって教外別伝の心印となす[1]

著者によって大別すると、次の3種類に分かれる。

  1. 『正法眼蔵』 - 3巻。大慧宗杲
  2. (仮字)『正法眼蔵』(仮名記述) - 75巻+12巻+拾遺4巻(現在の研究結果による)。道元著
  3. (真字)『正法眼蔵』(漢文記述) - 300則の公案集。道元選(ただし道元による若干の変更あり)

ここでは、2番目の道元著(仮字)『正法眼蔵』について述べる。

仮名版と漢字版の正法眼蔵

日本曹洞宗の開祖である道元が、1231年から示寂する1253年まで生涯をかけて著した87巻(=75巻+12巻)に及ぶ大著であり、日本曹洞禅思想の神髄が説かれている。道元は、中国曹洞宗の如浄の法を継ぎ、さらに道元独自の思想深化発展がなされている。

真理を正しく伝えたいという考えから、日本語かつ仮名で著述している。当時(鎌倉時代)の仏教者の主著は、全て漢文で書かれていた(法然親鸞教行信証』、栄西日蓮、…)。古い巻の記述を書き直し、新しい巻を追加して全部で100巻にまで拡充するつもりであったが、87巻で病のため完成できなかった。その後、拾遺として4巻が発見され、追加されている。

(仮字)『正法眼蔵』は、道元の禅思想を表現するために、語録から特に公案で使われてきた重要な問答を取り出し、それに説明注釈する形で教えを述べている。その種本が(真字)『正法眼蔵』であり、10種類ぐらいの禅語録から、道元がみて重要な300則の禅問答を抜き出している。ただし、そのまま写したのではなく(抜き出した段階で既に)道元の思想によって若干の変更が加えられていることが、研究の結果判かっている。

真筆と諸版

道元真筆とされるものは、正法眼蔵嗣書(しょうぼうげんぞうししょ、伊予西条藩松平家旧蔵→里見忠三郎旧蔵、現在は駒澤大学禅文化歴史博物館所蔵)[2][3]、正法眼蔵「山水経」(愛知県全久院所蔵)など[4]10数種が残っている。

また、道元の死後直後から、後継者らにより頻繁に書写され、各地に分散していく。現在では以下6系統が確認されている。

  • 75巻本
  • 12巻本(百八法明門がある)
  • 60巻本
  • 卍山本
  • 80巻本
  • 95巻本

最後に開版(出版)された95巻本には、『正法眼蔵』とは呼べない文章も混入している[5]

大久保道舟など識者の精緻な研究結果から、旧稿75巻+新稿12巻に整理され、学会で合意されている[6]

修證義

特に在家への布教を念頭において、正法眼蔵から重要な点を抜粋したものに修証義(しゅしょうぎ)がある。

有名な言葉

而今の山水は、古仏の道現成なり(目の前の自然は、古来伝えられてきた仏の道が成就したもの、そのものである) —  山水経の冒頭


宗門の正伝にいわく、この単伝正直の仏法は、最上のなかに最上なり。参見知識のはじめより、さらに焼香・礼拝・念仏・修懺・看経をもちいず、ただし打坐して身心脱落することをえよ(この仏法では最初から焼香、礼拝、念仏、懺悔、読経もせず、ひたすら座禅して身も心も消せるようにせよ) — 弁道話より

これまでの刊行書籍

原本・注釈

現代語訳

新装版 全6巻、1999-2000年/河出文庫 全5巻、2004年

巻名

75巻本

  1. 現成公案
  2. 摩訶般若波羅蜜
  3. 佛性
  4. 身心學道
  5. 即心是佛
  6. 行佛威儀
  7. 一顆明珠
  8. 心不可得
  9. 古佛心
  10. 大悟
  11. 坐禪儀
  12. 坐禪箴
  13. 海印三昧
  14. 空華
  15. 光明
  16. 行持
  17. 恁麼
  18. 觀音
  19. 古鏡
  20. 有時
  21. 授記
  22. 全機
  23. 都機
  24. 畫餅
  25. 谿聲山色
  26. 佛向上事
  27. 夢中説夢
  28. 禮拜得髓
  29. 山水經
  30. 看經
  31. 諸惡莫作
  32. 傳衣
  33. 道得
  34. 佛教
  35. 神通
  36. 阿羅漢
  37. 春秋
  38. 葛藤
  39. 嗣書
  40. 柏樹子
  41. 三界唯心
  42. 説心説性
  43. 諸法實相
  44. 佛道
  45. 密語
  46. 無情説法
  47. 佛經
  48. 法性
  49. 陀羅尼
  50. 洗面
  51. 面授
  52. 佛祖
  53. 梅花
  54. 洗淨
  55. 十方
  56. 見佛
  57. 遍参
  58. 眼睛
  59. 家常
  60. 三十七品菩提分法
  61. 龍吟
  62. 祖師西來意
  63. 發菩提心
  64. 優曇華
  65. 如來全身
  66. 三昧王三昧
  67. 轉法輪
  68. 大修行
  69. 自證三昧
  70. 虚空
  71. 鉢盂
  72. 安居
  73. 他心通
  74. 王索仙陀婆
  75. 出家

12巻本

  1. 出家功徳
  2. 受戒
  3. 袈裟功徳
  4. 發菩提心
  5. 供養諸佛
  6. 歸依佛法僧寶
  7. 深信因果
  8. 三時業
  9. 四馬
  10. 四禪比丘
  11. 一百八法明門
  12. 八大人覺

別巻

  1. 辨道話(弁道話、別本あり)
  2. 四攝法 (菩提薩埵四攝法)
  3. 法華轉法華
  4. 唯佛與佛
  5. 生死
  6. 道心

その他

  1. 心不可得
  2. 重雲堂式
  3. 示庫院文

脚注

  1. ^ 「織田佛教大辞典」p790
  2. ^ 駒澤大学禅文化歴史博物館所蔵「道元禅師真筆「正法眼蔵嗣書」2008年
  3. ^ 駒澤大学禅文化歴史博物館 平成21年度企画展『正法眼蔵』出版の足跡リーフレット
  4. ^ 鏡島元隆「正法眼蔵の成立的研究について:古田紹欽著『正法眼蔵の研究』刊行にちなんで」『駒澤大學佛教學部研究紀要』31巻、1973年
  5. ^ 旧岩波文庫全3巻、ただしこの版は、語句の誤りが多いので、岩波書店では絶版になった。復刻版が一穂社にある。
  6. ^ 水野弥穂子校注、岩波文庫版での解説。
  7. ^ 河村孝道著「正法眼蔵」‐『講座道元 第3巻 道元の著作』、73頁、春秋社、1980年11月 も参照。
  8. ^ 旧岩波文庫版は衛藤即応校註 全3巻

関連項目

  • 『正法眼蔵那一宝』 - 父幼老卵が撰述した『正法眼蔵』の註釈書。
  • 正法眼蔵随聞記』 - 道元の弟子の懐弉がまとめた道元の説法集。
  • 全久院 - 道元直筆の山水経(75巻本の29)を所蔵。国の重要文化財。

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