施無畏印とは? わかりやすく解説

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せむい‐いん〔セムヰ‐〕【施無畏印】

読み方:せむいいん

施無畏功徳を示す印相右手の5指をそろえて伸ばし手のひら前に向けて、肩の辺に上げる。


施無畏印

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/31 21:26 UTC 版)

施無畏印
東大寺盧舎那仏像(左手は与願印を結ぶ)

施無畏印(せむいいん、: abhaya mudrā)は、安心を意味する印相であり[1]ヒンドゥー教仏教をはじめとしたインドの宗教における恐怖の払拭や、神の加護、幸福などを象徴する。右手を肩の高さまで上げ、手のひらを外側を向け、指は上へと向ける[2] 。願いの実現を象徴する与願印とともに用いられることも多く、釈迦如来像などに見られる[3]

概要

加護や平和、慈悲、恐怖の払拭などを象徴し、ヒンドゥー教仏教ジャイナ教シク教などの像で数多く用いられる、最古の印相の1つである。ヒンドゥー教の神であるシヴァは、第二の右手が施無畏印を結ぶ姿で描かれており、ダルマの正義に従う人々に対して、悪と無知からの加護を授けている。上座部仏教では通常、右手を肩の高さまで上げ、腕を曲げて手のひらを外側に向け、指は閉じた状態で上へ向ける。これは立った状態で行われ、左手は通常、垂らしたままにしておく。タイラオスでは、この印相は歩く仏陀像に関連付けられており、両手で施無畏印を結ぶ像も存在する。

施無畏印は、仏教誕生以前から、初対面の人と会う際に、善意の象徴として使用されていたとされる。ガンダーラの芸術では、説諭を示す際に用いられる。また、4世紀7世紀北魏時代と代には中国でも用いられた。

釈迦が、提婆達多アジャータシャトルによるとも言われる)の手によって酔った象に襲われた際には、その象を鎮圧するために施無畏印を結んだ。大乗仏教では、もう一方の手を用いて他の印相と組み合わせた像も見られる。

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脚注

出典

  1. ^ 新村出 編『広辞苑』(第七版)岩波書店、2018年1月12日、3021頁。 
  2. ^ Abhaya Mudra” (2015年3月17日). 18 July 2015時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年12月31日閲覧。
  3. ^ 仏さまのハンドサイン”. 彼岸寺. 2024年12月31日閲覧。
  4. ^ Yves Bonnefoy (1993). Asian Mythologies. University of Chicago Press. pp. 178–179. ISBN 978-0-226-06456-7. https://books.google.com/books?id=r4I-FsZCzJEC&pg=PA178 

参考文献

関連項目


施無畏印(英語版)(せむいいん)(Abhaya Mudrā アバヤ・ムドラー)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/23 13:37 UTC 版)

印相」の記事における「施無畏印(英語版)(せむいいん)(Abhaya Mudrā アバヤ・ムドラー)」の解説

手を上げて手の平前に向けた印相漢字の示す意味通り恐れなくてよい」と相手を励ますサインである。不空成就如来が結ぶ。

※この「施無畏印(英語版)(せむいいん)(Abhaya Mudrā アバヤ・ムドラー)」の解説は、「印相」の解説の一部です。
「施無畏印(英語版)(せむいいん)(Abhaya Mudrā アバヤ・ムドラー)」を含む「印相」の記事については、「印相」の概要を参照ください。

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