寛政大学
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架空の大学で、小田急線・祖師ヶ谷大蔵駅と成城学園前駅、京王線・千歳烏山駅が最寄り駅という設定。なお、アニメ版では成城大学が外観のモデルとなっている。 清瀬 灰二(きよせ はいじ)/ ハイジ 声 - 野島健児(ラジオ)、豊永利行(アニメ)、川上貴史(ボイスコミック) / 演 - 黄川田将也、松田裕(舞台)、小出恵介(映画) 本作の主人公で、文学部4年生。駅伝チームの主将で、第10区走者。陸上競技部の寮である「竹青荘(ちくせいそう、通称:アオタケ)」での食事や掃除、その他の雑用をはじめ、陸上部員の健康管理やトレーニングメニューなどを仕切っている。 人の心を操るのが上手で、竹青荘の住人には「鬼」「詐欺師」と形容されることもある。基本は穏やかな性格であるが、ときに厳しく部員を鼓舞するリーダーシップの持ち主。誰よりも部員たちのことを考え、チームとしてのバランスを取ろうとする。また、大家である田崎の飼い犬であるニラの世話もハイジがしている。 かつては強豪・出雲中央高校(漫画では出雲一高)の高校1年生で、5000mを14分10秒台で走る、エリートランナーだった。しかし練習中に脚に違和感を覚えるようになり、監督であった父に相談することもできず、結果右膝を剥離骨折し手術を経験している。 カケルの走りを偶然目にし、その走りに魅せられたことによりアオタケに勧誘し、そろった住人を率いて、たった10人で箱根駅伝を目指そうと決意する。 蔵原 走(くらはら かける)/ カケル 声 - 今井翼(ラジオ)、大塚剛央(アニメ)、若松共生(ボイスコミック) / 演 - 和田正人、堂本翔平(舞台)、林遣都(映画) 本作のもう一人の主人公で、社会学部1年生。第9区走者。アニメ版では主人公となっている。かっとなりやすい性格で、走ること以外は口下手で不器用。 仙台城西高校出身で、高校2年生で5000mを13分50秒台という驚異的な速さで走る天才ランナーだったが、所属していた陸上部の勝利至上主義の監督とそりが合わず、問題を起こした。その結果、出場停止処分を受け、退部した。大学に進学してからも走ることを捨てることができず、当初は陸上部に所属することなく単独で走りつづけていたが、ハイジとの出会いで運命が大きく変わった。ハイジに勧誘されたことで、当初はなし崩しのようなかたちで陸上部に入部し、箱根を目指す。 走ることについては文句なしのエースだが、人間的に未熟な点が多く、部員とは幾度も衝突を重ねたが、ハイジらとの日々を過ごすなかで、人間的にも大きく成長していった。 漫画版では葉菜子に対し恋愛感情を持ち、双子のジョージ、ジョータにライバル意識も持ったりする一面もある。 杉山 高志(すぎやま たかし)/ 神童 声 - 沼田祐介(ラジオ)、内山昂輝(アニメ)、團悠哉(ボイスコミック) / 演 - 渋江譲二 、磯野大 (舞台)橋本淳(映画) 商学部3年生。第5区走者。地方出身で往復10kmの山道を歩いて学校に通っていた。映画版では秋田県、アニメ版では山形県出身の設定。 素朴な好青年だが、故郷では何をやっても一番だったことから「神童」というあだ名がついた。しかし、上京すると、自分がただの凡人ということを悟った。 穏やかかつ協調性のある性格で、自分のことよりも他人を優先しがち。前述の背景から、山道への適性を見出され「山登り」と呼ばれる急坂が続く5区に抜擢される。しかしその性格上、対外交渉を一手に担うことになり、箱根当日に体調を崩す。最悪なコンディションの状態でも走り続け、走るうえでもっとも大切なことだとハイジが称する「強さ」を体現する。 竹青荘の住人で、唯一彼女がいる。 漫画版では一人称が僕ではなく「オレ」となっており、性格は他メディアに比べ、若干つかみどころがなく、暗い。 柏崎 茜(かしわざき あかね)/ 王子 声 - 坂熊孝彦(ラジオ)、入野自由(アニメ)、小野祐輔(ボイスコミック) / 演 - 松本慎也、栗原大河(舞台)、中村優一(映画) 文学部2年生。第1区走者。極度の「漫画オタク」で、部屋は漫画で埋め尽くされている。大学内では漫画研究会に入部している。端整な顔立ちをしていることから「王子」というあだ名がついたが、その美しい容姿は何の役にも立っていない。 メンバーのなかでは一番足が遅く、運動も苦手なため、練習でもその克服がチーム内での課題となっていた。最初のころはウォーミングアップにすら苦心し、箱根駅伝に出場するための標準タイムの倍以上の時間を要するほどであったが、ハイジに見込まれた生来の粘り強い精神もあり、完走するようになった。当初は、あまりに運動ができないことから、走ることそのものを悲観的に捉えているが、しだいに竹青荘の住人と走ることに対し愛着を感じ始めた。 城 太郎(じょう たろう) / ジョータ 声 - 根本幸多(ラジオ)、榎木淳弥(アニメ)、大須賀直也(ボイスコミック) / 演 - 高木万平、二葉勇(舞台)、斉藤慶太(映画) 1年生。第3区走者。高校時代はサッカー部に所属していた。双子の弟のジョージのことを一番よく知っており、弟よりも自身がしっかりしていると思っている。天真爛漫に振る舞いながらも、実は計算して行動することもあり、本心から純粋に振る舞うジョージと自身は違うと感じている。女子が大好きで「彼女募集中」であるが、葉菜子の好意には気づいていなかった。 実は弟のジョージのほうが、自身よりも走りに秀でていることに気づいており、ジョージの独り立ちを予感している。 城 次郎(じょう じろう)/ ジョージ 声 - 菅沼久義(ラジオ)、上村祐翔(アニメ)、大須賀直也(ボイスコミック) / 演 - 高木心平、二葉要(舞台)、斉藤祥太(映画) 1年生。第4区走者。ジョータの双子の弟。高校時代はサッカー部に所属していた。裏表も計算もない、天真爛漫で無邪気な性格。同級生であるカケルとはよく衝突するものの、純粋にカケルの走りに憧れている。兄と同じく女の子が大好きで「彼女募集中」であるが、葉菜子の好意には気づいていなかった。 自分と似た外見の兄がいること、間違えられやすいことに不満を感じておらず、子供の頃は友人を混乱させることを楽しんでいたふしもあるが、実は自分自身を認めて欲しいと思っている。 岩倉 雪彦(いわくら ゆきひこ)/ ユキ 声 - 三宅淳一(ラジオ)、興津和幸(アニメ)、若松共生(ボイスコミック) / 演 - 粕谷吉洋、高岡裕貴(舞台)、森廉(映画) 法学部4年生。第6区走者。色白で眼鏡をかけている。大学3年の時、司法試験に一発合格した秀才。しかしその反動でたがが外れ、クラブ遊びに興じるようになった。 父親を事故で亡くし、母子家庭という環境で育った。女手ひとつで自分を育てた母親を幸せにしたい一心で弁護士を志し、高校生の時から独自に対策を行い努力を惜しまなかった。しかし母親が再婚したことで、目標を見失い、東京出身でありながら実家から遠ざかるために竹青荘に住んでいる。 高校時代は剣道部に所属していたため、柔軟性に秀でている。その頭脳通りペース配分に優れ、走りに活かされる。知的で冷静な議論を好むが、ニコチャンの煙害にはたびたび激昂する。その一方で、ニコチャンのことを案じ、とりわけ気にかけることも多い。 ムサ・カマラ / ムサ 声 - 山本圭一郎(ラジオ)、株元英彰(アニメ)、湯本貴大(ボイスコミック) / 演 - 矢野デイビット、大日向コリン(舞台)、ダンテ・カーヴァー(映画) 理工学部2年生。第2区走者。流暢な日本語を操り、丁寧な話し方をするアフリカ(アニメ版ではタンザニア)出身の黒人留学生。ただし、一般の留学生(国費留学生)であり、陸上経験はない。ハイジの計画に「黒人の足が速いというのは偏見です」と反論し、自分では戦力にならないと訴えた。しかし、竹青荘の居心地のよさと、ハイジの人望もありすぐに翻意し、箱根を目指す。 直前の記録会では14分台で完走するまでに成長した。神童にはたびたび分からない言葉について尋ね、難しい言葉を教えてもらっている。 舞台版では黒人であるがために心ない電話のことで傷つき、心が大きく揺らぐが、藤岡の言葉に励まされ、ふたたび皆と箱根を目指す。 坂口 洋平(さかぐち ようへい)/ キング 声 - 西脇保(ラジオ)、北沢力(アニメ)、川上貴史(ボイスコミック) / 演 - 瀧川英次、田中翔(舞台)、内野謙太(映画) 社会学部4年生。第8区走者。クイズ番組が大好きで、そこで得た知識は多才である。しかし小心者のため、今まで一回もクイズ番組に出場したことはない。 高校時代はサッカー部に所属していたが、走力は戦力として数えられるレベルにはあるものの、王子を除いた部員の中ではもっとも遅い。 就職活動に苦戦しており、当初箱根は就職のために志していた。また本来は暗い性格であり、仲の良いアオタケの住人に対しても疎外感を感じながらも、周囲に馴染むために無理やり明るく振舞っていた。しかし、走りを通じて、その意識が徐々に変化していくことに気づく。 漫画版では関西出身で関西弁で話す、女友達が多く軽薄な言動の人物になっている。 漫画、映画、舞台、アニメなどで、容姿や境遇に大きく違いが現れているキャラクターでもある。 平田 彰宏(ひらた あきひろ)/ ニコちゃん 声 - 田中一成(ラジオ)、星野貴紀(アニメ)、中島大(ボイスコミック) / 演 - 鍛治直人、足立英昭(舞台)、川村陽介(映画) 理工学部3年生。第7区走者。ハイジら4年生よりも1学年下だが2年間浪人をして入学、その後も取得単位不足で2年留年しているため、年齢はハイジよりも3歳年上。一方でパソコン技術には精通しており、卒業できなくても食べていけるほどの腕の持ち主。大学の学費と生活費は、すべてソフト制作のアルバイトでみずから賄っている。 高校時代は陸上部に所属していたが、骨太の体格から記録が伸びず挫折を味わい、大学入学を機に陸上から離れた。つねに寮の自室を煙草の煙で充満させているようなヘビースモーカーだったが、駅伝参加へ向けて本格的な練習が始められたのを機に禁煙する。あだ名の「ニコチャン」はニコチンにちなんだもの。かつての挫折から走ることに抵抗を感じていたが、箱根を目指すことで走りへの愛を取り戻した。 勝田 葉菜子(かつた はなこ) 声 - 吉田仁美(ラジオ)、木村珠莉(アニメ)、 千里(ボイスコミック) / 演 - 近野成美、西村菜那子/千歳ゆう(舞台)、水沢エレナ(映画) 文学部1年生。駅伝チームのマネージャー。本作のヒロイン的ポジションである。黒髪、ロングヘアの美人でチームのマドンナ的存在。竹青荘近所の八百屋「八百勝」の娘で、ときどき野菜を差し入れしている。双子(ジョータ・ジョージ)の両方に思いを寄せているが、カケルの好意には気づかない。 漫画版の設定ではマネージャーになるまでは茶道部だったことになっている。 また、カケルのことも意識する描写がある。 映画版では「勝田食堂」という定食屋の娘となっており、登場当初からハイジと知り合い。勝田家秘伝のカレーもハイジが熱心に通って習得したらしい。 テレビアニメ版では高校3年生に変更されており、髪型も栗色の髪のショートボブヘアになっている。料理の腕前は双子以上に壊滅的で、カケルと王子以外は食べた直後腹を下す。
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